次はニュアンスについてです。
一口に「ニュアンス」と言ってしまうと、多種多様な価値観が存在するので、ワタシにその全てを説明するのは到底(と言うか絶対に)無理なので、ここではバンドで大事な先にも述べた「リズムコントロール」と、次のページに書く「音量コントロール」に的を絞って書きたいと思います。
リズムコントロール
いわゆる「前ノリ」「後ノリ」「ツッコミ」「タメ」「ハネる」等、1拍や1小節の中でジャストのリズムからずらして演奏したり歌ったりする事ですが、これが分かるようになるには「ジャストのリズム」を耳で分かってないと、弾いたり歌ったりする事(コントロールする事)はまず不可能でしょう。
これはワタシ自身の体験から分かった事なのですが、ワタシがブルースセッション等でベースを弾いていると「ハネるベースを弾くねぇ」とよく言われます。今のワタシだったら「ウラを出来るだけタメる様に意識してるんですよ〜」なんて事も言えるのですが、もしこれが18歳のワタシだったら「そうですかねぇ・・・」と言っておきながら、心の中で「当たり前じゃねえか!!シャッフルなんだから!!」と呟いていました(今にして思うとなんとも情けないハナシです・・・)
本当のジャストのリズムを分かっていなかったワタシは自分自身の「ハネるベース」をジャストのリズムと勘違いしていたという事になります。ではそれが一体、いつ勘違いということに気がついたかと言う事になりますが、バンドのレコーディングで段々分かってきたんです。
当時のレコーディングはドラムがメンバーでいなかった為に、ドラムはシーケンサーの打ち込みでレコーディングをしていました。その当時はクォンタイズをコントロールする知識が無かった為、全てジャストタイミングで打ち込んでいました。そんな打ち込んだドラムでベースを録っていくうちに段々と違和感を感じてきたのが最初でした。なんと言うか、無理矢理合わせて弾いてるような感じがしたんです。
『自分が機械に合わせるんじゃ無くて、機械が自分に合う様に調節したらどうなるだろう?』
と、疑問に思ったので、打ち込みの段階からから自分が弾くようにリズムを合わせてもらったんです。そしてベースをいざ弾いてみたのですが、ハッキリ言ってビビりました。とんでもなく弾きやすい上に、周りの評判も以前と比べ物にならないくらいに良かったんです。
ここでの過程を振り返ると・・・「ジャストで打ち込まれたドラムにずっと合わせて弾いていたので、自ずとジャストのリズムがカラダに染み込んできていた為に、本来の自分のリズムとの違いがアタマより先にカラダが反応していた・・・」こんな感じだと思います。
繰り返しになってしまうのですが、何はともあれ「ジャストリズムをアタマとカラダに刻み込ませる」これが全ての始まりですね・・・
書いた事が前のページと書いている事が似てしまっているかも知れませんが「リズム」のまた違った見方をしているつもりなので、あえて違う項目にしました。