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artist : DELANEY & BONNIE
title : 『 D&B TOGETHER 』
release : 1972年
label : CBS
tracks ( cd ) : (1)ONLY YOU KNOW AND I KNOW (2)WADE IN THE RIVER JORDAN (3)SOUND OF THE CITY (4)WELL, WELL (5)I KNOW HOW IT FEELS TO BE LONELY (6)COMIN' HOME (7)MOVE 'EM OUT (8)BIG CHANGE COMIN' (9)A GOOD THING (I'M ON FIRE) (10)GROUPIE (SUPERSTAR) (11)I KNOW SOMETHING GOOD ABOUT YOU (12)COUNTRY LIFE
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(6) / side B...(7)〜(12)
members ( friends ) : JOE JOHANSON,CHUCK MORGAN,SAM CLAYTON,DARRELL LEONARD,LARRY SAVOIR,JERRY JUMONDILLE,GORDON DE WITTY,JAY YORK.
special thanks to other friends : BOBBY WOMACK,JIM GORDON,BILLY PRESTON,JOE HICKS,DUANE ALLMAN,RED RHODES,RON BROWN,RAY JACKSON,JOHN HARTFORD,ERNIE McDANIELS,EDDIE KENDRICKS,MERRY CLAYTON,VANETTA FIELDS,PATRICE HOLLOWAY.
producer : DELANEY BRAMLETT
arranger : DELANEY BRAMLETT
vocal contractor : THURSTON FRAZER
string contractor : GEORGE POOLE
related website : 『 Delaney Bramlett dot Com 』(公式サイト)、『 Official Website of BONNIE BRAMLETT 』(公式サイト)




 本作は本来アトコ・レコードからリリースされるはずだったのだが、何かの事情でCBSからリリースされることに。それに伴い内容の充実を図るため曲目やミックスの変更を施したせいで、かえって微妙なちぐはぐ感が出てしまったということだろうか、本作に対する一般的な評価は“散漫”の一言。しかし、“境界線音楽”が好きな人間にとっては、それが魅力に思えてくる。彼ら本来の持ち味、ゴスペルやカントリーを包括した豪快なロックはもちろんのこと、当時のミュージシャンにとってはある意味脅威的なスライ・ストーンの、リズム・ボックスを使用したポリ-リズミック・ファンクを取り入れたりして、ちょっと面白いアプローチをしている。


(1)ONLY YOU KNOW AND I KNOW  ▲tracks
 ギターによるイントロに期待感が溢れる(1)。縦に刻むリズムのせいで、体が勝手に“ノッシ・ノッシ”と動き出してくる。彼らのライヴ・アルバム 『 ON TOUR 』 で既に演奏されている。また、この曲はデイヴ・メイスンの作で彼のアルバム 『 ALONE TOGETHER 』 に収録されている。


(2)WADE IN THE RIVER JORDAN  ▲tracks
 ゴスペル・コーラス隊をフィーチャーした(2)。ボニーの歌の熱のこもりようも“スゴい”の一言。キリスト教の信者じゃなくてもグイグイと引き込まれ、感動の渦に巻き込まれてしまう。小倉エージ氏によるライナーによれば、この曲は映画 『 VANISHING POINT 』 で「YOU GOTTA BELIEVE」として、ちょっとちがう感じで演奏されているとのこと。


(3)SOUND OF THE CITY
(4)WELL, WELL
  ▲tracks
 ユッタリとしていながらも乗りのいい南部的 R & B 〜 R & R の(3)の次は、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの 『 THERE'S A RIOT GOIN' ON 【暴動】』 〜 『 FRESH 』 あたりのリズム・ボックスを使用したポリ-リズミック・ファンクを取り入れた(4)。リズム・ボックスだけだなく、エレピやベースの音色、冒頭のヴォーカルにかけたエフェクトまで似せてある。ギター関係だけはやはり彼らの持ち味の南部フィーリングが漂ってはいるけど。ただスライの内に向かうようなダウナーな雰囲気は彼らにはなく逆にポジティヴな空気が溢れている。


(5)I KNOW HOW IT FEELS TO BE LONELY  ▲tracks
 メランコリックなピアノとストリングスに導かれて始まり、ゴスペル隊も入って徐々に盛り上がる8分の12拍子のバラッド(5)。ボニーの歌が激しく胸を打つ。


(6)COMIN' HOME
(7)MOVE 'EM OUT
(8)BIG CHANGE COMIN'
  ▲tracks
 既にアトコ時代のシングルやアルバム 『 ON TOUR 』 で披露済みの南部系 R & R (6)、ブッカー・T.&ジ・MG'sのスティーヴ・クロッパーが作曲に絡んでいる朗らかな(7)を挟んで、ゴスペル隊、ホーン・セクション等総動員で盛り上がりまくるアップ・テンポなナンバー(8)。本作のハイライトと言えそうな曲で、もう興奮の坩堝。


(9)A GOOD THING (I'M ON FIRE)  ▲tracks
 再びスライ風な(9)。30秒あたりの「TOO MUCH , TOO SOON」というくだりのコーラスの入り方なんかは、もろ 『 THERE'S A RIOT GOIN' ON 』 収録の「LUV N' HAIGHT」な感じだけど、それほどポリ-リズムを強調した感じにはなっていない。しかし、やはりスライとは対照的に、デラニーの熱唱やホーン・セクションが曲をどんどんアッパーでポジティヴにしていく。(4)よりさらに“自分たちのものにした”という感じがするくらい南部サウンドとうまく合わさっている。同じスライのリズムを取り入れるのでも、ウェットでロンリーな方向に持っていったスガシカオとは好対照だ。お気に入りのテープを作る時、「スライから何にどう繋げようかなぁ」なんて考えあぐねたら、本作やスガ シカオの 『 CLOVER 』 を思い出してください。


(10)GROUPIE (SUPERSTAR)  ▲tracks
 そしていよいよ出ました!カーペンターズがカヴァーしていた名曲(10)。何の前触れもなくいきなりボニーの歌から始まる。ブルージーなギターやバリッとしたホーン、切なげなヴァイオリンやピアノ、そしてゴスペルとは違った生々しいコーラスが、ボニーの熱唱を盛り上げる。この曲を作ったボニーやリオン・ラッセルも、まさかおよそ四半世紀も経ってからオルタナティヴ・ロックの元祖的バンド〜ソニック・ユースがカヴァーしようとは夢にも思わなかっただろう。


(11)I KNOW SOMETHING GOOD ABOUT YOU
(12)COUNTRY LIFE  ▲tracks

 ユルくグルーヴするファンキーな(11)の後は、ほっこりユッタリのカントリー調の(12)で幕。メランコリックな(10)の後(11)というのは、「ちょっとそれはないよな」という繋ぎ方。せっかく曲自体はいいのに、こういう曲順だから散漫な印象を抱かせるのではないだろうか。


 プロレスラーの橋本真也に、メガネをかけた内藤やす子がしがみ付いているかのようなジャケットの本作。 『 D&B TOGETHER 』 というタイトルとは裏腹に、本作の発表と前後して彼らが離婚したというのは何ともまた皮肉なことだ。


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