〜 クラシカルな手法からの以外な展開・結末 〜
composed & arranged:Micky ・WAJIN / Hiro・Kotake
原作は、昨年だか一昨年だかに途中まで作って放置してあったもの。
当時、クラシック的な和声で作曲する事に興味があったWAJINが、まずバッキングにカノン(輪唱)様式を取り入れ、ついでに笛のメロディもほぼ同じフレーズをタイミングをずらして重ねてみた。
聴いていて、「まるで雪が降っているようだ」と感じた。
淡々と重なっていく同じ色、同じ性質を持つもの・・・。
まあ、そんな風に、古典的な作曲手法、ありがちなイメージから始まった作品である。
【次は何をやりましょか?】
という話になり、偶然にも”この曲を”という事でWAJINとHiro氏の意見が一致。
あ〜〜、実にいいコンビだ。
ただ、このコンビで共同製作をすると、必ずドロッと濃い作品になるであろう事は、これまでの経緯から予測された事は言うまでもない。
あんまり、世間一般からみて解りやすいとか素直とかいう作風にはならない。(笑)
なぜなら、双方とも型破りな事が大好きだからだ。はっはっは・・・はは。
【とりあえずHiro氏におまかせ】
WAJINは作りかけで放っておいた作品・・・ということは、既にWAJINにはその先の展開を考えられなかったという事であり、Hiro氏の感性と力量に委ねざるを得ない状況となった事は必然性を伴う事実だ。
最善の結果を望むが故に外からの援助を期待するという事は甚だ自己責任放棄的であり、公的視点において全く努力が認められない。
遺憾に思われるが、この件においてはやむを得ぬ事であった。以下、WAJINからHiro氏への感謝及び謝罪の弁である。
「いっつもいっつもいい加減なモノをお渡ししてすみませーん!
毎度グレードアップして下さってありがとうございますー!!」
【そんなこんなで】
Hiro氏から、続きを加えたMIDIデータがWAJINに送られた。
おおおお。途中までは、オリジナルの流れを汲んだクラシカルテイストだが・・・なんと!!大胆にもドラムが入り、しかもしかも壮大かつ重厚かつテクニカルなプログレチックな演奏が加わっていたではないか!!!
もう、この展開には目からウロコ!口からエクトプラズム!
やはりおまかせして良かった。私には、どうやってもこんな展開は思い付かない。400年生きても思い付かない。
【バッサバッサと切り捨て御免!】
・・・という具合に、かなり完成形に近付いてきていたのだが・・・
ここでWAJIN、ほとんど横暴とも言える編集に乗り切る。
Hiro氏に作っていただいた部分にちょこっとストリングスのピッチカートを加えるとかハーモナイズを変えたりしたのは、まあともかく・・・、
自分が結構時間をかけて作り、さらにHiro氏にも散々手をかけていただいていた、エンディングに繋がる笛を主役にした部分を、丸ごとバッサリと切り捨てる。我ながら大胆な事をするものだ。
どうやら、私は手間暇かけて形にしたモノをあっさり捨てるという性分のようだ。
潔いといえば聞こえはいいだろうが、つまり、気分屋という事で。(^^;
【足音に苦労し、ドアの音に呆れる?】
あの曲には、印象的な2つのSEが使われている。
一つは、曲の展開部に出てくる足音。
実は〜〜、あれに〜〜、一番〜〜苦労したのよ〜〜〜よよよ。
当然、曲のテンポやリズムとは関係ない音なわけで、ひとつひとつの音を入れるタイミングが実に難しかった!いやはやいやはや。
最初は、いい加減に放ってあったのだが、Hiro氏のアドヴァイスに従い、PAN(定位)の移動を加えてみた。右手近くから出てきて左手遠くへ走り去る設定だ。
彼女は、どこへ走り去っていったのか?
ラストのドアの音は、もしかしたら、彼女が誰かに対して心の扉を閉ざしたのかも知れないし、新しい世界のドアを開いて飛び込んだのかも知れない。
あるいは、彼女を閉め出した誰かがいたのかも知れないし、単に、観たいTV番組があったのを思い出して、急いで家に帰っただけかも知れない。
どうでもいいけど、あのドアの音は安っぽくていただけない。
なんだかなー、安アパートの金属扉みたいだなあ。(T_T)
聴き手に御自由にドラマチックなストーリーを描いていただけたら幸いだ。
でないと、我々が頑張って大胆な展開のつじつまを合わせた意味がない。