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夢想〜決別(風花にきく)


WAJINさんからもらったMIDIの元タイトルは、たんに「風花にきく」であった。元はカノン形式というものである。♪静かな湖畔の森の影からもう起きちゃいかがとカッコーが鳴く。カッコーカッコーカコカコカコ〜♪のような輪唱のことをカノン形式と言うようだが、「風花にきく」は単純なようで実に深みと奥行きのある世界だ。情景が目に浮かぶ。

何回も聴いていたが、聴けば聴くほどタイトルどうりの世界が完結していて、これをどうしようか迷いに迷い抜いた。しかし、それでは仕方がないので、その水彩画のような音像にこだわらず、風花が吹雪いて大雪になり、やがて収束する展開でやってしまおう−と、心に決めた。WAJINさんも了解してくれた。


まず、オルゴールで消え入りそうにリフレインしたあとに、弦楽でぶわ〜っとやってみた。(これは、あとで和声をWAJINさんが修正)
そしてトロンフルートのリフパートを作る。ここまでは、WAJINさんの作った最初から続くピアノフレーズを伴奏にした。(あとで彼女のピチカートが加わる) 
そしてドラムロールから大きく展開させる。(6/8拍子)ここは好き勝手にやらせてもらった。
嵐だ!吹雪だ!心象風景に置き換えれば、感情が大きく波打つ展開だ。ベースソロのあと、ソプラノサックスのソロフレーズを乗せ、分厚い弦楽と戯れさせた。(あとで、その気が狂わんばかりのソロフレーズは、WAJINさんのアイデアでシンセの別音色に差し替えられる。ナイス!ナイス!ナイス!存在感が際立った。)
最後は5拍子で不穏な雰囲気になり、収束する。自分は、WAJINさんの曲前半のフレーズを拝借し、静かに終わらせてみたが、最終的な収束のしかたは原作者のWAJINさんにゆだねた。


実は、5拍子のあとに、WAJINさんの笛のソロパートがあったが、自らばっさりと切り捨てられた!曲がコンパクトになり、ドア音による衝撃的な収束がはかられた。
彼女のウニャ〜!バサッッ!!と、やってしまった思いきりの良さに拍手を送りたい。(マジ)
今回は採用されなかったが、いずれ長尺版でも出す際には復活するかもしれない。笛のソロからテーマリフに戻り、視点が遠目になっていく部分が、個人的には「ウマイ!」と惚れ惚れしていた。

いくつかのSE(足音など)は、WAJINさんが効果的に加えてくれたので、一段とイマジネイティヴな音像になったと思う。

“サウンドドラマ” まさに、そう思う。
お聴きになる方が、心象風景を様々に想像していただければ−と思います。

以上が、(言葉で説明するのは、いささかもどかしいが)自分の作業報告と感想です。

2002.3.6

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