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保冷保温ボックス利用でクーラー 2

アパート型集合巣箱

 

※(重要!)左ページ末尾の熱計算を参照のこと。


ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。

 

2012.06.14 記

 

このところ、廊下の温度がMAX24℃、MIN22℃となり、

保冷保温ボックス利用でクーラー 1

の制作に取り掛かった。

 

材料は

厚み2cmの発泡ウレタン断熱材

厚み6mm程度のプラスチックプレート(通称プラスチックダンボール)

接着材:POSシール(変成シリコーンシーライト/セメダイン)

DIY用木ネジ:コーススレッド38mm

※いずれもホームセンターで購入

 

 

 

製作途中の状態

 

かなり雑な計算として、厚さ2cmの発泡スチロール板で囲んだ箱の表面積が3uとすると、

発泡スチロールの熱伝導率は0.04W/m2・Kなので、内外の温度差を5度とすると、20Wの伝熱量になる。1時間だと20Wh。

 

空気の比熱は0.24[kcal/kg ℃]なので、仮にアパートの容積が0.3m3とし、これを毎時10回の換気をするものとすると、3m3。比重が1.2kg/m3なので、約0.86cal/℃=1W/℃。温度差が5°なら5Whが必要になる。

 

合計で25Whが最低必要で、実際には、2cmの発泡スチロール板で囲んでいない面があり、前面はビニールカバーになっているので、さらに大きな冷房能力が必要。

 

保冷ボックスHR-D203Wの冷房能力は 【保冷3(強冷)】で45Wh(交流電源だと60Wh)相当なので、うまくいけば、アパートの温度を廊下より5°低くすることができるかもしれない。

 

※冷房装置(冷房室)内部に置いてある、カラーボックスとか巣箱なども熱を持っているが、これらの温度を下げるということは考えていない。

 

※人の冷房設備で人体が発生する熱量は132W/人くらいらしい。ごく大雑把にジャンガリアンの体重は人の千分の1とすると、0.132W。体温が人より高く39℃なので、多めに その倍で見積もると0.263W。6匹で1時間に1.58Wh。

 

(2012.08.02追記)

その後、ペルチェ素子の冷却効率が印加電力の2割程度と分かった。本機の場合は、直流で45Whの消費電力なので、ファン他での消費がないものとしても、9Whの冷却能力しかないことになる。

 

保冷ボックスの保冷室の上部に乗せる部分。

手前側の角に丸みのある四角のパーツをまず作り、

そこを基点として冷気の循環路を現物合わせで作っていく。

 

保冷ボックスに乗せているダクト部分

 

保冷室上部のパーツを外した状態。

写真下側の部分が、アパートへの冷気の行き・戻りダクト。

 

保冷ボックスを外した状態

 

保冷ボックスに乗せているダクトの内部にファンと温度スイッチをセットした状態。

下図のように冷気の送風側は、保冷室からアパートへの遠い側、右側にした。

温度スイッチも、温度が一番高い、戻り側に設置。

 

冷気の循環経路図。

 

温度センサーの設定調整ように、上部パーツの前面は跳ね上げ式の扉にした。

この扉とダクト部の前面はプラスチックプレートを使っていて、断熱効果が

劣るので、6mm厚のウレタンシートを両面テープで貼り付け、効果を少しでも高める。

 

ねずみ(ジャンガリアン・ハムスター)のえさのペレットをあさりに来た我が家の猫。

猫用よりねずみ用の方が高価なので、たまにしかもらえない。

 

アパート前面のビニールカバーはまだ取り付けていない。

この状態でファンを運転してみたところ、弱風でも、それなりに右側のダクトから風が出ていた。

前面をビニールカバー(あるいはプラスチックプレート)で被えば、送風は循環するので、大気に直に送風する時よりも、幾らか送風量は増えるかと思う。

 

※USBファンは、送風の弱強が2段のものを購入したが、1つの電子ボタンでOFF・弱・強を切り替えるタイプのものは、停電後はOFFでスタートするので使えなかった。以前パソコンの側面に置いて空冷するために買ったUSBファンは、物理的セレクトスイッチのタイプで、停電後は設定したモードで再稼動するので、そちらと入れ替えた。

 

ねずみアパートは狭い廊下に置いているので、奥行きはクーラーの冷気が循環できるギリギリのサイズに抑えている。

 

まず、カラーボックスの背面と両側面を断熱材で囲んだ。側面は、カラーボークスを収納後、前面に5cmの余裕があるように組んである。

 

 

カラーボックスの下には床からの湿気などを寄せ付けないように、床面にプラスチックプレートを敷き、発泡スチロールのブロックを 置いて高床にしているが、その部分も一緒に断熱材で囲んだ。

カラーボックスの直の上下も断熱材を敷いている。

 

保冷保温ボックスを写真の位置に置き、あとは原寸を測りながら、断熱材を切り出し、接着。接着剤が乾燥するまでには時間がかかるので、DIY用の木ネジで固定しながら、組み立てていった。

 

 

 

冷気の循環は上図の方向で考えているが、ファンを置く向きを変えれば、逆方向も流せる。

 

前面は、冬場の暖房で使ったビニール温室をそのまま使う予定だが、冷気の逃げが大きいようなら、着脱できるようにしたプラスチックプレートで被えるようにする。

ただ、密閉度が大きくなりすぎると、換気が悪くなりすぎ、ジャンガリアンの呼吸が危険になるので、適度のスキマをもうける。

 

昨年夏の経験から、ジャンガリアンは周囲温度28℃では、若干水を飲む量が増えるが普通に生活している。30℃だと動きはかなりにぶくなり、水の消費がかなり増える。

 

適温は25℃前後くらいかと思うが、28℃では問題なく過ごしているので、28℃に設定する予定。

温度スイッチは、循環の戻り側、保冷ボックスの手前ぐらいでどうかと考えている。

 

温度スイッチの動作対象として、保冷ボックスの電源、循環用ファンの電源のどちらか、あるいは両方が考えられるが、より安定した温度を得るにはファンは動かしておく方が良いと思われるので、温度スイッチは保冷ボックスの電源に使うことにする。

 

完成。

 

前面のビニールカバーの取り付けは、ところどころをガムテープで

貼り付けているだけ。適度に外部の空気と入れ替えるため。

ビニールカバーではあまり冷えないようであれば、

プラスチックプレートを間にかませるように用意はしている。

 

温度計。

左:循環戻り、中央:廊下の温度(24.8℃)、右:保冷室出口

 

5分程度動かしてみただけなので、クーラーの能力は分からないが、戻りと保冷室出口とで2°の温度低下があるので、冷却は行われている。

 

これは、例えば廊下が38℃の時には36℃にしか下がらないということではなく、戻りと出口との温度差が2°の状態で、徐々に冷却対象全体の温度が下がっていくということ。

循環戻りの温度が目的の温度に下がるまでには、かなりの時間がかかると予想される。

 

廊下の温度が26℃を超える日が来たら、設定を23℃くらいにして、試運転をしてみようと思う。