ユーフォニアムの関連資料

ユーフォニアムについて詳しく勉強したい方の為に、参考となる資料をいくつか紹介します

ユーフォニアムの歴史や楽器の解説についての書籍や辞典

ニューグローブ世界音楽大辞典 講談社

音楽辞典の最高峰とされています。日本語版があります。ユーフォニアムに関連する日本語版の素晴らしい訳は主に中野渡先生が担当されています。残念な事に日本語版にはユーフォニアムの項の他国の名称が省略されています。英語版を読まれると、それぞれの項目についての扱い、特にユーフォニアムに関連する名称や、最新版の内容が理解できて面白いと思います。

洋楽導入者の軌跡 中村理平 刀水書房 1993年

題名の通り、江戸末期から明治時代の先人達の洋楽の導入についての大変詳しい内容の本です。特に日本のユーフォニアムの初期の歴史について調べる場合に最も参考になる一次資料についての記載が多く含まれている名著だと思います。

海軍軍楽隊 楽水会編 国書刊行会 1984年

日本で初めてユーフォニアムを演奏した薩摩藩軍楽隊の資料が詳しく、第2次世界大戦の終戦までの海軍軍楽隊の歴史を知るには大変良いと思います。特に初代海軍軍楽隊長による直筆の薩摩藩軍楽隊の隊員名簿と担当楽器の写しは、最も初期のユーフォニアムについて知る事の出来る貴重な文献だと思います。

陸軍軍楽隊史 山口常光 三青社 1973年改訂版

陸軍軍楽隊の誕生から終焉までをまとめた、最後の陸軍軍楽隊長による著書で、海軍軍楽隊の著書とともに戦前の日本を知る貴重な文献です。終戦に至るまでの各隊隊員の壮絶な生死の記録は、平和の尊さについて深く考えさせられるものです。

金管楽器とその歴史 アンソニー・ベインズ 音楽之友社 1991年

日本語訳は、とても読み易い内容です。私個人としては、サクソルン系の楽器の扱い方に少し疑問を感じる点もあります。時代や立場によって物の見方や考え方が異なる事もあります。

最新吹奏楽講座 2金管楽器 音楽之友社 1969年

私が中学生の時の音楽準備室にこの本のシリーズがあって、よく借りて読んでいました。さすがに内容は古くなっているようです。最新版は出たのでしょうか。

楽器図鑑 菅原明朗 音楽之友社 1950年

昭和25年の資料ですから、当時の雰囲気を知るのは楽しいですね。様々な楽器についての記載があり、大変興味深い内容です。
日本の戦前の楽器についての説明や写真は資料としての価値が高いと思います。

楽器図説 菅原明朗 音楽之友社 1976年

楽器図鑑を踏襲したこの楽器図説は、「戦後」の楽器について詳しくのべられている本です。この本が刊行された1976年は三浦徹先生の演奏が日本で初めてレコードに吹き込まれた年です。この本の刊行があと数年遅ければ、ユーフォニアムの記述は現在でも通用する内容になっていたはずです。したがって、この本の価値は「戦後」のユーフォニアムを知る事が出来る貴重な文献となります。「ユーフォニーの正式の名称はFlicorno basso」の記述や、「ユーフォニー(回転式)」「抱き型」等の楽器の説明があり、楽しいですね。

日本音楽の歴史 吉川英史 創元社 1965年

邦楽の立場から洋楽の導入について述べられているのが、私と違う視点からの見方として面白いですね。ユーフォニアムについては述べられていませんので、参考程度です。

オーケストラ楽器おもしろ雑学事典 緒方英子 ヤマハミュージックメディア 2003年

オーケストラの楽器としてユーフォニアムが詳しく紹介された文献で、私がインタビューを受けました。楽器の運搬の項で、当時は航空機のソフトケースでの機内持ち込みの制限が緩く、2つ以上の手荷物の持ち込みが可能でしたが、テロ事件以降の現在、ユーフォニアムの機内持ち込みは米国、ヨーロッパでは困難になっています。

日本の洋楽(全2巻) 大森盛太郎 新門出版社 1986年

楽水会刊行の「海軍軍楽隊」の続編と位置づけられると思います。海軍軍楽隊が戦前に果たした役割と、戦後に復員した隊員による活躍、特にポピュラーミュージックの分野の記録が詳しくまとめられています。

ブラスバンドの社会史 阿部勘一/塚原康子/東谷護/高澤智昌 青弓社 2001年

陸軍戸山学校に軍楽生徒として入学した著者の高澤氏は「プチット・バス」を担当し、その時の様子をこの本の中で克明に記録しています。ご本人が楽器を構えている鮮明な写真も貴重です。

国歌君が代の由来 小山作之助遺稿 小山真津1941年

薩摩藩軍楽隊に入隊した折田徳道が作成した薩摩藩軍楽隊発足当時の名簿が掲載されており、名簿作成の経緯も明らかになっています。「ユーホネン」と楽器名が記載されています。復刻版も出版されています。

〜管打楽器の〜新しい楽器学と演奏法 ヤマハ株式会社 2007年

日本音楽文化振興会が2007年に監修した本書は、日本語で解説されているユーフォニアムについての文献として詳細かつ最新の内容です。ご一読をお薦めします。

お雇い外国人10ー音楽 野村光一 鹿島出版会 1971年

フェントン先生の項で、薩摩藩軍楽隊「ユーフォニウム」の楽器名が出てきます。

増井敬二「データ・音楽・にっぽん」民主音楽協会 1980年

明治初期の天長節宴会欧州楽役割、の項で、現在の宮内省楽部の明治時代の欧州楽の導入について、ユーフォニアムに関する記述があります。

吹奏楽おもしろ雑学事典 2006年

4名の著者の内、渡部謙一氏、松本たか子氏、の両氏がユーフォニアム奏者です。吹奏楽の中で活躍するユーフォニアムについて、面白いお話がたくさん出てきます。


| 戻る |

(C) Sotaro Fukaishi, All rights are reserved.
当サイト(ホームページ)に掲載されている文章の無断転載、及び無断引用は固くお断りしております。文章を参考にして利用する場合は、当サイトの記事である事を必ず明記して下さい。全ての画像、データ等についても、無許可での持ち出し、改変等の利用を禁止しております。