+ JAM! Music Interview
with Jonsi Birgisson +
MOSFELLSBAER, ICELAND
-
レイキャビクから北へ30分ほど離れた場所にあるMosfellsbaerは、
とても穏やかで、アイスランド独特のゆったり落ち着いた街である。
周りは全て山で囲まれ、まるで外の世界とは隔離されたような場所であり、
これ以上孤立した場所はないだろうと思ってしまうほどだ。
たくさんのハイキング用の小道や川、山小屋などに加えて、
そこには新しく造られたSigur Rosのスタジオがある。
この孤独な場所の中で、彼らは音楽を創っていた。
レコーディング作業の休憩をしている間のインタビュー。
2000年の"Agaetis Byrjun"の大絶賛について、「そんなこと考えなくていいんだよ」と
リード・シンガーのJon Thor (Jonsi) Birgissonは強調した。
「僕ら4人は本当にいい友達で、バンドをやることを本当に楽しんでいる。
有名であることとか、そういうくだらないことは話したくないんだ。
アイスランドにいられるっていうのは僕らにとってすごくいいことだと思う。
ここは世間の熱気なんかからはほど遠い場所だからね。
普通の人々と同じように行動出来るし、やりたいことが出来るんだ。」
彼らは古いスイミング・プールを改築して造ったスタジオの中で、
プロデューサーKen Thomasと共に次のアルバムの制作に取り組み始めている。
この作品はまだタイトルは決まっていないものの、
2002年の終わりには出るのではという噂が伝えられている。
トラック・リストはまだ分からないが、
バンドの予想によると、おそらく8〜9曲になるかもしれないらしい。
いくつかの曲は10分以上あり、アルバム全体では70分ピッタリぐらいになるのではとのことだ。
JAM! Musicにプレビューされた曲の中には14分もの大作もある。
Birgissonはまた、キャメロン・クロウ監督の映画"Vanilla Sky"で
決定的な最後のシーンに使われた"Njosnavelin"についても、
アルバムにその曲が収録されることを正式に認めている。
柔らかい物腰のBirgissonは滅多にインタビューをしないものの、
この日は特別だったのか、バンドの新しいマテリアルや
その他の様々なことについて、彼は率直に語ってくれたように見えた。
「僕らがこのアルバムのために書いた曲は、
"Agaetis Byrjun"のものよりずっとありのままのものなんだ。
あの時の僕らは、基本的なコードだけを使って曲を書いていた。
でも今回のアルバムでは、もっと完成された曲っていうか、より調和してるんだ。
そんなにたくさんあるわけじゃないんだけど。
(彼はオーケストラのファンファーレのようにラララと歌った)
たぶんあまり手を加えない、自然なものになるんじゃないかな。
原点に戻ったような感じ。何曲かはちょっと暗めになると思うよ。」
「僕らが "Agaetis〜"を録音した時は、ライブでそれを演奏する必要はなかった。
ストリングス(弦楽奏)を使った曲ばっかりだったから、
ライブで演奏することは出来なかったんだよ。今回のアルバムでは、僕らは・・・」
確かにファンは、バンドの前のライブでの約束から
これらの新しい曲について多くのことを思い出すだろう。
アルバムに収録されているおなじみの曲をあまり演奏できないことで、
この4人組がしばしば批判されていたことを。
「本当に面白いと思うよ。新しい曲を聴くのはみんなにとっていいことだし、
僕らにとってもそれを演奏することはすごくいいことだと思う。」
(話は変わってー)
「僕らのマネージャーをしたいっていう人に会ったんだ。
彼に対する僕らの反応は『マジで?』だったよ。
彼はすごく横柄で、自分の考えでいっぱいだった。
彼は『君たちを大金持ちにしてあげるよ。テレビにたくさん出させて、
大儲けさせてあげる。』って言ったんだよ。
そんなのは僕らの音楽とは全く関係ないことだ。
それはただ何枚のレコードを売るかっていうことだよ。
『音楽ビジネス』っていうものをかいま見た気がして、すごく悲しかった。
いくらかの人々は、彼らがただのビジネスマンであるということを隠さない。
彼らは音楽について何も知らない。僕らが知ってることとは全く正反対なんだ。」
「その契約を断った時、彼は僕らを本当におかしいと思ったらしい。
今までいろんなバンドと仕事をしてきて、
彼と契約をしなかったのは僕らだけだったんだってさ(笑)
『はぁ?』っていう感じだったよ。
彼が言うにはね、バンドっていうのはただ来てサインをして、
どうやって大金を稼ぐか考えるのが普通なんだって。」
1 / 2
|