WEB上でよく用いられる音や動画のファイル形式として次のようなものがあります。(1)WAVEファイル(.wav): Windowsでよく用いられるサウンド形式です。Microsoftサウンドレコーダー(SNDREC32.EXE)で録音、再生可能です。ステレオ、モノラルの他、サンプリング周波数として11.025KHz, 22.050KHz, 44.100KHz、波形を表すビット数として8ビット, 16ビットなどの選択肢がありますが、電話程度の音質であれば11.025KHz, 8ビット, モノラル、ラジオ程度の音質であれば22.050KHz, 8ビット, モノラル、CD程度の音質44.100KHz, 16ビット, ステレオを選択します。
(2)AIFFファイル(.aif .aiff): Macintoshでよく用いられるサウンド形式です。フォーマットが異なるだけで、基本的にはWAVファイルと似たようなものと思ってください。
(3)AUファイル(.au .snd): UNIXでよく用いられるサウンド形式です。フォーマットが異なるだけで、基本的にはWAVファイルと似たようなものと思ってください。
(4)RealAudio(.ra .ram): Progressive Networks社が開発した形式で、.wav .aiff .auよりもサイズが小さい、ダウンロードしながら再生できるなどのメリットがあります。RealAudio Encoderを用いて.wavや.auを.raに変換することができます。再生にはRealAudio Playerというプラグインが必要です。.ram(RealAudio Meta File)という、.raファイルのURLのみを記述したテキストファイルを指定することにより、ストリーム再生(ダウンロードしながら再生)が可能になります。
http://www.jp.real.com/(5)MIDIファイル(.mid .midi): Musical Instrument Digital Interfaceの略で、波形ではなく音符ファイルなのでサイズは非常に小さくてすみます。規格としては世界共通のGM(General MIDI)、YAMAHAのXG、RolandのGSなどがあり、データファイルフォーマットはSMF(Standard MIDI File)のFormat 0、Format 1などがあります。WEB上で扱う場合は、GM Level 1のSMF Format 0を使用するのが無難なそうです。
http://www.midi.org/(6)MP3ファイル(.mp3): MPEG-1 Audio Layer 3の略で、動画技術MPEGの音声部分のみを取り出した規格です。人間の耳には聞こえない帯域の音を省略する技術を用いることにより、WAVに比べて10分の1程度のファイルサイズに圧縮することができます。プラグインで聞くよりも、ダウンロードしてきてWinampなどのアプリケーションで聞くことが多いようです。
http://www.mpeg.org/(7)WMAファイル: Windows Media Audioの略。Microsoftのマルチメディア配信技術 Windows Media Technologies で用いられる。Windows Media Player などのソフトを用いて再生する。
http://www.microsoft.com/japan/windows/mediaplayer(8)Liquid Audio: ファイル形式というより、会社名およびその技術の総称?電子透かし技術や配信時のフローコントロールが可能で、大手サイトの音楽配信基盤として注目をあびている。
http://www.liquidaudio.co.jp/ (2000.6.2追記)
次に、動画のファイル形式について紹介します。(1)GIFファイル(.gif): GIFファイルでも、アニメーションGIFという技術で簡単な動画を再生することが可能です。(→「とほほの画像入門」)
(2)Video for Windows(.avi): Windows標準の動画形式です。
(3)QuickTime(.mov): Macintoshでよく用いられる動画形式です。
(4)MPEG(.mpg .mpeg .mp2): Moving Picture Experts Groupという団体が標準化した同名の動画フォーマットです。ネットワークで画像を転送する形態に適しており、あるタイミングで1枚分の画像をすべて送り、それから暫らくはその画像との差分のみを送ります。ネットワークの混雑で差分画像が多少届かなくても大丈夫なようになっています。
(5)Shockwaveファイル(.dcr .dir .dxr): Macromedia社が開発した動画ファイル。Macromedia Directorというソフトで作成した動画ファイルをAfterburnetというソフトでShockwaveファイルに変換する。
(6)VDOファイル(.vdo): VDOLive script Fileの略です。VDOLive small pluginなどで再生するようですが、詳細はよく知りません。
(7)VRMLファイル(.wrl): 動画とはちょっと趣が異なるかもしれませんが、Virtual Reality Modeling Languageの略で、WEB上に三次元のオブジェクトを表示し、自由に角度を変えて表示する機能です。再生にはLive3D, Cosmo Playerなどのプラグインが必要です。
マルチメディア系のファイルを用意するには、それなりのツールが必要ですが、とりあえずは、WEB上にフリーの素材を公開しているサイトが多くありますから、そこからダウンロードするのが手っ取り早いでしょう。Windowsフォルダの下にも .wav .avi などのファイルが転がっている場合がありますので、検索で探してみましょう。
マルチメディア系ファイルをWEBページに貼り付けるための手段を紹介します。(1)<A HREF="...">を用いる(N2/e2): この方法は、ブラウザのバージョンを意識しませんし、聞きたくない/見たくない人には好感的です。単に、<A HREF="xxx.wav">xxx.wav</A> のようにマルチメディアファイルへのリンクを張っておしまいです。リンクをクリックすると、ファイルに保存するか実行するか聞いてくるので、実行を選択すると各種プラグインや外部のアプリケーションが起動されます。(→ <A>)
<A HREF="xxx.wav">xxx.wav(16KB)</A>(2)<EMBED SRC="...">を用いる(N2/e3): 今一番多く利用されているのはこのタグでしょう。NN2.0で独自拡張されたタグですが、IE3.0でもサポートされました。様々なマルチメディアファイルを再生しますが、貼り付け方やオプションはプラグインによって異なります。再生回数の指定やコントロールの表示など様々なオプションがありますので、<EMBED>のリファレンスを参照してください。(→<EMBED>)
<EMBED SRC="xxx.wav">(3)<BGSOUND SRC="...">を用いる(e2): IE2.0で独自拡張された機能で、ページを表示した際に音声ファイルを自動再生します。.wav, .aif .au .mid に対応しています。(→ <BGSOUND>)
<BGSOUND SRC="xxx.wav">(4)<IMG DYNSRC="...">を用いる(e2): IE2.0で独自拡張された機能で、AVIファイルやVRMLファイルを再生することができます。(→<IMG>)
<IMG DYNSRC="xxx.avi">(5)<OBJECT>を用いる(e3/N4): HTML4.0では、<EMBED>や<BGSOUND>は好ましくないタグとして、<OBJECT>を使用するように推奨していますが、プラグインに依存した記述になってしまうので、あまり利用されているケースは少なそうです。下記の例は、CreshendoというプラグインでMIDIファイルを再生する時の例です。(→<OBJECT>)
<OBJECT ID=Crescendo CLASSID="clsid:0FC6BF2B-E16A-11CF-AB2E-0080AD08A326" HEIGHT=55 WIDTH=200> <PARAM NAME="Song" VALUE="xxx.mid"> </OBJECT>
IEとNN両方に対応させるには、昔は次のように記述していました。今でもこうしなさいと説明されたWEBページも多いようです。(私の「Q&A集」もそうでした)<EMBED SRC="xxx.wav"> <NOEMBED> <BGSOUND SRC="xxx.wav"> </NOEMBED>しかし、IE3.0も<EMBED>に対応してしまったので、これだと、IE3.0以降では二重に貼り付けてしまうことになります。JavaScriptを用いて、以下のようにするのが無難なようです。<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript"> <!-- if (navigator.appName == "Netscape") { document.write("<EMBED SRC='xxx.wav'>"); } else { document.write("<BGSOUND SRC='xxx.wav'>"); } // --> </SCRIPT>でも、最近はIE2.0の利用者も少なくなってきたので、単純に<EMBED>のみを使用するのがリーズナブルかもしれませんね。
ブラウザで再生可能なファイルは、プラグインやファイルタイプの設定によって異なります。ブラウザは、拡張子やMIMEコードによって、WEBサーバーから受け取ったデータをどのアプリケーション(プラグイン)で再生するかを決めます。NN4.0の場合は[ヘルプ]-[Plug-Inについて]、IE4.0の場合はエクスプローラ(インターネットエクスプローラではない)の[表示]-[オプション]-[ファイルタイプ]で、拡張子とMIMEタイプとアプリケーション(プラグイン)の関係を見ることができます。例えば、私の環境では、WAVEファイルの拡張子は .wav で、MIMEタイプが audio/wav 、アプリケーション(プラグイン)が SNDREC32.EXE になっています。
WEBサーバ側で、今から送ろうとするデータがどういう形式であるかを示すためにMIMEタイプを設定する必要がある場合があります。MIMEタイプの設定方法はWEBサーバーアプリケーションによって異なりますが、例えば、NCSA httpdやApacheの場合は .htaccessに下記のように記述します。(最初の1行は、.wavという拡張子のファイルのMIMEタイプが audio/wav であることを意味します。)AddType audio/wav .wav AddType audio/aiff .aif .aiff .aifc AddType audio/basic .au AddType audio/x-pn-realaudio .ra .ram AddType audio/x-pn-realaudio-plugin .rpm AddType audio/midi .mid .midi AddType audio/x-mp3 .mp3 AddType audio/nspaudio .la .lma AddType video/mpeg .mpg .mpeg .mp2 AddType video/x-msvideo .avi AddType video/quicktime .mov .qt AddType video/vdo .vdo AddType application/x-director .dcr .dir .dxr AddType x-world/x-veml .wrl
マルチメディア関係でよく利用されるアプリケーションやプラグインについて説明します。(ABC順) プラグインの入手は、gooなどの検索で探すか、雑誌の付録のCD-ROMに収録されていたりします。(1)サウンドレコーダー: Microsoft社。WAVファイルを録音、再生するアプリケーションです。
(2)メディアプレーヤー: Microsoft社。.mov .qt .dat .mpg .mpa .mpv .avi .mid .rmi .wavなど様々なマルチメディアファイルを再生可能なアプリケーションです。
(3)ActiveMovie: .wav .aif .au .mid .aviを再生可能なIE用(?)のプラグインです。
(4)CD2WAV: 音楽CDからWAVファイルを生成するためのコマンド。著作権には注意して使用すること。http://www2s.biglobe.ne.jp/~elfin/(著作権の絡みか、CD2WAVの配布は中止されたそうです。)(5)Cosmo Player: VRMLを再生するプラグインです。
(6)Crescendo!: LiveUpdate社が開発したMIDIを再生できるプラグインです。 http://www.liveupdate.com/
(7)Live3D Plugin DLL: VRMLファイル(.wrl)を再生するプラグインです。
(8)LiveAudio: NN3.0から標準装備されたプラグインです。.wav .aif .au .mid を再生可能です。
(9)MIDPLUG: MIDI再生に定評のあるYAMAHA社のプラグイン。 http://www.yamaha.co.jp/xg/midplug/top.html
(10)Netscape Media Player: NetscapeのStreaming Audio Metafiles(.lam)を再生します。
(11)NPAVI32 DLL: Video for Windows(.avi)を再生するプラグインです。
(12)Quicktime Plug-in: QuickTime(.mov)を再生。
(13)RealAudio LiveConnect-Enabled Plug-In LiveConnect(JavaScriptなどで制御?)可能なサウンド(.rpm)を再生するプラグインです(?)。
(14)RealAudio Player: Progressive Networks社。ReadAudioファイル(.ra .ram)を再生するプラグインです。
(15)Shockwave Flash: Shockwave Flashファイル(.swf)および、FutureSplashフィル(.spl)を再生するプラグインです。
(16)Shockwave for Director: Sockwaveファイル(.dcr .dir .dxr)を再生するプラグインです。
(17)VDOLive small plugin: VDOLiveファイル(.vdo)を再生するプラグインです。
(18)Winamp: MP3ファイルを再生する際に利用される、最も有名なアプリケーションです。
(1)必要なプラグインがインストールされていない場合、音などを貼り付けたページを表示する度に(多くの場合はトップページに戻る度に)、「プラグインを入手しますか?」というダイアログが表示され、鬱陶しく感じることが多々あります。(2)プラグイン/ブラウザ/OS/DLLのバージョンなどが不整合を起こしていると(多くの場合何らかの不整合を起こしている)、そのページを表示した瞬間にブラウザがアプリケーションエラーでダウンしてしまうことが多々あります。
(3)正常にプラグインがインストールされていても、データダウンロードに時間がかかる、さんざん期待させてダウンロードしたあげく変哲も無いバックミュージックが始まるとがっかりする、などの感情を持たれてしまうことが多々あります。
(4)音や動画にも著作権があります。著作権保護された音楽用CD(多くの場合保護されている)をファイルに変換して配布するなどの行為は違法→摘発→有罪→罰金となることがありますので注意してください。