銀河鉄道999、ガンダム、トクラ、 リコーダー、語り、掛け合いコーラス、ニルヴァーナ、ローファイ、苦痛 | |
オロチ社長が高校3年のとき、たまたま後ろの席だったトクラとたまたま前の席だったメーテルの3人で 結成したバンド。レコーディング活動が主な活動なのだが、そのレコーディングの仕方が異常で、とり あえず録音のボタンを押し、誰かが適当に題名を言ったら、アドリブで演奏するというモノで、 楽器とかギターとベースぐらいしかなかったので、お菓子のカンカンとか、トタン板とかを叩きまくって いた。不思議なことに、それでもちゃんと曲になってて、詩もその場で考えたことを適当に叫んでいるだけ なのだが、妙にいい味出してたりする。ちなみに、このレコーディングの仕方はオロチレーベルの伝統 みたいなもので、メーテルの他に、レモン・フーリガン、ヤマトなども、基本的には同じ方法でレコー ディングしている。 | アドリブなので、音程がつけにくいせいか、語りモノが多い。またドラムがインチキ (ギターケースとか叩いている)なので、どうしてもビートが貧弱で、ギターとかキーボードが 中心になっている。といっても雑音なのだが・・・ しかし、何といっても強烈な印象を与えるのはヴォーカルであり、3人が決まったパートを持たない ために生じる、変化に富んだヴォーカルワークに注目したい。 後期になって来ると、トクラの脱退や、ドラム専門のコナ・武道の加入などによってリズム帯がしっかり するなど、それまで無かった要素が補われ、オロチ社長のギターへの傾倒で、メーテル がヴォーカルを担当する ことが多くなり、現在のスタイルに落ち着いている。 アルバムの数はオロチレーベルで一番多く、一枚平均30曲は入っている大作ばかりで、作った曲も未発表曲などを含めると300曲以上はあるというモンスター級のバンドである。 |
メーテルの曲で印象的なのは、
その自己満足性である。独特の間や臨場感は他人が聞けばあっけに取られるぐらい稚拙で、
なんの脈絡もない。たいした説得力もなければ、圧倒的な存在感もない。
劇団員のようなテンションでひたすら、くりひろげられるメーテルの音楽は誰の理解も
受け付けない孤高のアイデンティティであり、非常に自分勝手な妄想である。
誰も気を利かせて「何となくイイ」とか「なんだかよく解らないけどステキ」とかゼンゼン言ってくれない。 いや、言わせない。なぜなら、メーテルを聞くと誰もが沈黙してしまう。わけのわからない感情を理性で 押さえつけようとしてしまう。まるで全裸で繁華街を歩く罰ゲームをくらったかのような衝撃を受け、 手段さえもわからずに呑み込まれてしまう。そこにある人間の領域を越えたユーモアやセンスに 押しつぶされてしまう。人間は2種類、存在する・・・男と女ではない。メーテルを理解できる人間と そうでない人間だ。時代は間違いなく前者を必要としている。 メーテルはオロチレーベルの神髄であり、存在意義なのだ。 (文章:キリカブ) |
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