このままでは長年魔女を傍に召していたとして、王の立場が危うくなってしまう。
そう思った奴隷の娘は意を決し、自ら重鎮たちの前に進み出て言った。
「いかにも、私は悪魔です。
姫様の姿を借りて王を惑わし、誘惑するつもりでした。こうなってはいたし方ありません。
私もいっぱしの悪魔なれば、神権帝王たるサリオン様に退治されることで冥府への土産としたいと思います」
青年王は奴隷の娘を助けられないことに歯噛みしながら、彼女の悪魔の烙印のある胸の部分を黄金の槍で貫いた。
奴隷の娘はふらつきながら、しかし倒れず、やがてゆっくりと踊りはじめた。
血を流しながら、絶命する最後の時まで王と王国を祝福する舞を踊る娘。
何度も。何度でも。その体から全ての血が流れ出るまでずっと……。