〜後半〜
前半にひきつづき、中来田正晴(DJAMRA)日置晋平(MOTOR HUMMING)の両名に、羽島裕司(SUS、CAMDEN YELLOW MARKETS)を加えて座談会の模様をお送りします。ほとんどただのただの飲み会と化してはいるが、そこからを何を拾うか。それはあなた次第・・・。
●羽島さんは99年はどんな活動を?
羽島:今年はカムデン・イエロー・マーケッツっていうバンドで活動してて。それは今までいわゆるアバンギャルド業界で活動してた僕にとっては画期的なことで。シーンの閉塞感もあったんかもしれないんですけど、そのアバンギャルドの方の人から「おもろいことしょーな」って声かけられて。その人らはマジでOASISみたいになろうとしている人達で。でもそこに大和魂を盛り込むんだって感じでガッツ入って勝負する人達。過去のこというたらパンクシーンとかで活動してた人達なんやけど。そういうバンドに参加して、まったく違うギターを弾いてる。今までやったら毎回ライヴのたびに違うギターを弾くのが当り前やったのにずっと同じことをやる。ライヴでも衣装まできめてやるようなバンドを今年はマジメにやってる。
●そうなんですか。そのバンド名前はよく目にするけど。
羽島:すごいサッカーファンで、サッカーってフットボール、イングランドってあるでしょ?
有名ミュージシャンがサポーターソングつくってる。それを日本でもみたいに思ってて。それはマンチェスターなんかのシーンの影響もあるんやろけど。それにJリーグっていう存在も背景にもちろんあって。
そのバンドが僕のプレイをきにいってくれて、声がかかって。おもしろいなって思ったのは、僕のサウンドエンジニアとしての力量も要求して誘ってくれたんで。録音にすごい情熱を持っていたバンドやから、CDっていうのはライヴとは別なものと考えてて、作品として録音しよう、編集しまくろうって考えていて。レーベルも自分達で立ち上げてやっている。ライヴはマメに活動してる。大阪、神戸とか。来年はカムデンをやりながら自分のバンド、SUSもやろうと思ってる。メンバーが固定化しつつあって。ドンカマチックスの泉川ピンタ君とか、IAMASの赤松さん。コンピューターミュージックの・・・・。SOUND
& RECORDINGとかで連載してる人。アカデミックな方面の人やから、僕からみても難解なことやってるんやけど、むっちゃくちゃパンクな人で「この人面白い」と思ったから。その人達をまきこんで別の動きをしたいなと思って。
日置:SUSは、「インプロヴィゼーションとか、ライヴハウスでやったらひいてしまうような音楽を浸透させたい」っていう話をきいてたから、期待してて。やっぱりライヴハウスではインプロってひいてまうやん?
●夙川バートンホールでやってた『インプロナイト』はおもしろかったね。
全員:あれはおもしろかった。
羽島:バートンのシーンは面白かった。
●もう終息したの?
羽島:それはやっぱり総指揮とってた人が死んでしまったから。
日置:森脇さん(店長)の影響が大きい。
羽島:森脇さんっていうのは昔かげろうレコードっていうのがあって、HE
WASっていうバンドをやってた人なんだけど。あの人がバートンホールのマネージャーやってて。
●一人が亡くなったら、シーンが終わっちゃうっていうのもさみしいね。
羽島:そうやねん、そこをなんとかせなって思うけど。
日置:森脇さんがもし、あの世ってのがあってこっちをみてるなら、その言葉は重荷に感じてるはずやな。あの人はもっとみんなに自分からやってもらいたいんちゃうかなあ。
羽島:うん、だからハコ的には、地方都市にありがちなコミュニティーホールで、営利も求めないといけないところで。そこで上部と折衝して利益無視のイベントをもりこんできたのが森脇さんやから、僕らが遺志をつぐ情熱はあってもそのパイプ役にはなられへんでしょ?
オーナーとも面識はないし。ただ別の形にかえて、モリワキイズム、モリオンイズムみたいなのを継承していってるのが、彼らでもあり僕でもあるんやけど。
●インプロナイトには参加した?
日置:一回か二回。
中来田:ほんであと、(JOHN ZOHN'S) COBRAもやったし。聴いてる方はしんどかったみたいやけど(笑)。
日置:死んだのを後悔させるような良いのをしたいね。それが一番供養になるような気がする。
中来田:インプロナイトはええわ。あれは絶対復活させたい。羽島さんと初めて出会ったのもインプロナイトの時。
●僕がみに行った時は、知ってるミュージシャンがでてたんで、すごく興味深かった。
中来田:やっぱりうちらのメンツが集まってやったとしても、まだ一人一人が名のある人間じゃないから。バンドじゃない人で「おもしろそうや」って思える人はなかなか少ない。
日置:あの頃はね〜、僕自身インプロのおもしろさを感じる前にやってしまってたんが、もったいなかったと思う。今もしあのイベントがあったらもっと充実してるやろな。こんなん言ったら負け惜しみになるけど。
中来田:うん、また復活させようや。
●MOTOR HUMMINGのアルバムは16曲収録ってことで、DJAMRAよりは多作?
日置:いや、16曲中5曲はインプロやで。全部録ったら20何分しかなくって「これは短いやろ?」「どうする?
曲ないで」「インプロ録ろかー」って。
中来田:あれはアルバムの中でバネ的な役割になってると思う。
●MOTOR HUMMINGに関しては、アルバムを聴いてはじめて「あ、こういう曲やったんか」とわかったところがある(笑)。何度かライヴで聴いてた曲だけど。
中来田:それはある。
日置:音の感触が全然違うでしょ?
中来田: 最近ライヴの音にも変化がでてきた。TZADIKから出たっていうのが自信にもなったんだと思う。前は自分らの中で迷いがあるのか、正直言ってPAから音はバーって出てるんやけど、出た瞬間音がダラ〜って床に垂れ流し、っていうイメージがあった。今はPAから音がサクザク来る。TZADIKから出たことで「自分らの音が間違えてなかったんや」っていう自信になってる部分はあるよな。
日置:まあそうなんかな。リズム隊が感じてるかもしれへん。認められたってことに自信もったんかなあ。その頃から、ベースとドラムに対する評価があがってきた。俺はコンタクトとか交渉事を担当してるからさめてる部分もあるんやけど。以前、怖に「MOTOR
HUMMINGの音はMOTOR HUMMINGだけの音や」って言われたことがあって、その時はちょっと自信になったんやけど、その後ヨーロッパツアーがだめになった時の理由が「MOTOR
HUMMINGの音はカテゴライズできない」っていう理由やってん。「ああそうか、怖に言われたことっていうのは僕らにとっては裏目に出てるんやなあ」と思ってね。ところが今回OKだしてくれたTZADIKは「自分達の音をつくったね、感動したよ」って言ってくれて。JOHN
ZOHNって何万枚もレコード持ってる人らしくて、そういう人にそう言ってくれたんなら「本当に一つしかない音やったんや」って。それが僕の中では自信になった。他の二人はもっと単純に素直に自信としてとらえて。ええな、あの二人は自信持ててって思うけど(笑)。
中来田:結構フロントに立ってると、ええことが起きると「待てよ、これでええんかな?」って思ってまう。
日置:そう! 絶対思ってまう。
中来田:まわりはすごく喜んでるねんけど。基本的にまわりと逆の意識を持ってしまうねんな。まわりが悲しんでたら「何を言うてんねん、アッハッハ」って。結構逆逆っていうのがある。
日置:僕以外のメンバーは昔は「えーんかな、どうなんかな?」っていう迷いはあったと思う。
●元々は何をやってたんですか?
日置:うちのドラムはねー、元々ハードロックからヘヴィーメタルまで・・・狭いけど(笑)。でもまあファンクとかいろんな音楽やってて。今でもメンバーの中で一番CD聴いてる。ベースはライヴハウスでやるようになったのはMOTOR
HUMMINGが初めて。
●MOTOR HUMMINGがNE ZHDALI(80年代から活動している旧ソ連のロックバンド)のフロントアクトをやった時、MOTOR
HUMMINGのリハを聴いて、2階の楽屋で寝ていたNE ZHDALIのメンバーが笑いだして、バンドをみるために降りてきたってきいたけど。なんで笑ったの?
日置:なんかね、展開が強引らしいよ。ほんで爆笑してみにきてくれて。
●あい通じるもんがあったのかな?
日置:それは感じてくれたと思う。だってNE ZHDALIを聴いてバンドはじめたようなもんやから。ロックンロールにあこがれてる子がSTONESと対バンするようなもん。最初はMassacreやってん。「無理やんこんなん」って言いながら、それでも試行錯誤しながらやっとって。僕らが最初にやった対バンがNE
ZHDALIっていうのは奇蹟に近い。しかもヨーロッパツアーの話がきたのも、NE
ZHDARIのギターの鶴の一声。「京都にこんなバンドがある。」それで僕らの音も聴いたことないNomans
land(ヨーロッパの有名なレーベル)からツアーとCDの話がきて。まあそんな話がうまくいくわけないねんけどなあ(笑)。そういう横のつながりが海外はすごく強くて。「あいつのバンドはいいからオススメや」とか。
中来田:ないなあ。横のバンドをそない言うのは。海外はもっとなんか余裕があるんかな。バンド数も圧倒的に少ない中でやってるから。
●日本もそうなると思う。東京とか大阪もつながってくるだろうし。
中来田:東京にも昔からつきあいある人らがおって、そういう人らはリスナーやねん。プレイヤー的には大阪と東京にはでっかいカベが存在するけど、リスナーにしてみたら全然関係ないし。ヘヴィーリスナーってプレイヤーとつながってたりするから、そういう意味で取り持ってくれたりする。
●ま、僕みたいに図々しい人が。バンドマンより態度でかい(笑)。大阪ってみんなバンドやりたがるから。下手にバンドやるよりは、企画者でも宣伝係でもローディーでもいいやん?
スタッフ的な動き方する人が少ないんちゃう、関西は。
日置:裏方で我慢できへんのちゃう? 関西人は(笑) やっぱり一番スポットライト浴びてたいんやと思うね。
中来田:そ(笑)。でもそのぶんしんどい目せなあかんいうのはわかってるけど。やっぱり目立ちたがりやから。ライヴ終わったらステージでしゃべるし。
日置:しゃべるなあー。あれはようせんわー。
中来田:来てくれた人にお礼だけいいたいなって思って。ただ「ありがとう」だけじゃなくってちょっとだけアドリヴで添えようと。それが余計やったりするんやけど(笑)。自分が裏方やってるっていう意識もあるから、純粋にここまで足を運んでくれてありがとうっていう。正直自分もライヴみにいくの面倒くさい時もあるし、実際来てくれるっていうのはそこを乗り越えて来てるわけやから、その気持ちっていうのはすごく嬉しい。やっぱり一人一人にスケジュールがあるわけやから、それを都合つけて来てくれるわけやから・・・そこまで考える必要ないんかもしれへんけど。
羽島:その熱さは大事やと思うわ。俺前のバンドでアメリカ西海岸行った時に、イベンター、ブッカーの方がスターやねん。その日のメインイベンターよりも。ステージあがって企画者があいさつする方が「wooo!!」って。「おまえのパーティーやから来たんやでぇー!」って。
日置:それ熱いなー。ええなあ。
●ちなみ羽島さんのバンドは何だっけ?
羽島:EDAっていうバンドで行きました。日本では超無名(笑)。
●でもCAPITALIST CASUALTIESとやったんですよねー。
日置:俺、自分でCDだそうという気はみじんもなかったもん。自分でレーベルつくったりそういう自信がなかったし。前皆川さんに言われたけど、自分の音楽を表現するのに「他人の力を借りずにやる」っていう発想でいったら、もうストリートライヴしか残ってないやん。ライヴハウスだってPAさんとか店が入ってるし。そこまでやれる自信がないし。単純に配給のいいところに出してもらうことによって、まったく自分達を知らない人達が聴いてくれるってことにあこがれるから。
●僕も「他人の力を借りずに」なんて思ってないよ。最近は特に。そんなことしてたらそいつがつぶれるだけだから。続かない。
中来田:うちも全部自分でやったろうっていう気はない。他のレーベルにアクセスしたいと思うからやってる。でも自分でだして身になったことはある。東京でもパララックス(京都のレコードショップ)みたいに個人でやってるレコード屋もある。たまには横柄な態度の人もおるけど、理解しあえたら、サッカーの話でもなんでも楽しく話せる。営業っていう言葉にするとイメージ悪いけど、そのレコード屋さんとお話させてもらうって感じで電話する。こっちも弾数(プレス枚数)少ないから、「う〜んどうかなあ、うちじゃあ売れるかなあ」っていわれたら「あ、じゃいいですわ」って言える。一枚一枚大事に売りたいから。そういう会話ができる立場にいる自分っていうのはそれはそれで特権やと思うから。邪魔クサイ作業ではあるけど、一番大事な作業は一番邪魔クサイことって思ってるから。
日置:ああー、そういう部分、中来田さんが体験してるようなことは、うちは全然勉強できてないね。
羽島:日置君も店置きに行ったりしてるでしょ?
日置:こんなこと言ったら苦労知らずみたいやけど、だいたい行ったらすでに置いてる。結局自分で置きにいったの2件だけやから。
日置:俺レコーディングしようと思ったきっかけが、NE ZHDARIのソイベルマンに「晋平はいくつだ?」って言われて「29」って言ったら「なんでまだCDを出してないんだ?
早く出さなきゃだめだ」って言われて「あーそうか」って思ってね。たぶんNomans'land紹介してくれたんも、「こいつ30にもなんのにこんなんじゃかわいそうやなあ」って同情もあったんかも。
羽島:そんなことないと思うわ。でも大阪のこの空気もおもしろいと思うよ。30=若手?
OKちゃう? 早くからやったって早く失速したら終わりやし、そんなん大丈夫や。(中略)今たぶん縦のつながりが広いバンドがおもしろいわ。僕ら世代がおって、若いおもしろい奴をつかまえて教育するファーム的なバンド。日置君らの出す音はオッサンの音で(笑)、それを聴く若い奴がおって。そのシーンの中でファームしてるんやと思うわ。その先になって今の稚魚達が・・・。
日置:今そういうことやろうっていう子・・・子とかいうてる時点であかんねんけど(笑)。
●だんだん主流になってくると思うわ。こんなんが。
羽島:こんなんが(笑)。
中来田:個人的には名声あげたいとは思わへんけど、一つの開拓者にはなりたいと思う。ブルース、ロックンロール、ジャパコアとか、一つの太い幹があって成り立ってる。幹を太くした人間達の名前は残らなくても。
●やたら太い幹や(笑)。あれは折れへん。いまだに京都には村八分みたいな奴がいっぱい。
日置:来年2000年やいうけど、3000年になっても、あの人達は一緒やと思うで(笑)。
●この音楽にも名前をつけなあかんのかな?
日置:え?
●だいたい名前で盛り上がるやん。ガバ!とかゴア!とか。ジャングル!とか。グラインド!とか。
羽島:日置君とこ、前から「アルミニウムロック」言うとるもんね。
日置:でも言うてんのウチ3人だけやから(笑)。
●アルミニウムロックって「メタル」にひっかけてるんだっけ?
日置:僕の職場の友達でアバンギャルドとか全然知らへん人が「どんなんやってんの?」ってきくから「ギターでインストで・・・インストっていってもメタルじゃないねんけど」って言ったら「メタルじゃなかったらアルミかぁー?」って。それでメンバーに言ったら気に入って。でも言ってるのホンマ3人だけ(笑)。
●DJAMRAとしてはアルミニウムロックに属したくはないでしょ?
中来田:うん。まあ、当然かな(笑)。
羽島:DJAMRAは「Real modern jazz band」?
日置:まあそういいだした頃は、お互い若かったな。
中来田:それはわかるな。
羽島:じゃあー今名付けたら? 今日の気分で。
●アヴァンロックって言葉があるけど、どう?
中来田:別に悪くはない。つける側の意識の問題やから。
日置:本当は聴く側がいうことやから。
中来田:Real modern jazzって言い出したのは、modern jazzってよくいうけど、それはそれが生まれた時代にmodernやったっていうことやから。
日置:New waveだってそうやな。いつまでNewやねん。
中来田:だから本当のmodernはこれやろってうそぶいてやってたけど。今じゃあんまりこだわってない・・・ジャズの世界では人の曲やって稼いでるやんか。あれがすごいイヤやってん。昔のスタンダードをやって稼いでる連中。うちのやってることがジャズじゃなかっても、自分らでつくったらええやないかと。
日置:まあジャンル名ってのは、リスナーに理解してもらうには必要かもしれへんけど、それを決めてしまうと、例えばうちが◯◯◯(関西で開催されている現代音楽のイベント)に出れんかったようなこととかにつながっていく気はする。
●「おたくはちょっと違いますから」って。
日置:そー「アルミロックは違いますから」って(笑)。誰も言わへんけど。まあジャンルを意識してやってるわけじゃないしな。アルミニウムロックでやってきて、CDが出て、それから次の展開にいきたいと思う時にはアルミニウムロックが足枷になってくるし。
羽島:二人とも「ジャンル」に関してネガティブなイメージを持ってる気がするね。
●それがないとレーベルやってる奴が、書くことに困るんですよね(笑)。
中来田:思いつかんわ。たしかにワクづけからはみだしたいっていうのがあったから。今のワクづけを嫌ってるんやから。
●あ、モーターハミングは全然知らん人に説明する時は「フュージョン」って言うてるらしいよ。
一同:(笑)
日置:職場とかできかれたらフュージョン。親父にも「どんなん?」ってきかれて「う〜ん、ジャズかな」って(笑)。
中来田:わかるわ。向こうが興味持ってきいてくれてる時に、わかる言葉で説明しなあかんから。フュージョンって言葉は基本的に嫌いやけど。
日置:うん、俺も。
●浪花エキスプレス。
日置:スクエア〜とか。
羽島:カシオペアとか。YAMAHA文化やしな(笑)。
中来田:普通の人は、フロントがヴォーカル以外=フュージョンっていう枠づけやから。
日置:インストっていう言葉をきいて理解できる人が実は少ないから。
羽島:俺今までそういう人に出会ったら、その時に一番流行ってる音楽の名前を言う。グランジが流行ってた時やったら「まあ、グランジですねえ〜」。
日置:それは無責任過ぎるわ(笑)。今やったら何?
羽島:今やったら何やろね。むずかしいな・・・ヒーリングとかね(笑)。いやし?(笑)。いけるで、DJAMRAもMOTOR
HUMMINGもいやし系で(笑)。
中来田:前、ジャズ屋でやってきたメンバーが入った時に、ハコへのブッキングのパターンも違いっていうのがあった。おたがい。こっちはロックの人間で。ジャズ屋って基本的にチャージバックは演奏者に100%バックやねん。で、店は飲み物で稼ぐってこれが当り前。ロックっていうのはチケット売って、その何%かがバンドっていう。
日置:だいたいロック見にいく奴なんか貧乏やもんなあ。
羽島:やる方も貧乏やけど。
●ライヴハウスも貧乏や。
羽島:1drink、500円って入り口に貼られてたら「えーー!そんなん聞いてないですけど」(笑)。
日置:今日招待やって聞いてるのに500円払わなあかんの!?
羽島:連れに電話して「500円貸してくれ」ってあるもんなあ(笑)
前で待っとくからって。
日置:えー500円別なんやー?!って。500円やで。ジャズは大人が聴く音楽やからお金がないっていうことはないんじゃないかな。
●◯◯◯でDJAMRAをみた時思いましたわ。客がドンブリとか食うてイチャついてんねんで。ロックでそんなん許されへん。注文とってる。演奏中に。
中来田:(笑)
日置:だいたいドンブリが出てこーへんやん。FANDANGOでも「ビールおかわりいいですか」までしかいわへんやん。「どんぶり食べませんか」って言わへん。だいたいドンブリのメニューはあるんかな?
●やきめしはある。
中来田:(笑)。いろいろあるよ。
日置:FANDANGOでメシ食ってるのみたことない。
●俺なんべんも食べてる(笑)。みんな食べてるんちゃうの。だってサラリーマンやってた時、7時に無理やり仕事きりあげてダッシュでみにいってビールなんか飲んでみいや、めちゃ気分悪い(笑)。けっこううまいよヤキメシ。
羽島:腹減るよねー、何か食うもんないんかって思うもんね。
日置:京都はわりと食うたりするけどね。拾得とかいいで。絶対メシ食おうとか思うもん。
●何の話しや(笑)。
●去年からずっとバンドブームやったらしいけど。
日置:え!!どこに?そんな風潮もわからんぐらい感覚にぶってるもんな。
中来田:それはわかる(笑)。
●ハードコアとかスカ、メロ。オルタナ。
日置:ああいう音楽を頑張って、飽きた時に僕らのCD買ってほしいな(笑)。
●前から言うてたね。ああいう人らのシーンが盛り下がった時、残った奴はこっち側に来るはずやと(笑)。
日置:俺は期待してるよ。
羽島:俺は〜ちょっとちゃうと思うよ。
日置:ちゅうか・・・じゃあその夢は捨てる。
羽島:はい、捨てましょう。
日置:でも・・・東北にはきっといいバンドがいるはずや。気になって気になってしゃあない。
羽島:あるギタリストの人も言うてたよ。「東京はもうわかりますから。これぐらいの線のバンドがいて、これぐらい変ってる人がいて、これぐらい変なことをやって、これぐらい変なライヴをしますって。わかる。でもとんでもないとこ行ったらとんでもないのがいます。」って(笑)。
●東京は東北ですからね。
羽島。そうそう。その東北民族がそのままでおるのんが東北やから。
日置:いやあーその「そのまま」っていうのひかれるなあー。
羽島:変に都会の絵の具に染まってない木綿のハンカチーフや。
中来田:わけわからん(笑)。わからんわからん。
日置:いやーひかれるわー。
(1999年12月19日 大阪・新世界にて収録)
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