恐怖劇場アンバランス(全13回)


恐怖劇場アンバランス、その名前に聞き覚えのある人は相当の人だと思う。 (Tago Magoの仲丸君が大好きみたいです) 昔、ウルトラQがその名前になるまでは放映タイトルは「アンバランス」を予定 していたのであった。 また、キー局もオックスベリーのオプティカルプリンター騒動の時 円谷プロとの提携が流れたフジテレビというのも因縁を感じさせるものがある。 プロデューサーは熊谷健。後にウルトラファイトオリジナル編で あほらしさ全開のタイトルを付けまくる人である。 もともと現代の恐怖は怪談とは違う物であるというコンセプトのもとオリジナル脚本で 鋭意製作がなされていたがやっぱり追いつかなくなり、原作つきのストーリーが追加撮影 されなんとか完成に持ち込んではみたものの、あまりに内容が難解すぎるとの意向で オクラ入り。 73年に東京ローカルで深夜放送されるまで日の目を見ない傑作として語り継がれていた。
同年製作されたジキルとハイドも同じように一部でカルト化されており同じ運命を たどったといえるがどっちか言えばこちらは何か前衛っぽさが残る怪作というのが 妥当な線だと思う。 (逆にジキルとハイドは狂っているというのが妥当であろう) あと、江戸川乱歩シリーズ明智小五郎もオリジナルのエログロをサイケに安直に 置き換えた東映流と新東宝ノリが炸裂していてナイス! その世代のドラマといえばこの三本はマストでしょう。
だいたい鈴木清順と大和屋竺という殺しの烙印で干されていたコンビを起用したり、 唐十郎と緑魔子が前衛芝居をやるという話だったり、突然登場する野坂だったり、 監督が長谷部安春だったり、演出家の蜷川幸雄が出てきたりでノリ的には 70年台初頭の新宿ゴールデン街で酒をのんでいながらやっているかのようなノリで やっていたような気がする。 時代性を感じさせるものではあるが、テレビ用に歯止めが利いてないのが素晴らしい。 今回は特別に作品解説と絵的に面白かったもののみ写真を使っております。

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