Spiral Dream
Uisce Beatha
<Spiral Dream=夢のらせん> は、ウシュクベーハの国内でも数少ないケルティック・バンドとしての一面をクローズアップしたものです。彼らは今日のケルト音楽で使用されている大概の楽器群 (フィドル、ギター、フルート、ホイッスル、シターン=弾奏弦楽器類一般、パーカッション=特にバウロンなどのフレームドラ類、ハンマーダルシマーやアイリッシュハープ、そして歌)を操ります。それらを巧みにその他の古楽器群と調和させ、独特の世界をつくり出すのです。
また、素材の面でも主に19世紀以降に復興されたアイルランド、スコットランド、ブルターニュ、ケベック、ウェールズなどのトラッド・チューン(リール、スライド、ホーンパイプなど)ばかりでなく、現存するたった2曲のアイルランド聖歌のうちの1曲や、13世紀スペインにガリシア語で書かれた聖母マリア賛歌、今日のケルト伝統音楽の古典ともいわれる「イングリッシュ・ダンシング・マスター」から、などケルト音楽ファンならずとも大変興味深い古ケルト音楽までも、そのレパートリーの範疇に収めているのです。こうした本当の意味で、ケルトの息吹や薫りを今に伝えるバンドというのは、ほんのいくつかの例を除いて、ケルティック・ミュ−ジック全盛の今日なお、実は世界的にも珍しいと言えましょう。
ケルティック・ミュージック=アイリッシュ・トラッドもしくは、=ダンス音楽などのように一面的な捉えられ方をしがちなケルト文化が育んだ多様な音楽を、立体的かつ多面的に体験できる貴重なプログラムといえると思います。