<追記>
SAXZのMitsu Watanabe氏より、サンボーンモデルの若干仕様が異なるモデルを送っていただいたので、前回試奏したものと変わった点をレビューしておこうと思う。今後はこのパターンのものが市販モデルのベースとなるようなので・・・
なお、音源の一番上のボタンはこのNewバージョンマウスピースで録音したものである。筆者としても純銀マウスピースへの対応が少しはできるようになったのと、仕様が若干変わっていることもあり、前回よりはパワフルに吹けていると思う。
音色、パワー共にそれほど変わる所はないのだが、パワーコントロールが随分ラクになったような気がする。前回のモノは豪快な吹奏感で、ピアニッシモから一気にレッドゾーンまで吹け上がる感じがあったのだが、今回のモノはその中間部分が使いやすくなっている感じだ。フルパワーの「5割」とか「7割」とかで安定して吹けるようになったのがウレシイポイントだと思う。
もちろん必要な時には他のマウスピースでは得られないハイパワーの強烈なサウンドが出せるし、前モデルと同じくピアニシモでも安定したトーンで、ハイバッフル特有の不安を感じずに吹ける。MAXパワーでも音色が下品になり過ぎない所がサンボーンの好みだあろうと思うし、筆者も大賛成である。
それでも肉体的にはキビシい部分はもちろんあって、パワーもすごく反応も早いので、音程の変化も過敏で、自分のビブラートやベンドのクセなどが、はっきりと出てしまう。自分の弱点も長所も限界もひっくるめてさらけ出してしまうという恐ろしいマウスピースである。ある意味「腹をくくって」吹かないといけないマウスピースであるが、チャレンジするだけの価値のあるサウンドに近付けると思っている。
音色のキャラクターとしては純銀にハイバッフルという仕様なので、もちろんブライトなサウンドのマウスピースと分類されるのはいたしかたないが、筆者としては長期に渡ってなるべくいろんなジャンルでこのマウスピースを試してみたいと思っている。ひと昔前の「ギャンギャン」ハイバッフルとは違って「大人の余裕」を持ってるマウスピースだと思うので・・・・
ライブでも数回使ってみたが、楽器はそれほどいじってないのに、フルパワーでのフラジオが抜けるようになったり、マウスピースの性能を引き出そうとあれこれやってるうちに、音色もとても良くなって来ているように感じられる。
筆者はサンボーンモデルのメタルくらいが自分のパワーに合っていると感じて、メインにしようと思っていたのだが、このスターリングシルバーのパワー感溢れる音色と、艶っぽさ、表現力の広さに完全にノックアウトされてしまい、メインとして使用する事にした。
筆者もメタルマウスピースが大好きで、長年かけて色々と吹いて来たのだが、その中でも文句なくサウンドも性能も「最高」と言い切れる金属製マウスピースだと思う。我がサックス人生をかけて向き合っていきたいマウスピースなのである。
2012/06/11
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