Marmaduke Jazz

マーマデューク JAZZ

#6 Ballad

#6 Funk

ジャズプレイヤーの中でも高い評価を得ているマーマデュークオリジナルマウスピースであるが、2012年、またまたバージョンUPすることになった。

外観は今までのモノと大きく変わる所は無いが、今回はキャノンボールアダレイのサウンドをイメージしたそうで、筆者も大好きなキャノンボールとあって吹く前から期待は膨らむばかりである。

ニオイは結構ゴム臭く、その点ではNYマイヤーに匹敵すると言っても過言では無い。この手のマウスピースはもう素材の持つサウンドを抜きにしては語れない。マーマデュークはその点ではハードラバーの王道を行っていると言えよう。

さて、早速吹いてみる事にする。

一聴して感じるのは、スタンダードなマイヤーなどより、吹き始めからハスキーで、フォーカスの幅の広い音色を持っていることである。これはアンラッカーの楽器にも通じるような「ザラッ」とした音の感覚だ。パワーを入れて吹いてもマットなサウンドが持続するので、なるほどキャノンボールのようなスタイルの人にもいいだろう。筆者の個人的な感覚だと、ルードナルドソンのようなハスキーで太いアルトサウンドを思い起こさせた。

かなり「ザー」という「エア」の音成分が多く含まれるマウスピースなので、それを活かすためにも、筆者ならアコースティックな生音の環境で使用したいと思う。

前回までのマーマデュークはオールマーティーなマイヤータイプで、80年代初頭の「マイヤーでフュージョン」みたいなサウンドにもマッチしたが、今回のモデルはよりジャズにシフトした「古い」感じのサウンドが楽しめる。明らかにファットでウォームかつハスキーだ。

むろん吹きにくさはみじんも無くて、キャリアの浅いプレイヤーでも十分に吹ける。筆者がレッスンさせていただいてるキャリアの浅めの人も「前のモデルより吹きやすくなった」と言っており、その音を筆者が聞いてみても、明らかにジャジーでハスキーな音色が、ムリなくラクに吹けているように聞き取れた。

筆者が吹くとすれば、ちょっと硬めのリードを付けて、より息をムダに使って、サブトーンで「スースー」音を楽しんでみたい。キャノンボール的なスタイルだけではなく、アートペッパーやポールデスモンド的なサウンドにも十分挑戦できる。押さえめに吹くのもセクシ−でなかなか良い。

なお、これほどファットでウォームなサウンドのマウスピースだが、フラジオ性能はさすが現代のマウスピースで、この手のマウスピースとしてはかなり出しやすい。

なお、差し込み径は若干太めなため、普段ビンテージマウスピースを使用している人にはコルクの調整が必要になるかも知れない。

アコースティックなセッッションでは、アコースティックベースやピアノなど、生楽器とのブレンドも良く、「これぞラバー」といったサウンドだ。自分の楽器がいつもより古くなったような(ビンテージっぽく)ような気さえする。

ノーマイクくらいでいける音量くらいが一番真価を発揮できるのではなかろうか。マイクを使うならコンデンサー系を使って、ノイジーな部分もうまく拾いたい。コンデンサマイクが使えない様な大音量のバンドでは、もはやこのマウスピースに似合うサウンドではないかもしれない。 

マーマデュークをマイナーなブランドと思う人もいるかもしれないが。近年は大手楽器店でも在庫している事が多いので、「いっちょうバップでもやってみるか!」という人も「初心者だけどジャズっぽい音出したい」という人も是非試奏してみていただきたい。これだけのサウンドと出来栄にしては安価な価格設定も魅力的だ。

ついでで申し訳ないが、「Marc Jean」(マーク・ジーン)のリガチャーを紹介しておこう。

金属製の上締めリガチャーなのだが、リードに当たる部分に木製の棒が二本埋め込まれている。(ネジ側のマウスピースに接する面にはコルクが貼られている)

金属リガチャー特有の反応の軽さを持ちながら、木製レールのウォームでハスキーなサウンドがプラスされ、ジャズには非常にオススメのリガチャーだ。大袈裟に言えばラッカーの楽器をアンラッカーに変えたようなサウンドの変化が得られる。音が太くなるのも特徴だ。リードもよく振動するのでパワフルに吹いても良い。

デザインはベーシックで、気をてらって無いのが好感が持てる。筆者はラバーにはセルマーの旧タイプ(下締2本ネジ)のラッカーのハゲたものを愛用しているが、反応は近い感じで、サウンドはこちらの方がリッチで太い感じに聞こえる。抵抗感は若干強くなるようだが、重くてしんどいという程のものではない。

ウォームなビンテージタイプのマウスピースの特徴を増大する特徴があって、よりウォームでハスキーな方向に鳴る。今回のマーマデュークJAZZのようなマウスピースでは、その特徴がさらに強調され、ベストマッチであった。逆に元気でバリバリ鳴る(ジョディとか)に使うと、ウォームになってしまってちょっと違うベクトルに聞こえるが、これは好みの範疇だと思う。

コルクと木の棒がマウスピースとの接点なので、リードの付け外しが少々やりにくいというのが欠点と言えば欠点か。

発売予定などはmarmaduke saxophone accessoriesデックス氏までお問い合わせいただきたい。

2012/10/24


Marmaduke Jazz (2013)

マーマデューク JAZZ 2013

#6 Ballad

#6 Funk

マーマデュクJAZZモデルの2013モデルで、これで決定版となるようだ。ほぼ前回のモデルの仕様を踏襲しているようだ。吹いてみると、前回のモデルは意図的にこもらせたようなダークな雰囲気があったのだが、今回のモデルは若干スッキリとした音色の印象で、反応も良くなっている。吹きやすさがアップした感じだ。劇的に変わったというワケではないので、旧来のファンの方もそう心配なさることもないだろう。あいかわらずウォームでダークかつ元気にも吹けるラバーマウスピースだ。旧モデルの情報はコチラから。

2013/10/11

お問い合わせはmarmaduke saxophone accessoriesデックス氏まで

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