これも評判の新人。いわゆるBrit Pop路線で、この手の音はちょっと飽きたな。廃墟やメドウなど、モロにイギリスっぽさを打ち出した背景は美しいし、男の子たちもきれいなのだが、シンガーもギタリストもブロンドだし‥‥(なぜそこまでブロンドを憎む?) だってブロンドのおかっぱ頭っていちばんだめなんだもん。
《これが私が生まれて初めて書いたMansun評。けなしているようだが、これでも私としては好意的なほう。たいていの新人はケチョンケチョンにけなされるから。でもやっぱりルックスで見損なっていたことがよくわかる》
第一弾シングルではけっこう冷たいことを書いたが、これはドラマチックな起伏のあるいい曲だ。シンガーもけっこうワザがあるし、Crispian Millsよりはうまいかもしれない。顔だってCrispianよりかわいいし‥‥ブロンドだけど。男の子(メンバーではない)が夜の町をさまようビデオも美しい。
《しかし早くも2曲目で心変わり。Kula Shakerを引き合いに出してるのは、この前に入ってたのがKula Shakerだったので》
というわけで、Kula Shaker以降の新人ではGenevaが一歩リードしたわけだが、この目張り入れてちょびヒゲ生やしたボーカリストもなかなかのタマである。やっぱり見て「なんだ、こりゃ?!」と言わせるものを持った人はなんかあるのだ。ちゃんとしたメロディが歌えるというだけでもたいしたものだが、そのメロディがなかなか練れていて美しい。やっぱりKula Shakerより絶対好みだわ。これも買い。
《というわけで、3曲目でやっと本当に好きなことを確認したのだが、「目張り入れてちょびヒゲ生やしたボーカリスト」って言い方はなんかなー。事実だけど》
ぎゃーっ! Mansunのデビュー・アルバムがいきなりアルバム・チャートNo.1だ!! 今週のMMにMansunがNo.1と書いてあったから、インディー・チャートかなんかの話だと思っていたが、考えてみたらこの人たちメジャーなんだった。と、なんで騒いでいるかといえば、このアルバム、すでに出るやいなや買ってしまって、私はヒジョーに感動したからなのだ。でもまさか、これがこんなに売れるとは思わなかった。詳しくはリビューを待て。がんばれ、Mansun!
《ファースト・アルバムを聴いたあとはこの通り》
やったー!! といっても、MansunがNo.1になったわけではない。でも今は見られるだけで大感動。なんだが‥‥メンバーがどこにもいないな。それもそのはず、このビデオはMansunが“Taxloss”の宣伝のために行ったハプニングを、ドキュメンタリー仕立てで撮ったものなのだ。そのハプニングとは、2万5千ポンド(500万円!)の現金に、1枚1枚Taxlossのシールを貼り、人でごった返すLiverpool
Street駅のコンコースからばらまくという豪快なもの。
うーむ‥‥やるー! 確かに金をテーマにした曲だし、コンセプト的には正しいのだが、このバカ売れでプレスの風当たりも強くなっているであろう今ごろ、文字通り札束で横っ面をひっぱたくようなパブリシティをやるあたりの豪快さとアイロニーは、まことMansunならではと言えよう。
そしてしかもこのビデオの出来がいい。隠しカメラを使った映像が、いやでもサスペンスを盛り上げるし、カメラが札束でポケットをふくらませたスタッフの後ろ姿を追うだけでもドキドキするし、その札束を放り投げるところのカタルシス、最初何事かと空を見上げていた群衆が、たちまち暴徒と化す様子、立派な身なりの紳士連中や着飾ったおばさんが、はいずり回って札を拾う姿や、何食わぬ顔してポケットに入れるやつをとらえたカメラと編集は、これまたすごいとしか言いようがない。
これを見るといやでも“Magic Christian”(BeatlesのRingo
Starrが主演した60年代のイギリス映画。おもしろい! 見よ!)で糞便のプールの中に札束をばらまく場面を思い出すが、あれはしょせん芝居だしねえ。やっぱり生の臨場感の迫力はすばらしいし、ほんとにやっちゃう悪意もすばらしい。ミュージック・ビデオ史上に残る1本。
あー‥‥かわいい‥‥と、あいかわらず絶句するくらい愛らしいPaul Draper。ビデオは荒れたモノクロで、取材陣に追いかけられる夜の町にやってきた宇宙人と、スタジオでの演奏風景を交互に映すが、宇宙人なんかどうでもいいからもっとPaulを見せれー! しかし初登場13位か。リビューも悪かったからそんなところだろうとは思ってたけど、やっぱりこの曲はシングルとしちゃ地味すぎるよな。どうせなら“Drastic Sturgeon”あたりを再リリースするぐらいあざといことやりゃいいのに。あれもB面にはあまりにもったいない曲だし。しかし、Mansunは今やってるツアーが終わり次第、次のアルバムのためにスタジオ入りの予定だそうで、期待してます。
《ここからあとは本文のほうにもっと詳しいリビューがあります》
Mansun待望の新曲だが、すでに書いたようにもうインターネットで見てしまった。例の人形が演じるやつだが、どうやらストーリーがあるらしく、ガレージバンドがメジャーのA&Rの目にとまり、デビューするというサクセス・ストーリー。って、そのまんまMansunの生い立ちじゃないか。おもしろいけど、やっぱりバンドは出ないのね。せめて人形をMansunのそっくり人形にしてくれたら楽しかったのに。いや、それ売り出してくれれば買うぞ。〈悪趣味なことを!〉 えー、だってPaulってお人形みたいじゃない。cuddlyという形容詞が今いちばん似合うのも彼だし。
これはすでにインターネットで見ちゃったし、リビューもやってしまった。短い曲なので、Beat UKではほぼフル・レンクス見られたが、やっぱりチープなゲイ・ビデオにしか見えないなあ。私は悪い気はしないけどもね。中にひとりだけお化粧してマニキュアを塗った男の子(ぜんぜん女らしくはない)がいるのは、どういう意味なんだろう? でも、やたら若い男の裸やじゃれあい(ボクシング・ジムだったのね)が見られるわりには、変に健康的でエロスがあまり感じられないし、Mansunにふさわしいビデオとは思えない。これなら服着たままでいいから、仏頂面で直立不動でいいから、Paulが一目でも見られる方がましだよ。
Mansunのニュー・ビデオはまたバンドが出てない。ちぇっ、ビデオの出来なんかどうでもいいから、私はPaulが見たいだけなのに。なんでも前の“Being A Girl”も、いろんなディレクターにいくつか作らせた中から、これというのを選んだのだそうだ。良くないなあ、そういう態度は。それじゃMansunの作品とは言えないじゃない。忙しいのはわかってるが。これはモノクロのドラマ仕立てで、ベッドでむつみ合うカップルに、床を這って忍び寄った男が女の靴に触れようとする。これだけじゃなんだかわからないが、おもしろそうなビデオなんだが。
このシングルはナショナル・チャートでは初登場16位だったのだが(しかしなんでいつも6?)、Beat UKチャートでは8位。よしよし。どうせなら1位になってフル・コーラス見せてほしいのだが。気に入らないんじゃないかって? Paulが見られるならなんだっていいんだよ。それにここでは前回は見られなかった後半部分を見せてくれるが、やっぱりお尻ふってるし!
とか言ってたら次はそのMansunだー! Beat
UKのライブはすでにReadingのアンコール・シリーズに入っているのだが、Mansunはこれで3回目の登場になる。しかも曲は大好きな“Drastic
Sturgeon”。わーい!と言ったが、なんでこんなに病気っぽく見えるかなあ? この当時はPaulがいちばん美しく見えた時代のはずなんだが、この顔は本当にひどい。肌は荒れてるし、血の気がまるでないし、サラサラ金髪はいいんだが、あまりにコシがなさすぎてショボショボに見えるし。そこでなんでかと考えるに、最大の敗因はスッピンってことだな。やっぱりきみはいつもお化粧してるほうがいいよ。特にマスカラつけないと寝ぼけたような目になってしまう。あ、それと肌の色もひどいんでファンデーションもつけたほうが‥‥って、あの美しさは作られたものか!??? まさか! この人、写真でも顔が変わるんで困るが、それって生で見ても同じなんだな。実際、私が生で見た3回も、1回目は思ったほどかわいくなかったし、2回目は死ぬほど美しいと思ったし、3回目はかわいくて死にそうだったし。
音に話を移すと、最近は日本でのライブばかり聴いているので、その違いに驚く。これだってGlastonburyよりは確実にいいのだが、今の方がさらに百倍いいんである。わずか半年でこれだけ成長するか? ということは、今度出るライブ・ビデオはすごくいいぞ! これよりは絶対かわいいし、お尻もふるし!
しかし今年はこれがBeat UKじゃ見られないんだよなー。いくらトリでもセカンド・ステージじゃなあ。いや、オフィシャル・ライブが出るんだからいいのか。