1. Paulのヌードのこと
● ヒー!!!!
◆ いきなり悲鳴で始まってなんですが、これがまあ見ての通りで。
● 写真載せるなよ、こういうの! かわいそうじゃない!
◆ だってめずらしいから。というわけで見ての通り、Paul Draper唯一のヌード写真(正面)を入手してしまったわけだが、これは“Stripper
Vicar”のプロモーション用の、背中にVicarと書いたやつの表側だな。プレスには裏しか載らなかったのだが。胸に口紅でStripperと書いて、それを手でぐいとぬぐったところ。
● そんなのどうだっていいわよ! 問題はこのカラダよ!
◆ うーむ。筋肉質だというのは外れたか。
● だからそういう問題じゃないって! 何なの、このエレファントマン体型は?!
◆ いくらなんでもその言い方は‥‥
● だってなんか体があっちゃこっちゃゆがんでる!
◆ これは姿勢が悪いせいで‥‥
● でなきゃ“Alien 4”のニューボーン 《ええっと‥‥見てない人にはわからないか。“A4”に出てくるエイリアンの赤ちゃんです》
みたい。
◆ そこまで言う?
● だって変に生っ白いし、変なところがたるんでるし、しわ寄ってるし、腹がぽこんと出てるし!
◆ これはたるみやしわじゃなくて、骨や筋肉が浮いてるだけだってば! 腹も出てるわけじゃなくて、これは腹筋だってば。脂肪がこんなにゴツゴツしてるわけないじゃん。
● だからゴツゴツしてるわりには、ぬめっとして、ブヨブヨした感じがニューボーン。
◆ 誰がブヨブヨだ! アバラがくっきり見えてるということは、やっぱり痩せてることは確かなのだが‥‥
● だったらこの変な肉はなんなのよ?
◆ だから贅肉ないぶん、骨とかスジが浮いて見えるだけだよ。誰にだって写りの悪い写真の1枚や2枚あるもんだし‥‥
● 写りが悪いですまされる問題じゃないわよ。おまけにその体の上に、ほっそりしたなで肩と首と女顔がのってる! おまけに真っ赤な口紅つけて! ただでさえ大きすぎる目をひんむいて!
◆ この人はアイメイクはしてほしいが、口紅はちょっとやりすぎだな。
● だからそういう問題じゃないでしょ。頭痛がしてきた。あー、見るんじゃなかった。
◆ そこまで言うことないと思うな。かえって崩れた色気が感じられて色っぽいじゃん。
● どうして? どうしてあなたはこれ見て平気でいられるの?
◆ 私はもうPaulのことなら、たいていのものには耐えられるね。
● そういや、この気色悪さは激痩せ前のBrettの体と通じるところあるか。
◆ Brettのあれだって筋肉だと言ったのに信じなかったじゃないか。
● でもBrettは体格も良かったし、これよりはまだましだった。
◆ それにいいところも見てよ。色白の男好きでしょ?
● それにしたって限度があるよ! こんなドザエモンみたいな白さいや!
◆ Paul Draperをドザエモン呼ばわり!
● 体の不気味な青白さではPatrick Duff (Strangelove)
とタメだな。
◆ それにやっぱり肌きれいじゃない。皮膚も薄そうだし。
● このぬめぬめした肌もBrettっぽいか。
◆ 文句あるか! それに毛深いんじゃないかと心配してたが、胸はツルツルだし。
● でも腹毛(へその下に生えた毛)がある! 胸毛のほうがまだましだっていうか、私はこれがいやでさ。Richeyもそれが我慢ならなかったんだが。
◆ これは陰毛の続きだ!
● 途中で切れてるじゃん。
◆ とにかく前腕とへそ下を除けば完全に無毛。
● 必死で抗弁してるな。少なくともへその上でカットしてほしかった。Brettじゃないんだから、何もズボンずり下げてそこまで見せる必要ない。へそまでならセクシーと見えなくもないのに。
◆ これだってセクシーだよ!
(▲が通りかかる)
● ▲にも見せちゃお! ‥‥というわけなんだが。
▲ セクシーじゃん。これはBrettのまねだな。体に口紅で文字を書くというのは。
◆ ほらね!
● だってニューボーンみたいな体型じゃない?
▲ ニューボーンはかわいいじゃん。
● 醜いだのグロいだの言ってなかった?!
▲ そこがいいんだよ。見ているうちにあれがかわいく見えてきちゃった。
◆ どうせそんなところだろうと‥‥
● だってこれじゃまるでエレファントマンじゃない!
▲ そういや、Bowieが舞台で“Elephant Man”を演じたときみたいでもあるな。
◆ ロック史上屈指の美形に似ているんなら立派なもんじゃない。
● だってあの体は気持ち悪かったよ! そのままフリークっていうか。
▲ フリークとは常人とは違うということであって、天才なんだから常人とは違って当然‥‥
● あー、こいつはだめだ。
▲ だいたいあんたらはこの人をなんと心得る? この人は正真正銘の超天才なんだから、そういう月並みな見方で見ないでほしいな。
● わかったわかった。
▲ それに口紅が血みたいに見えて、まるで‥‥
● あーっ、また始まった! やめ! もうあっち行っていい! ★はどうかな? ★、おいで。
◆ いやだいやだ言いながら見せびらかしてないか?
★ なーに?
● この写真見て。
★ ほほー、若気の至りってやつですね。(しげしげと観察して)土方体型かもという予想は外れましたか。
● その話はもうした。
★ 典型的やせっぽちの虚弱体質児の体だわね。
● それだけじゃないでしょう? やせっぽちと言えばRoddyにまさるものはないけど、Roddyの裸だってこれよりはまだ見られた。
★ だってRoddyは背があるぶん、これよりはたくましいよ。これが日本人の小さい男の子だと、骨格も華奢にできてるからただ細いだけになるんだけど、白人は小柄でも元々骨量があるし、筋肉質なんで、それに薄い皮膚が張り付いたみたいになって、なんかゴツゴツ不格好な形になってしまうのね。たぶんJim
Reidとかも、服脱いだらこんな格好だと思う。
● 変に説得力のある意見。
◆ でも、向こうの痩せた男の子がそれを恥じて肉つけたがるわけが、これ見てちょっとわかったね。なんでそんなよけいなことするんだろうと思ってたけど、確かにこれはちょっと恥ずかしい。
★ そばかすだかほくろだかも多しと。これだけ色白ければ当然だけど。体毛はこれで見ると赤毛だな。もっとも写真の色はあてにならないし、スキャナーによっても変わるけど。
◆ でももともと淡色の毛並みなのは明らかね。
● それで、これ見てセクシーだと思う?
★ 見方によるけど‥‥
◆ これでせめてもうちょい背があればねえ。
★ それで筋骨たくましい6フィートの体に女顔?
● それもやだー!
◆ Brettはそうだったぞ。
● だからそれが気持ち悪かったんだって!
★ よって、やっぱりこの手の男の子はこうあるしかないのよ。それに私はこの手を魅力的と感じる体質なんで。
● あー、だめだ。こいつらみんな頭を毒されてる!
◆ だから今Paulをけなそうたってむだなんだって。
● 何もけなしたいわけじゃなく!
◆ いいじゃん。やっぱり痩せてることわかったし、無毛なのもわかったし。ぬめぬめして青白いし。
● そういうのを好むのはあんたたちだけだって! とにかく、この人は今後は絶対お洋服着ていてほしい。ボタンも上まできっちりかけて、なるたけ厚着していてほしい!
《1週間後》
● ひえー! しばらくぶりにMansun Heaven(あの写真はこのサイトから落とした)を見たら、例のヌード写真が削除されてる!
◆ なんでも一部から苦情があったそうで、やむなく検閲削除だそうだ。
● 苦情って誰の?
◆ 誰とは書いてないけど、当然これを見たファンからのだろうねえ。レコード会社からクレームついて削除ってことはあるけど、自主規制というのはめずらしい。‘Deleted
As Inappropriate’(笑)
● なんでよー! 何がいけないのよ!
◆ やっぱり不快感を覚えた人が多かったんじゃないですか?(笑)
● 失礼ね! Paulのヌードのどこが不快なのよ!
◆ 自分でも気持ち悪いとかグロいとかさんざん言っといて。
● あれは冗談だってば!
◆ 私はセクシーだと思うがなあ。
● 検閲許すまじ! ダウンロードしておいてよかった!
◆ 良かったってあなた、見たくなかったんでしょう?
● もちろん見たいに決まってるじゃないか! 今となってはこれは貴重な宝物。大事にしよう。
◆ なんか言うことが矛盾してる!
《2週間後》
● ありゃ? あの写真がまた復活してる。
◆ ‘back by popular demand’だそうだ。
● やっぱりみんな見たいんじゃないさー!
◆ もう勝手にしてくださいとしか。
2. Mansunサイト事情
● あー、つまんない、つまんないなー。
◆ 何をブツクサ言ってる。
● だって最近Mansun関係の新しいネタがないんだもん。
◆ さっきのあれはなんなのよ! だいたいまた来日するってのに、この上何を望むことがあるの!
● Paulの写真もっと見たい。
◆ だから本物が来るってのに!
● それとは別に。英国紙誌にはちーっとも載らないしさ。ウェブサイトはちっとも増えないしさ。ほんとに人気あるのかしらと思っちゃう。
◆ 確かに一時の勢いからすると、ファン・サイトはみるみる増えるかと思ったが。
● 今のところブックマークに登録してあるサイトは23だけど、そのうち稼働してる(定期的に更新している)のは10ぐらいでしょう。Suedeサイトは100に達したというのに。
◆ そりゃSuedeとはいっしょにできないさ。普通はそんなもんでしょ。それにSuedeサイトこそ、もうどこも1年くらいお休みだよ。
● だってバンドがぜんぜん活動してないんだもん。Mansunなんか今が旬だってのにさ!
◆ 確かに精力的に動いてるのはMansun HeavenとJust
Who Is This Mavis Bird Anyway?の2つくらいだね。中でもMansun
Heavenは今やオフィシャル・サイトをしのぐ勢いだが。
● それと並ぶ大型サイトだったMansun Netは6月からずっと更新されてなくて、もう放棄されちゃったのかと思ってたの。私なんか励ましのお便りまで出したんだから。そしたらこの11月にやっと書き込みがあって、なんでも勉強が忙しくてとても維持しきれないから、新しく写真専門のイメージ・ギャラリーとして生まれ変わるっての。《結局、ここも放棄された》
◆ それはいいニュースじゃない。要するにあなたがほしいのは写真だけでしょ。Mansun
Netはもともと写真の豊富さが売りだったし。
● まあね。ただ、このペースじゃいつになるやら。まだやっとホームページができただけなんだよ。それと前はリンクがガタガタにこわれてたんで、それもちゃんと直してくれるといいが。
◆ Mansunの新しいサイトはMansunite Web Siteというのができたんだけど、なんかぱっとしないな。ギャラリーないしね。やっぱ、ここらで私が立ち上げるっきゃないか?
● そう言うけどさあ、あれ維持していくのどれだけ大変かわかってるの? 特にMansunみたいな動きの激しいバンドの場合、フォローしていくだけで一苦労だし、金もかかるし、だいたいその前にHTMLの勉強しなきゃならないし。読者からのメールにもいちいちお返事書かなきゃならないし。
◆ だったら人のサイトが更新されないとか増えないとか文句言えた立場じゃないでしょ!
● だから夢を述べてるだけだ。これも夢物語だけど、私が自分のMansunサイトを持ったとしたら、絶対デザインにも凝ってやる。あんなつまんない画面じゃやだ。《口で言うだけなら楽なんだよ、おまえ》
◆ Mansunサイトはどれも、その意味じゃわりと視覚的に地味だね。
● でしょう? あれだけビジュアルがいい人たちなんだから、サイトの顔もそれに見合ったものにしてあげたい。Stylorougeにも負けないぞ。それでもって豪華なイメージ・ギャラリーをメインに、私のサイトにふさわしく多角的な「Mansun研究」サイトにする。音楽や詞はもちろん、Paulのシャツまでの詳細な批評を入れて。《この頃はまったくコレクターじゃなかったので、コレクター・サイトになるとはそれこそ夢にも思わなかった》
◆ それ全部英語で書くんだぜ。
● だから夢だってば。それでPaulが立ち寄って感動してメールくれたりしたら最高なんだけどな。
◆ でも、Paulが読むと思ったらあんなの(上を指す)書けないじゃん。エレファント・マンと言われて本人がどう思うかなー。それに熱狂的なファンが爆弾送ってくるかも。
● それが公に発信するむずかしさなのよね。やっぱり禁句やタブーが増えちゃって、思ったことすべて書けないでしょう。
◆ 今からそんなこと心配してどうする?
● そこでいちおう現実的な線としてはBrit Pop美少年ギャラリーなんかいいんじゃないかと思ってる。
◆ そういう寄せ集めサイトは印象薄いよ。たとえ小さくてもMansunならMansunに限ったほうがいい。
● いや、そう思い始めたのは、ネット・サーフィンしていて、私が持ってるバンド写真ってのはかなりレアなんだと気づいたからなのよ。
◆ たしかにこれだけの量の切り抜き、それも30年分大事に保存している人はそうはいないもんね。
● それに日本の写真そのものがレアじゃない。日本の雑誌は元写真の質も高いし。そしたらどうしてもそれを自慢したくなっちゃって。それもManicsやSuedeはすでにウェブ上に大量の写真がでまわってるけど、意外なバンドがぜんぜん写真なかったりして。特に80年代ものは。
◆ だったら70年代、60年代はもっとレアだぜ。
● そちらにはもう私自身が情熱もてないんで。とりあえず、ビジュアルの質の高さと、人気ということで、JapanとClashとEcho
And The Bunnymenの膨大なコレクションは見せる価値がある。これって向こうのサイトでもほとんどろくな写真ないのよ。そしたら数はそれより少ないけど、RoddyやGreenの写真も見せたいし。
◆ Bauhausもかなり力入れて集めたよ。90年代ならJesus
JonesとEMF。
● そうそう。それにPale Fountainsのサイトがひとつもないのも頭きてるんだけど、写真だけなら持ってるし。《Shackがなぜかバカ当たりしてしまったので、今はいっぱいあります》
◆ でもそれぜんぶひとまとめにするのは無理があるよ!
● だってそれが私だもん。個人サイトってのはそういうことでしょ。
◆ どうもそういう個人の趣味をひけらかすサイトって好感もてないんだなー。それより小さくてもひとつのことを追求してるサイトのほうが好感が持てる。だったらPale
Fountainsサイトなんていいんじゃない? 本当にひとつもないんだから。オフィシャルのお墨付きもらえるかもよ。
● だってコンテンツが! それに今のメインのMansunはやっぱり外せないし。
◆ じゃあ、Paul Draperミーハー・サイト、これはひとつもない。
● ミーハー・サイトってなんだよ?
◆ Suedeにはけっこうあるよ。やたら「かわいい」とか連発して、ハートマークが散ってたりして。
● そんな恥ずかしいことできるか!〈やってるじゃん!〉
◆ 日記はそればっかなのに‥‥
◆ とかなんとか言ってたらー、オフィシャル・サイトのリンク・ページが更新されてて、それ見たらMansunサイトはどんどん増えてるじゃないかー!
● あらー、ほんとだ。でもやっぱりちゃちなサイトが多いなあ。写真が少ないし。
◆ それにSci Fi Hi Fiのギャラリーが更新されて、スヌーザーやらクロスビートやらの美麗フォトがちゃんと載ってるじゃないか!
● ほんとだ! 私はこれがほしくてスキャナ買おうとまで思ってたのに。日本のファンが投稿したんだね。
◆ サイトの更新はネットスケープで毎日調べてるつもりだったけど、これってホームページの更新を教えてくれるだけで、コンテンツまではわからないのよね。ちゃんと中まで見なくちゃだめじゃん。
● これさっそく壁紙にしちゃお。だけど、色が悪いし、写真が小さいな。
◆ 文句を言えた義理か!
3. HMVトーク・セッションのこと
◆ まあ、あの写真だけじゃなんなので、最近ウェブで拾ったきれいめの写真など入れておきましょうか。
● だめだ! つい服の下にあれがあるのを想像してしまう!
◆ あれとはなんだ、あれとは。
● だいたい、なにこのポーズ? Diana妃じゃあるまいし。
◆ そういや、このかすかに迷惑そうな曖昧な笑みがまたやんごとなきお方っぽい。だてに貴公子とは呼ばれてないか。
● しかし、きれい‥‥目がつぶれそうにきれい。
◆ なんか言うことが矛盾してないか?
● だからあまりに完璧すぎて、つい意地悪言いたくなっちゃうんだよ。
◆ たしかに、このごろ日増しに妖艶に美しくなっていくとは思ってたけど。
● これ、いつの?
◆ それが‥‥こないだ来日したとき、渋谷のHMVで‥‥
● そんなのやったの?! 知らなかったじゃない!
◆ だから私がうかつでした。なにしろ国内情報にうといもんで。それにHMVというのは高いし、雑誌を置いてないので私はめったに行かないんで‥‥
● それでファンと言えるの?!
◆ 私もくやしいんだから責めるな。
● あーん! これが生で見れたところなのに!
◆ そういうけど、同じこれを生で見たんだけど‥‥
● だってサイン会ならギグよりさらに接近遭遇できたのに!
◆ サイン会というんじゃなかったみたいよ。トーク・セッションと書いてあるけど、要するに公開インタビューみたいなものだったみたい。それに日本のMansunサイトの人の話じゃ、これのために“Six”の日本盤2枚も買ったのに、結局すごい人で近くへは行けなかったって。
● 私ならそんな根性ないこと言わない! くそー! くそー! 失敗した!
◆ 私はべつに‥‥これ以上近くなんか行かなくてもいいよ。なんかもうおそれ多くて。
● 何を卑屈なこと言ってる。惚れた男は骨までしゃぶるんだ。
◆ この写真で見るとやっぱり赤毛だなあ。なんかこの色がいちばん似合ってる。
● 赤毛は妖精の色ですもん。ああ! きれい! それにこの白鳥の首! これだけの顔と首がついてるなら、もう体なんかニューボーンでも、“Eraserhead”の赤ちゃんでもいい!
◆ なんだ、それは?(笑)
● そう思いませんか?
◆ だから顔だってTiny Woodでもいいと言ってる。これだけの才能があれば。
● なのにこの美貌! もう許せない感じになってきたな。
◆ だからそれはなんのこっちゃ(笑)。
● 憎い! 憎いぞ、Paul Draper!
◆ 自分のアイドルに嫉妬するほどの欲望を抱いたのって、ほんとにDavid
Sylvian以来だな。
4. Snoozer (October 1998)
◆ おや、またスヌーザーにMansunフィーチャーが載ってるな。
● 日本の雑誌って毎号じゃない! なのになんで本国では!
◆ やっぱりこれが美貌の効果じゃなくてなんだろう。
● でも、これあんまりかわいくない。もうPaulに関しては、ちょっとやそっとの写真じゃ驚かなくなっちゃった。なにせ本物があれだけきれいだから。
◆ やっと本物もきれいってことを認めたか。こういう仰角で撮るのが似合うんだけどねえ。それよりこの見出し見てよ。「3度目の来日で日増しに不気味に心を開いていく『コミュニケーション不全』のロック貴公子」だって。
● 「不気味に心を開いていく」ってのはなんだ!
◆ なんでも日本じゃ「無愛想」ってことをさんざん言われたのを気にしてるみたいで、あえて不自然に愛想良くふるまってるみたい。
● そおかあ? そりゃ私もさんざん言ったけど。
◆ このインタビューでも「あなたはなんで人と話すとき相手の目を見ないの?」とか追求されて、えらく動揺している。
● いいじゃんかよー。そのほうがかわいいし。だいたい、通訳立てて何が「コミュニケーション不全」だよ!
◆ というわけで、このインタビューでも終始必死で「引きつった作り笑い」を浮かべていたそうで。
● 目に浮かぶー! かわいいー!
◆ そういや最近「笑顔写真」が増えたと思わない?
● そういえば、さっきの写真もかなり無理のある引きつり笑顔だった。
◆ どうやら、愛想良くしないといけないということを意識するようになったみたい。
● やめてよー! Jim Reidじゃないんだから!
◆ そう。無理はよくない。あまり無理してるとどっかで反動が来るし、精神衛生上もよくない。
● いいのにねー、仏頂面で、下見ながら話すんでも。その方がかわいいし。
◆ この人はあまりに「お仕事」をまじめに考えすぎるのが心配だよ。それこそ誰かさんみたいに、仕事すっぽかすとか、誰か殴るとかしてほしいね。
● それも無理だと思いますが‥‥
5. Melody Maker (28 November)
◆ 残念ながらフィーチャーじゃないけど、Mansunはトップページに大きく写真入りで載ってます。
● 英国プレスって、毎号ライブ写真だけは載るのな。
◆ ライブしかやってないもん。というところで今はやっとツアーの切れ目で、Manicsとのツアーを終えて英国に戻り、スタジオで“Eleven
EP”のB面曲のレコーディングに入ったところ。
● シングル攻勢もあいかわらず。
◆ このシングルはアルバムのタイトル・トラック“Six”になるという噂だが、まだわからない。しかし、Mansunに休みはない!ってわけで、大晦日にはEdinburghで6万人を集めて、彼らとしては最大のギグを予定している。《この情報はちゃんとフォローしてなかったんだけど、そんなのほんとにやったの? なんかデマっぽいな》
● げー! 行きたい!
◆ この模様はScottish TVとSky-Worldwideで放送予定っていうんだが、Skyって日本のスカイ・パーフェクTVと関係あるのか?
● そうじゃない? これはもう契約するっきゃない!
◆ それでもって、1月には日本へ来るし、そのあとManicsのためにキャンセルした英国ツアーを消化し、シングルも出るし、ライブ・ビデオも出るし‥‥
● 休む暇がない! こっちもだけど。しかし6万人ってすごいな。そんなにでかいところEdinburghにあるのか?
◆ Edinburgh Festivalが開催されるようなところだからあるんじゃない? それとも、なんとかGardensって書いてあるから、公園かな?
● 真冬のスコットランドで野外ギグ?と普通なら思うところだが、行きたい! なんでもいいから行きたい!
◆ 新年のNME主催のフェスティバルではヘッドライナーだそうだ。
● さんざん憎まれ口きいといてなんだよ! だったらMansun表紙にしろよ!
◆ とにかく着々とスタジアム・バンドへの道を歩いてるね。“Six”もゴールドになったそうだよ。
● Mansunって人気あるんじゃない!
◆ 何よ、今さら。
● なんかもううれしいような、くやしいような‥‥
◆ とりあえずこのあとはウィークリーのクリスマス・イシューに載るだろうし、この『Mansunつるべ打ち』も終わりそうにない。
● あ、ほかにもPaul見っけ! イラストだけど、イラストでもかわいい。これなんの記事だ?
◆ 現在のチャートがいかにクズで、まともなバンドがチャート・インできないという内容だ。よって、イラストではGallagher兄弟、VerveのRichard、RadioheadのThom、PlaceboのBrian、Paul、それと誰だかわからないブロンドの短髪の人が、‘Pop
Chart Headquarters’から締め出しを食ってるところが描かれている。
● でもMansunはしっかりトップ20には入ってるじゃない。それを言ったら、OasisだってVerveだって売れてるし。
◆ うん、この人たちはManicsを除けば数少ないチャートイン確実のバンドだけど。
● それにチャート・バンドがカスなのは今に始まったことじゃなし。ここは一発、業界に活を入れるためにも、MansunにNo.1シングルがほしいね。
◆ でも“Six”の曲じゃあ‥‥
● いっそあれをそのままカットすればいいんだよ。イギリス人って変なものが好きだから。
◆ 変って言い方もないと思うが。
6. ‘Eleven EP’予告
▲ ‘Eleven EP’はやっぱり“Six”で、イギリスじゃ1月25日の発売だってさ。ビデオも久しぶりにメンバーが登場するそうだ。スリーブおよびポスターは日本で撮ったお耽美フォトになるらしい。あのIn
Rockの絵葉書のやつ。
● やりやりー!
◆ うーん、あれをシングル・カットするか?
▲ そう。そこに一抹の不安を感じるんだけど、それも最初の2分だけを編曲した新録で、Arthur Bakerがプロデュースするそうだ。
◆ なんでArthur Baker?!
▲ と思うでしょ。
● ダンス・ミュージックになるのかもしれない。それもやりー!
▲ まあ、プロデューサーなんかどうでもいいが、せっかくああいう形でリリースした曲を、なんでまたわざわざシングル向けに編曲し直す? 「“Six”の中の曲のメロディの一部だけを取り出して、それをラジオ向きのヒットソングに作ることもできたのに、あえてそれをしなかった」のがPaulの誇りじゃなかったの?
● だってあのままじゃシングルにならんじゃない。
▲ だったら、あれはあれで置いといて、新しく作ることもできるのに。
● Paul様のすることに文句あっかー!
▲ そういうハンパな妥協みたいなことをしてほしくないんだな。
◆ (歌う) ♪ You see, my life, it's a
series of compromises anyway...
▲ 確かに歌ではそう言ってるけどさ(苦笑)。それにどうせそれやるなら、やってほしい曲は他にもあるのに。“Television”とか“Cancer”とか‥‥意表をついて“Fall
Out”や“Serotonin”でもいいよ。
● 聴く前から何を文句たらたら言ってるのよ?
▲ だって、それじゃあまり売れそうにないと思って。
● Manicsは売れたら文句言ってるくせに。
▲ ManicsとMansunは違う!
◆ 確かに本当のスタジアム・バンドになるためには、ここらで一発、一般へのブレイクが必要なんだがな。どうも“Six”の時代になってから目立ったヒットがないな。
▲ それにMansunって、そこそこの中堅ヒットは重ねてるけど、代名詞になるようなビッグ・ヒットがないじゃん。Manicsの“A
Design For Life”とか、Pulpの“Common People”みたいな。
◆ それ1曲あれば、一生食っていけるってやつね。
● なんで2人とも売れることになんかこだわる? 今だって十分人気あるし、Paulが食いっぱぐれることなんかあるわけないし。
▲ だってMansunが一番なんだから、名実ともにすべて一番でなきゃいやなんだ!
◆ それに前章で述べたチャートの浄化の意味合いもある。今それができるのはMansunしかいないのに!
● だいたい売れないと決め込むほうもおかしい。さっきも言ったように、まさかと思えるような曲が売れることもよくあるし。
◆ ならいいんだけど‥‥
● これだけ明るいニュースがいっぱいなのに、何を心配してるんだかわからない。次はクリスマス・イシュー行くぞ!