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●:最近ではどのような活動をされているのですか?

高谷:東京に出てきて、あるギタリストの方と知り合ったんです。その先輩が元The Kaleidoscope(カレイド・スコープ)のベーシスト田辺トシノさんを紹介してくれたんですよ。今まで知り合った人達の中で歳も近いし、音楽のスタイルやアプローチ的に共感できる人だとすごく思うんです。川添さんはハード・ロック系な方ですし、レイニー加藤さんはJames Jamersonとかオールディーズ系な方ですので。僕はどちらのスタイルも好きなんですが、どちらも持っているスタイルの中の一つであって、それがメインっていう程ではなかったんですね。でも、田辺さんは僕のスタイル的にも目標としていられる方なんですよ。よくお話をしたり、頻繁に連絡を取るようになって。それで、田辺さんから「ローディーを正式にやってみないか?」と言っていただいて。

●:そうなんですか?その話はお受けしたんですか?

高谷:はい。現在はローディーとしての生活を始めています。田辺さんからは色々任されています。

●:それはやはり、田辺さんのやりたい音楽を理解しているからではないでしょうか?

高谷:まだまだ勉強中ですけどね。実は田辺さんがずっと愛用していたベースを譲っていただいたんですよ。ジャズ・ベースは自分も欲しいと思ってて、ずっと良いものを探していたんですよ。田辺さんとそんな話をしていたら、田辺さんから「このジャズ・ベースを買わないか?」って言ってもらえて、譲っていただきました。田辺さんは考え方や狙っているものが僕と似ているというか。僕が考えて疑問に思っていることの答えを持っている人っていう感じですね。

●:吸収するものを沢山持ち合わせているんですね。

高谷:そうですね。田辺さんも面倒見の良い方で、すごい気さくに接してくださって。ローディーのイメージって、自分から何かアクションを起こさないといけないと思っていたけど、田辺さんは簡単にいうと優しいというか。リハだろうとなんだろうと、少しでも勉強になるかなって思ってくれるとすぐに連絡してくださるんですよ。例えば、その日僕に何か用事があったとしても、じゃまた今度なっていう感じで。

●:普通ローディーっていうと、自分の用事があったとしてもそれを捨てて、ついていかなきゃいけない感じがしますけどね。

高谷:そうですね。でも、僕も出来るだけ時間を合わせようとしています。行けば何かしら得るものがあるし、多くのことを学んでいきたいですから。音作りで悩んでいる時もありましたが、田辺さんのおかげですっきりした問題もあります。譲って頂いたベースも、ご本人の思い入れのあるベースで、それを譲ってやろうって思ってもらえたのもすごく嬉しいですね。

●:そうですよね。ベースが欲しいならあげるよっていう簡単な話しではないですからね。

高谷:はい。田辺さんも僕と同じくらいの年齢で上京してきて、その時はこのベース1本だけ持ってきたそうです。駆け出しの頃の思いが数えきれないくらい詰まっているこのベースを譲ってもらえて、本当に嬉しいですよ。

●:では最後に、自分が描く今後の想像図をお聞きしたいのですが?

高谷:理想はバンドをやっていきたいですね。この歳でスタジオ・ミュージシャンになれるとは思えないし。そう思うのはこれまで本当にすごい人達を近くで見ているから。とてもじゃないけど、現在の状況でスタジオにいけるとは思えないし。スタジオ・ミュージシャンががダメだからバンドでということは決してなくて。みんなでアイディアを出し合って作り上げていくっていうのをやりたいです。最近のバンド事情って制約は厳しくないですし。例えば、個々でソロ活動もしていたいとかあるじゃないですか。やっぱり理想はバンドで、それでそのバンドの中で出しているスタイルを評価してもらったりとか。バンド・メンバーのプレイヤーとサポート・メンバーとしてのプレイだったら、僕はバンド・メンバーとして演奏している人の出す音が好きなんですね。だから、スタジオの中にいる時でも、主張できるポジションにいたいと思うし。そうやって考えると、バンドとしてやりたいことをやっていけたらなと。僕がバンドで有名になった時、知り合いや友達の自慢になれるだけでも嬉しいし、それがその人の自慢にもなるかもしれないし。今まで知り合ってきた人や応援してくれた人達へ、自分が成長することで音楽を通じて恩を返したり、人の財産になれたらなと思います。

●:ありがとうございます。

高谷:ありがとうございました。



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