ギター遍歴 第2章



ギター遍歴第1章以来、ギターを弾く事が日課に成り、その練習方法は主に当時流行っていた曲をコピーしまくってい
た。 
ストロークはアリスの『チャンピオン』で覚え、アルペジオはかぐや姫の『神田川』。 
スリーフィンガーは『22才の別れ』でやったんだけど、この『22才の別れ』はちょっとクセモノでしたね。 
音楽が詳しい人なら分かると思うけど、この曲は『スタッカート』(音と音のあいだを切って演奏すること。)が入ってい
るんだよね。 
なので、未だに私のスリフィンガーはスタッカートぎみに成ったりしてます^^; 

中学へ入学と同時に、友人と2人で『I&I』と言うアコースティックユニットを結成。 
この『I&I』の名前の由来は、長渕剛が高校時代、友人と2人で『T&T』(tsuyoshi&takeshi)を結成してたのを真似
て、私と友人の名前から付けています。 
主に長渕剛、CHAGE&ASUKA、浜田省吾のコピーをしていました。 
でもやはり練習して行くと、人に聞かせたく成ります。 
そこで、近くに在ったYAMAHA楽器店で音楽サークルの募集を見付け、参加する事にしました。 
話を聞いてみると、夏にライブを開く予定で「君達も出てみる?」って言ってもらえて、想いがけない誘いに2人して喜
んでいた。 
でも、ライブと言ってもそんなに大した所でもなかったんだけどね。 
在る喫茶店の2階にちょっとしたスペースが有って、そこにパイプ椅子を並べて、キャバとしては50人くらいの人がや
っと入れるくらい大きさだったかな。ステージなんてのも無かって、ただマイクスタンドを立ててあるだけだった。 

当日、客はと言うと参加する人達とその友人関係の人くらいで、15、6人。 
これでは流石に寂しいので、手分けして近くを歩いていた人達を捕まえて40人くらいまで集めた。 
参加者は私達を含め5バンドで、1バンドの持ち時間30分。 
私達は一応6曲有れば大丈夫と思い、その6曲分の楽譜を用意した。 
これも長渕剛の真似かな?剛は未だに楽譜を見ながら演奏しているし・・・。 
練習はかなりやっていたけど、念の為に楽譜を見ながら演奏する事にしていた。 
そして、私達の出番。 
ほんと緊張したね。「心臓が口から出そうだ。」と言うのはこう言う事なんだろうなぁ。 
指は震えて上手く弾けないし、あれだけ練習したのに、頭の中は空っぽに成って、歌もコードも出てこない。 
ほんと楽譜を用意してて正解だったね。 
楽譜を見ていれば客の顔とかも見えないし。多少緊張の度合いが減ったもんね。 
でもでも、そうは問屋が下ろさない^^; 
リハーサルの時なんかは多少余裕も有ったから、笑い話なんかも曲の合間に入れていて30分の持ち時間で5曲が
精一杯だったんだけど、いざ本番に成ると、緊張のせいで早く演奏したのと、話なんかまるでしてなかったので、10
分ほど時間が余ってしまった^^; 

「どうしよう?」 

それが分かったのか?客席から「剛の曲、なんかやってよ。」って声が掛かった。 
まぁ、剛の曲なら楽譜が無くても弾けるし、相棒と相談して当時流行っていた『順子』をやる事にした。 
調子良く1番を歌い、2番へ・・・。 
あれ?2番の歌詞が出てこない^^; 
思わず「2番はラ・ラ・ラで歌います。」って訳も分からない言い訳をしたら、結構ウケて。 
客席のあちらこちらから歌ってくれだし、最後の方ではみんなで大合唱になった。 
これは本当に嬉しかったなぁ。 
こう言う事が有るからライブは辞めれないんだろうなぁ。