FMナイトストリート 1992.8.13 
全日本ガイジン歌謡選手権

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銀次どもどもどもども、伊藤銀次でございます。ということでですね、今日は「納涼 全日本ガイジン歌謡選手権」ということでですね、もうたくさん会場にはですね、ガイジンのミュージシャンの方々がですね、もう座って、自分の出番を待っておられますけど、今日はわたくし伊藤銀次と、スティーヴが、
スティーヴこんばんは。
銀次:はい、審査員となってですね、厳正なる審査のもとにですね、今日出場のアーティストの、どなたの日本語の歌が一番すばらしいかということを決定したいと思いますのでね、ま、モノによっては短いモノもあるのでね。
スティーヴ:そうですね。
銀次:最後まで楽しんでください。Beat Goes On!

♪スティックス「ミスター・ロボット」

銀次:はい、威勢のいい音楽で始まりましたね。
スティーヴ:「メイドインジャパン」ですね。
銀次:もうすでにこれ1曲目なんですね。エントリーナンバー1の、スティックスのみなさんによる「ミスター・ロボット」ですけれども、とりあえず今日はですね、ま、審査、いろいろありますけど、短い歌もありますね。たくさん歌ってるのもありますし、やっぱ長さというのも関係あリますかね?
スティーヴ:やっぱり大きいんじゃないですか?ひと言だけって言うのもねー。
銀次:ひと言だけっていうのもずるいなーという感じで。
スティーヴ:ポイント低いですよねー。
銀次:でもやっぱり外国なんかでも、ほら、日本では一時ね、「ベイビー・ブルー」とかですね、そういう個所に英語を使って他は全部日本語というような、そこでグッと引きつけるというのがありましたから、でもこういう風にですね、「ドモアリガトウミスターロボット」という所だけ。でも日本語を使ってくれているというのは、これはなんか日本人としてうれしいですね。
スティーヴ:でもボコーダーを使うっていうのがなんかすごく、日本のイメージってああいうものなのかなとか。
銀次それは、スティックスの人に、僕は直接聞いたんじゃないですけど、どっかに書いてたよ、それ。日本へ来た時になんかそういう「日本=ロボット」というかね、機械というイメージがあって、これが出来たということですね。はい、とりあえず、エントリーナンバー1番、威勢良く、スティックスの皆さんによる「ミスター・ロボット」ちょっと出だしだけっていうのが気になりますけどね。
スティーヴ:「ドモアリガトウミスターロボット」ですね。
銀次はい、さて続いては、今日は意外な人がいっぱい出ますよ。ねえ、日本語で歌っている人っていうのは、実に調べてみると意外な人が多くて。なんとですね、ニック・ロウですよ。なんか絶対日本語なんかで歌いそうもない人ですけどね。それでは用意はいいでしょうかね、バンドの皆さん。(笑)それでは、いってみたいと思います。エントリーナンバー2のニック・ロウは「ガイジン・マン」です。

♪ニック・ロウ「ガイジン・マン」

銀次はい、すごい曲ですね。
スティーヴ:自分をわきまえてますね。「ガイジン・マン」って
銀次:んー、「ガイジン・マン」。今までかつて、外国のタレントでですね、「ガイジン・マン」と自分で歌った人は初めてじゃないですかね。
スティーヴ:いないでしょうねー。
銀次:すごい!
スティーヴ:でも、「ガイジン」と「マン」って、いらないですよね。「マン」がもう、本当は。
銀次:ハッハッハッハッ。それってあれでしょ、「アグネス・チャンさん」みたいなもんでね。「ウッチャンナンチャンさん」みたいな、「ウッチャンさん」「ナンチャンさん」みたいな。
スティーヴあと、「ニンジャマン」っていますよね、レゲエのほうで。あれも僕おかしいと思うんです。だからなんで「マン」がつくんだこれって。
銀次:いや、それはガイジンにはわかんないと思いますよ。忍者の「者」が「マン」を表すというのが。そこがねえ、難しい概念かもしれませんけどね。いや〜、盛り上げてくれるじゃないすか、ニック・ロウも。意外な側面があったりして、んー。昔ね、僕、アルド・ボッカっていうミキサーいますよね、ニック・ロウとかコステロやっている人。あの人たちに日本語で「ニック・ロウ」とか書くとどうなるかっていうんで、「肉」の「老」って書いてですね、老人の老ですね。意味は何ていうんだ?って聞くんで「オールドミートだ」って言ったら笑ってましたけどね。「ニック・ロウに教えます」なんて言ってましたけど、はたして教えたのかどうかは分かりませんが。
スティーヴ:ハッハッハッハ!そんなもの、ミートロウ!
銀次さてですね、続いては同じく、イギリスの人結構多いんですねやはり。日本とイギリスっていうのはやっぱりこうなんか親交があるんでしょうかね?
スティーヴ:でもあれですよね、これなんかちょっと前にほら、Tシャツとかに日本語の言葉をつけるのが流行ったりしたじゃないすか。
銀次:そうそうそう、神風とか。あのねえ、漢字っていうのは外人にとっては非常に不思議な概念なんですよ。つまり例えば「誠」ってあるでしょ。これはどういう意味だっていうのに「オネスティ」とかね、「トゥルース」だとかって教えると「ワオッ!」って言うの。「トゥルース」っていうのはT・R・U・T・H、5文字で「トゥルース」でしょ。それが1つの字で、ガーンと「トゥルース」になるわけでしょ、それが驚くんですよ。それは日本人には分からない概念かもしれないね。その不思議さってのは。
はい、さて、続いてはカルチャー・クラブさんですね。カルチャー・クラブも歌ってたっけ?
スティーヴ:やってましたよ、これシングルでも切ってましたし。
銀次:「WAR SONG」でしょ?
スティーヴ:うん、「戦争の歌」ってやつですよ。
銀次:じゃあちょっとですね、その部分を聴いてみましょうかね。

♪カルチャー・クラブ「WAR SONG」

銀次:なるほど、そこだけ。でもその次もなんか聴こえてきちゃうね。「せのもう」とか。せのもうって、背中になんか乗っけるのかなって思ってしまいましたけどね。(笑)んー、なるほど。「センソウハンタイ」って歌ってましたねー。なんかちょっと、恥ずかしい感じもしてきますけどね、聴いてると。
さて、どんどんとエントリーナンバーいきますけど、この4番、キング・クリムゾン。これ、いつのキング・クリムゾン?
スティーヴ:これは再結成して、エイドリアン・ブリューが入ってからのクリムゾンですけどね。
銀次:あー、あの4人編成になった時ですね。「ディシプリン」とかの。歌がエイドリアン・ブリュー。歌ってましたかねー?ちょっとじゃあ聴いてみましょうかね。

♪キング・クリムゾン「まってください」

銀次:どっか歌ってましたっけ?
スティーヴ:なんか分かりづらかったかもしれないですけど、「マッテクダサーイ」と、サビの一番最後になるんですか。
銀次:本当?なんか僕は、一体いつ出てくるのかなーなんて思ってましたけどねー。もう一回ちょっと聴かせていただけますか?なるほど、「マテクダサーイ」という、これはちょっと分かりにくかったですね。分かりにくかったっていうのが、キング・クリムゾンのちょっとデメリットになったかなという、ポイント下がったかもしれませんね。さて、これで、3つイギリスのグループ続きましたよね。一応今日はボーダレスということで、いろんな国の参加でありますけどね。
スティーヴ:ボーダレス!
銀次いや、今日本当はさ、怒鳴りがあるのかと思ってさ、怒鳴りがあったらエコーかかって「ボーダレス!全日本ガイジン」ってやろうと、来るまでずっと考えてたんだよ俺。(笑)
スティーヴ:あとでやりましょうか?
銀次:いや、もう言っちゃったからいいよ。さてですね、続いてはちょっと変わった名前ですね。「スリー・ムスターファズ・スリー」っていうんですかこれ?それってすっごいですね。「スリーチャンバラトリオ」みたいなもんでしょ?「スリー・ムスターファズ・スリー」ね、「女のおばさん」とかとおんなじですねこれは。どこの国?
スティーヴ:ヨーロッパの、国籍不明のグループなんですよ。で、よく分からないんですよね。ただまあ、多分アラブ系なんでしょうねとしか言えないんですけどね。
銀次あ、アラブ系ね。名前もそうですし、なんかクレジット見てもそうですね。このタイトルは「ソバ・ソング」。これもちろん日本そばのソバでしょう。
スティーヴ:そうですね、「近く」の「そば」じゃないでしょう。
銀次:ハッハッハ。「そばかす」の「そば」じゃないですよね。ハッハッハ。さてですね、どんな曲なんでしょうか、日本語で歌ってるんですかこれ?
スティーヴ:そう、日本語ですよ。
銀次:んー、聴いてみましょうかねじゃあ。スリー・ムスターファズ・スリーの「ソバ・ソング」

♪スリー・ムスターファズ・スリー「ソバ・ソング」

銀次何?「マチカラマチヘ」って言ってましたね。
スティーヴ:「チャルメラ」って言ってましたね。
銀次:あ、これ、日本そばじゃない、中華ソバですよ。だって頭のあの音聴いてると急になんか中華ソバ食いたくなっちゃったもん。
スティーヴ:実はこの曲、「ソバ・ソング」というタイトルになってますけど、美空ひばりさんの「チャルメラ・ソング」という曲のカバーなんです。
銀次:なるほど。彼らは「チャルメラ」っていう言葉よりも「ソバ」っていう言葉のほうにインパクトを感じたわけですな、これは。
スティーヴ:そうじゃないかと思ったんですが。多分チャルメラを吹きながらソバを売りに来ると思ったんじゃないすか?
銀次:なるほどねえ。やっぱアプローチはなかなか斬新なものがあるよねえ。美空ひばりさんの曲をアラブ系の人が取り上げるっていうのはすごい斬新ですよね。
スティーヴ:でもこれ、発音のしかたがやっぱり、今までの英語の人々と違いますよね。フランスとか、そっち系統の発音してらっしゃいますよね。
銀次:それもあるし、フジテレビの「全日本ガイジン選手権」に出てくるガイジンの発音ですね。ハッハッハ。イマイチかなーみたいな。研究が足りねえなーみたいな。
スティーヴもうちょっとねえ、はっきり言えよはっきり!っていう感じですね。
銀次:うん、そうね。でもやっぱり日本、何だこれ?チャルメラですか?不思議ですよねー、でも確かにまあ、無理してエントリーして頂いたって所はうれしいですね。
スティーヴ:努力は認めたいですよね。
銀次:うん。まだ多分、言葉は自分でも納得してなかったんだと思うんですけど、とりあえず出てくれたということで、オリンピックと同じで。参加してくれたということだけでもなんかうれしいですね。今度参加して、第2回の時には、あるんですか?
スティーヴ:エントリーどれだけ来るんでしょうね?
銀次第2回の時には、スリー・ムスターファズ・スリーさんにもですね、ぜひ出て、もうちょっと研究していただきたいということで。
さてですね、結構意外と今回のエントリー、有名どころが多いよね。
スティーヴ:やっぱり何だかんだ言って、みんなやってますね。
銀次:結構多いパターンは、日本で人気のある人たちが、日本へのサービスのつもりでっていうのが多いんですよね。ビーチボーイズがですね、もう典型的な、アメリカ人で、西海岸に住んでて、サーフィンやるヤツだけにしか相手にして、’60年代の初期は商売してなかったですね、ビーチボーイズ。まあ後期のほうは非常にクリエイティブな音楽も作ったりしてですね、ブライアン・ウィルソンが抜けたあと、ちょっと病気とか、いろいろありまして、そのあと、「L・A」というアルバムね。あの中で、なんとですね、一曲取り上げておりますね。タイトルが、これは?
スティーヴ:やっぱ「スマハマ」って読むんでしょうね。
銀次「スマハマ」って何ですか?
スティーヴいや〜、ねえ?
銀次「砂浜」じゃないんですか?
スティーヴ「砂浜」じゃないみたいですよ、どうやら。つづりがやっぱSUMAでしたから。
銀次この場合ってやっぱしね、日本語と違ってこういうローマ字表記ってヤツはですね。字がわかりませんね。「SUMA」ってのがほら、明石のほうの「須磨」なのか、兵庫県のね。「SUMA」ってのがどういう意味か、わかんないですよね。まっ、初めての人もいらっしゃると思います。それではさっそくですね、ビーチボーイズの皆さんに演奏していただきましょうか。(笑)

♪ザ・ビーチボーイズ「SUMAHAMA」

銀次
なるほど〜。
スティーヴ:「シロイハマ」なんですね。
銀次「キレイノシロイハマ」なんですね。なかなかね〜。
スティーヴ:どこでしょうね〜。
銀次「チョットイイデスカ?赤坂見附ヲドコデスカ?」みたいなもんですねー、これはねー。(笑)なるほど、でもいい曲じゃないですか、これ。
スティーヴエキゾチックですよね。
銀次なんかいかにも「上を向いて歩こう」から連想した日本というかね。まだ歌ってますよ。なるほど。
スティーヴ「海の彼方スマハマ」ってどういうこと?
銀次「いつまたあなたスマハマにいついついくの」みたいな言い方でしたけどねー。なんか切ないですね。
スティーヴやっぱこれだけたくさん歌ってるというのはポイント高いですよね。
銀次:高いですよ、しかもビーチボーイズさんですよ。なんかうれしくなっちゃいますよね。今日はなんかちょっとオリンピック解説の山田邦子風でお届けしていますけどわたくし(笑)
スティーヴ:確かこれって1979年でしたよね。79年って言ったらもうねー、なんだかんだ言って・・・
銀次:ただね、ビーチボーイズの人たちにとっての日本経験ってのは、たった一回の日本へ来た時、1966年。あの時帰ったあと、「ペット・サウンズ」という名作のアルバムを出しましたね。あのジャケットに、東映の撮影所で着物を着て写っている写真があるの。松方弘樹さんも写ってるの一緒に(笑)。その撮影所が、きっとすべての日本だと思ったんじゃないでしょうかねー。それでこういう「SUMAHAMA」のような曲が出来たんじゃないかという感じですけどね。はい、これはかなり楽しませてくれましたね。
スティーヴ:ポイント高いですね。これちょっと。ちょっとマルつけます僕(笑)。
銀次:さてですね、続いてまたビッグどころですけどね。これはビッグですよ。
スティーヴ:ビッグりしちゃいますね。
銀次:英語で発音するとポリース、日本語だとポリス。これが歌ってたんですねー。これは日本語だけですか、このバージョンは?
スティーヴもともとはゼニヤッタモンダだったっていうね、すでにもうそこでなんか日本語が。
銀次:あ、あれって「銭形」と書いてゼニヤッタと読むんでしょ?
スティーヴ:ちがうちがうっ(笑)銭あげたんですよ。
銀次:ゼニヤッタモンダ、そんなもんだったっていうね。
スティーヴ:それに入ってる曲なんですけど、これは日本語バージョンを作って、日本だけで発売したんですよね。もう今ではなかなか手に入らない貴重なものになっています。
銀次:で、「DO DO DO DE DA DA DA」という曲ですけど、これを聴いてみましょう。

♪ザ・ポリス「DO DO DO DE DA DA DA」

銀次:すごいね〜、これ全部歌ってるんだね。
スティーヴ:そうなんですよね。これ確か作詞は湯川れい子さんでしたもんね。
銀次:あ、ほんと。これボーカル、間寛平さんかと思ってしまいましたよ(笑)、ほんとに一瞬。
スティーヴ:どっか抜けてますよね、なんか上のほうにね、声がね。
銀次:「かい〜の」みたいなノリがありましたけどね。いや、でもなんか日本語ってのはやっぱりあるね。バタ臭さをなくしてしまう何かが。だから日本のロックは桑田くんとか、いろんな人たちがみんな洋楽っぽく、外国語っぽく歌わないとロックフィーリングがなくなるっていうのはなんとなくわかるよ。このバタ臭いスティングですら、こんだけ日本語っぽくね。
スティーヴ:まるでシャンプーかけすぎた頭みたいなもんですよね。
銀次:なんで?
スティーヴ:脂分なくなっちゃってもうパサパサっていう。
銀次そうそう。あまりにも見事な形容でわかんなかった俺。
さてですね、やっぱりイギリスの人も多いんですねー。続いては、もう、ちょっと前にお亡くなりになってしまいました、フレディ・マーキュリーのいたクイーンですけどね。これも結構歌ってるんだよ。
スティーヴ:これはそうですね。いつもよくやってますよね、ライブでもね。
銀次:もともとは英語バージョンであったものと同じですね。
スティーヴ:ではなくてこれは1コーラス目は英語で、2コーラス目は日本語なんです。これはもうちゃんと全世界で発売しているものですから。
銀次:だけどまあ、ザ・ポリスさんほどではないですけども。ある部分を完全日本語で歌っているということで、そこをじゃあ聴いてみましょうかね。

♪クイーン「手をとりあって」

銀次:本当にこれフレディ・マーキュリーなの?なんか別人のような感じしない?
スティーヴ:なんかすごい敬虔な方が歌ってるように私は聴こえたんですが。
銀次:オフコース時代の小田和正かと思ってしまいましたよ。なんかこう、言葉の感じといいね、すっごい、さわやかな感じになっちゃってるでしょ?これ結構いいですよ。なんか日本人かなと思ってしまいました。
スティーヴ:かなりがんばってますね。やっぱりちゃんと全世界発売のアルバムに入れるだけのクオリティを持ってますよね。
銀次:なるほどね、ちゃんと自分たちで、自信を持って歌っておりますクイーン、「手をとりあって」。これもなかなか得点高いかもしれませんね。
スティーヴ:高いと思います。これ確か’76年くらいですから、’76年といえば最近でもないし、いろいろまあ、よくわかんないですね。
銀次:面白いこと言いますね。一瞬この人は、フィリップ・マーロウなのかと思ってしまいました。「そんな昔のことなら覚えてないが、ちょっと前のことなら忘れた」といった。それは元があるんですよ。レイモンド・チャンドラーさん、そんな話はいいんです。
さてですね、いよいよ正統派というかですね、ありがちなパターンをお届けしましたけど、今度のエントリーの方はちょっと違うんですね。
スティーヴ:このグループ名、僕、すでになんかおかしいと思いますよ。
銀次:ちょっとジャパンバッシングっぽいかなという感じもあるんですよ。まあね、いろんな日本に対する愛着もあれば、日本に対するいろんなやっかみとかもあると思うんですが、ドイツからのエントリー、これは’85年ですね。まだちょっとジャパンバッシングの前に、もうすでにこれが伏線になってたんじゃないかと、導火線になってたんじゃないかとね、日本のいわゆる経団連のほうで噂になってる曲なんですけどね(笑)。ウソばっかだコノヤロ。さてですね、いってみましょう。ドイツからのエントリー、これはシスター、二人の女の兄弟ですね、姉妹。フンペ・フンペという名前です。
スティーヴ:フンペ・フンペっていう女の子なんですか?
銀次:フンペっていうのはドイツではですね、女の子って意味なんです。
スティーヴ:ガールってことですか
銀次:ウソですそれは。
スティーヴ:あ゛〜もう信じちゃった俺、今。
銀次:ハッハッハ。それじゃあいってみましょうかね。すごいタイトル、「これが人生だ」っていうんだからね。

♪フンペ・フンペ「これが人生だ」

銀次:ね、なかなかのもんでしょ?
スティーヴ:いきなりちょっとびっくりしちゃったな〜。
銀次:「トヨタ ミツビシ カワサキ」っていう、ありったけの名前を並べて。
スティーヴ:これって、確か原題って「ヤマハ」っていう歌でしたよね。「ヤマハ」っていうタイトルもすごいですよね。
銀次なんで「ヤマハ」っていうのを選んだのか、その中から。「カワサキ」とかある中でね。名誉なことですよね。
スティーヴでもあったじゃないすか、山本小鉄と星野貫太郎の「ヤマハブラザーズ」っていうプロレスの。
銀次:なんかあるんだろうね。「ヤマハ」って言ったときに俺たちが思い浮かべるものと、やっぱり向こうの、ヨーロッパの人たちが思い浮かべるものと違うものがあるんじゃないかと。今、琴が鳴ってましたけどね。これなんかちょっと異色作ですね。やっぱドイツ人ってのはちょっとなんか一種異様な、独特の感性を持ってるのかもしれませんね。
続いてもドイツからのエントリーなんですね。こちらもタイトルすごいですよ。
スティーヴ:「デンタク」ですからね。
銀次:「デンタク」ってのはあれですか?あのパチパチってやるの。
スティーヴ:パーソナル・カリキュレーターですよ。
銀次:なるほど。これも日本語ですよね。
スティーヴ:そうじゃないすか、エントリーしてるんですから。銀次さん、何を!どうしたんですか?
銀次驚いてしまうんですよ。ドイツからも来てくれるっていうのがうれしくて。それじゃあですね。クラフトワークの皆さんで「デンタク」。

♪クラフトワーク「デンタク」

銀次:いや〜、なかなかすごいですねー。「ボク音楽家 デンタク片手ニ音楽ツクル」って、今もうこれあたりまえのことですよ。
スティーヴ:これ、でも出たのが’81年くらいですから、約10年ちょっと前ですよね。その頃そんなことってありましたっけ?
銀次:つまり、この人たちだけだったんですよ。クラフトワークさんとかですね、YMOさんですね。その人たちがしていたことが今はもうみんな、みんなじゃないですけどね。群馬のほうの、なんかコンニャク作っているおばあさんは絶対そんなコンピューターで音楽作ったりはしないと思うんですけど。でも、20年くらいたったら、コンニャク作ってるおばあさんでも、こうパソコンさわったりするような時代が来るかもしれませんね。やっぱりドイツの感性すごいですね。さっきのフンペ・フンペさんもですね。
スティーヴ:ちょっと恐るべしですね。これは。
銀次:なかなか日本語というもののとらえ方がやっぱり違いますね。
スティーヴやっぱり発音がカタいですよね。なんか、流れないですよね。
銀次:やっぱドイツ語なまりっていうんですか?「イッヒ レルネン ドイチェ」みたいなね、そういう感じがしますけどね。
いや〜、さて、まだまだ続々とエントリーがあるんですが、ここらでちょっとひと休みということでですね。今日はガイジンが参加しているんですが、ちょっと異色です。ポール・ハードキャッスルさんのバンドで小林完吾さんが歌うという、歌ですかねーやっぱりこれは?
スティーヴ:これは、まあ、ナレーションですね、ただのね、これは。
銀次:ラップと呼びたいですね、僕は。それをじゃあちょっと聴いてですね、また次の、パート2のほうへいきたいと思いますけど、ポール・ハードキャッスル フューチャリング小林完吾で、「19」

♪ポール・ハードキャッスル フューチャリング小林完吾 「19」


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