軍歌一般論

昭和日本人

軍歌と言えば「人生」

 昭和の日本人とは、あの一連の「満州事変」「支那事変」「大東亜戦争」を体験されたかたたちです。
 年齢的にいえば、明治、大正、昭和ひとけた生まれ代の世代で、昭和元年から、昭和二十年までの日本で、生活を営んでいた日本人のことをさします。
 この方たちにとって、軍歌というのは、まさに自分の人生の一部分であり、きってもきれない関係にあると思います。何しろ、中には、軍歌があったおかげで生き残れた人もいれば、軍歌のせいで命を落とすはめになった人だっているはずです。また、流行歌の中にしめる、軍歌のパーセンテージが最も高かった時代であり、たとえ軍歌が嫌いであっても、軍歌しか歌えなかったという時代でもあります。
 とにかくほかのどの世代よりも、戦争を知っており、軍歌というものを知り尽くしている世代といえます。明治時代の日本は、まだ基本的な軍歌しか存在しませんでしたので、やはり軍歌の全てを知っているのは、昭和の日本人でしょう。昭和の日本人のかたたちの戦争観・軍歌観に比べたら、管理人の知識など足元にもおよぶものではありません。まさに昭和の日本人は、「歩く軍歌辞典」です。
 よって、このサイトでは、昭和の日本人の軍歌評論をほかのどれよりも尊重する方針でいこうと思います。やはり、当時の人間のリアルタイムの中での軍歌こそ一番に優先されるべきだと思うのです。