第三回「ジャズとは何か その3」


ジャズとは即興演奏である!!
私は、ジャズとは基本的に個人技を楽しむものであると思っています。いかに素晴らしい即興演奏をするか、を聴き取って下さい。
一般的なジャズの演奏方法を説明しますと、だいたい初めと終わりに「テーマ」部分があります。これは「作曲されたメロディー」「指定された和音進行・小節数」 「指定されたリズム」で演奏されます。まあ、スタンダード・ナンバー(みんながおなじみの曲)ではメロディーも演奏者が即興的に変化させて演奏する場合が多いですが。 そして、「アドリブ」部分に入ります。即興的に演奏する訳ですね。だいたい一人のプレイヤーの「ソロ」を中心に行われ、何人かが順番にソロをとって「テーマ」に 戻ることになります。この「アドリブ」部分では「テーマ」の「和音進行・小節数」と「リズム」と同じものが繰り返されるのが普通です。さあ、実際に聴いてみましょう。

本日のレコード

1. 「スター・ダスト」Lionel Hampton All Stars"Just Jazz Concert"1947

ビブラフォンの名手ライオネル・ハンプトン(「ライオンが半分の布団で寝ている」ジャズメンって誰だ?なんてナンセンス・クイズがあったっけ) のオールスターズの演奏です。「スター・ダスト」って有名な曲です。(シャボン玉・ホリデーなんて知ってる?って知る分けないか) 初めにウィリー・スミスのまあみごとなアルト・サックスがテーマ・メロディを吹きますが、最後のテーマは省略されてますね。 この曲のテーマ・メロディは32小節で出来ています(これをワン・コーラスと言います)。このテーマで指定されている「和音進行・小節数」 が何度も繰り返され、その上に各人の「アドリブ・ソロ」が繰り広げられます。アルトサックスに続いて、トランペット、テナー・サックス、 ベース(弓弾きのアドリブ・メロディーにユニゾンでハミングするという名人芸を聴かせます。)、ピアノ、ギター、と来て最後にハンプトンが まってましたとばかりヴァイブを叩き出します!さあこの人は何コーラス「ソロ」をするか、数えたい人は数えてみよう!・・・まあ、とにかく 同じ「和音進行」でいかに個性的なアドリブができるかを聴いてみて下さい。 

2. 「ノリーのノクターン」"The Way I Realy Play"Oscar Peterson Trio

 さて、今日はもう一曲しか聴く時間がありませんね。これはピアノ・トリオです ベースとドラムが明快に4ビートを刻む上にピアノが歯切れ良くソロを取ります。前回のビル・エバンス・トリオとの 違いに注目しましょう。今回のはベースとドラムがピアノの伴奏に徹している分わかりやすいと思います。


生徒の意見

(女子A) 1.こうやってサックスとトランペットを聞いてみると、サックスの音の やわらかさがよくわかります。私はサックスの音がすごく好きなのでこういうソロはとても気持ちいい。こういうふうにつぎつぎとソロがでてくるのも良いです。 2.はすごくpopで聞き易かった。初めはピアノに感動してたのですが、よく聞いているとベースもやたらとすごい!それに所々入ってくるドラムも・・・このバンドはすごく気に入りました

(男子B)ビブラフォンがとてもきれいだった。僕は小学校のときビブラフォンをやったことがあるがむずかしかった。今度先生の演奏を聴かせてください

(男子C)1.はゆったりしすぎて眠たくなった。ベースのソロが面白かった。2.の方が明るい感じでよかった

(女子D)「スター・ダスト」はビブラフォンの音がすごくいい。すこしピアノみたいな感じ。きれいな音なので この曲にすごくあっていると思う。ベース・ソロのハミングは人の声とは思えなかった(最初サックスかなあーと思ったくらい)。 コード進行が同じで、一つ一つの楽器が次々に別のメロディーをつくっていくというのがすごい。 一曲ではあるけれど、この一曲に何曲もの曲が入っているようなものですよね。コード進行が同じでも、暗い曲になったり明るい曲になったり といろいろできるというのがよくわかった。2.はとても楽しそうな曲で人が踊っているところを曲にしたみたいだ。どうしてあんなに速く 弾けるのでしょう。ピアノが速く弾くのはクラシックなんかで時々聴くし、ドラムが速いのはヘビィー・メタル、ハード・ロックで慣れてるけれど ベースがあんなに速く弾くなんてジャズでもなければちょっと聴けない。信じられない!

(女子E)1.このクラブに出て来てから初めて知っている曲が出た!二番目のトランペットと最後のバイブが良かった。 2.は軽快なリズムでとてもよかった。オスカー・ピーターソンのをもっと聞きたくなりました。


今回は機材のトラブルで二曲しか聴けなかったのです。次回は同じ曲が演奏者によってどう変わるかというのをやります。

第四回へ
BACK