HONDA VT-250F  (MC08E)


 ホンダ VT-250F (2型)は、僕の一番想い出深いバイクです。中型免許(現在の普通2輪)を取って新車で買いました。35万円ぐらいだったかな。新車と言ってもすでに型遅れ。新型の3型が出ていたけどデザインが女性的だったので、男っぽかった2型にしました。40馬力、152kg。原付に乗っていた僕にVTはこの重量感とそのスピードで、新しい世界を教えてくれました。

 VT-250F はエンジンが V型 2気筒。横から見るとV字形をしているのが特徴 (ヨーロッパのバイクと違って縦置きになっている) 。4気筒が主流になっていくなか、そのスリムなボディーや、太いエンジン音で独特の光を放っていました。(一応1万3千回転ほどは回せるエンジン) VTは、シリーズを通して戦闘機をイメージしてデザインされたと言われます。VTってすごいな!当時の僕はバイクのスピード感覚に魅せられていきました。





 初心者というのは コケ方が ダイナミックですね。VT-250F で走り始めて 2ヶ月くらい経った頃、
大垂水峠 で 大転倒 して、ケガをしました。VTも、顔面やタンク、マフラーなどに傷を追い、前ブレーキのリザーバタンクは破裂、ステップはモギ取れていました。転倒現場には、なかがみや ギャラリーコーナーに居た神奈川のチーム(ちゃんりゅう)の人達が駆けつけて来てくれて、バイクを押してくれました。VTは自走不可能で、この日転倒したもう一台(CBR-400R)と一緒に「モトエイド」に運搬してもらうことにしましたが・・・。峠からアパートまでは50kmぐらい離れていました。家の近くまで帰ってから 病院へ行きました。看護婦さんたちに囲まれながら 座って手術を受けましたが、13針 程度を縫うケガですんで よかったと思います。先生いわく 「ひじ付近の 皮膚が結構 分厚いなぁ。サイみたいだねー」 笑 (教訓 : バイクでコケたら トレーナーやジーパンは簡単に破れます)
↑ ライトの上まで地面に擦ってて ブレーキ・リザーバタンク破裂 1987年7月頃




 その後 すぐに、バイク便のアルバイトを始めました。事故からはずいぶん後になりましたが、貯めたお金で 壊れたカウル類をぜんぶ新品に換えました。リミテッド(限定車)カラーの部品を注文して、白、黒、黄色の (通称) タイガー・カラーに変わりました。 バイク 宅配便のバイトを選んだのは、五十嵐浩一 さんの 漫画 「ペリカンロード」 の影響で、プレスライダー(報道関係の職業ライダー)に ちょっと 憧れたからです。会社があった目黒区を中心に 毎日100〜200km走りました。
↑ バイク便のアルバイトをしていた頃 (横浜市のアパート前) 1987年 夏 〜 1988年 春






 同世代の人は、このヘルメットのデザインに見覚えがあるかもしれません。 ブラック地に、ブルーメタリックの星を描いたヘルメットは、うすね正俊 さんの
漫画 「キラーBOY」 に登場する脇役 人見健太くんの レプリカ 「星メット」 です。(自家塗装) 下の写真に写っていますが、赤い 「キラーメット」 の大沼君とよく一緒に走っていました。彼がGPZからVガンマに乗り換えてからは、立ちあがりで離されるようになってしまいましたが笑 で、たまに こういう写真を撮ったりして チーム内で あーだこーだと 楽しんでいました。
↑ 六甲山 (芦有有料・有馬側)




 兵庫の実家に戻った僕は、よく明石の友人達と一緒に六甲山へ走りに行きました。
 
(写真) 1988年7月、六甲山の尾根づたいに東へ向かう途中。背景は大阪湾



≪ 看板: 「死亡事故発生現場」

  R有料道路にて





≪ 伊川谷 ヤクザ峠

  (ピンボケ修正w)




VT-250F のリアビュー (まだブラックの時)

バイク持込みのバイト先だった事や、里帰りなんかするから走行距離は大変なもので、タイヤ中央のミゾがない。
その後、僕はコンビニでのバイトを始め、さらに数ヶ月後にあの ヨーロッパ・ツーリング (Project E) を思い浮かんだのでした。


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