階 名




階  名
歌唱をするときに使う音名で、イタリア音名(ドレミファソラシ)を使用します
つまり、階名は歌うときのイタリア音名のことを示します。


イタリア音名とドイツ音名・日本音名の比較

  

音を“ひとつひとつ”示すときはドイツ音名と日本音名の方が便利です


・ドイツ音名・・・Gis(ギス)
・日本音名 ・・・嬰ト(えいト)
・イタリア音名・・ソのシャープ


Gis(ギス)、嬰ト(えいト)のようにドイツ音名と日本音名的確に示すこ
とができイタリア音名はソのシャープとやや呼びにくい。


歌唱をするときはイタリア音名の方が便利です。


・イタリア音名で歌唱した時〔メロディーといっしょに流れるように歌える


・ドイツ音名で歌唱した時〔メロディーの中でドイツ音名は発音しにくい

・日本音名で歌唱した時日本音名でも歌唱しにくい、何となく情けなくなる




階名、イタリア音名について


各音にはそれぞれ国別により音名があります。その中で歌唱に適して
いる音名を階名(ソルミゼーションsolmisation)と言います。現在階名と
して世界的にもイタリア音名が多く用いられています。

       



  イタリア音名について   


・イタリア音名は、1035年ごろ『グイード・ダレッツォ』によって考案されました。
グイード・ダレッツォは“3種のヘクサコード”を基準に『聖ヨハネ賛歌』の歌詞
 を参考に初
めは
Ut(ウット),Re(レ),Mi(ミ),Fa(ファ),Sol(ソ),La(ラ)
 と音名に当てました。



【聖ヨハネ賛歌】
その後『Ut(ウット)』が現在の『Do(ド)』に変わり、
17世紀ごろに『聖ヨハネ賛歌』の最後の歌詞“Sancte”
の『S』と“Joannes”の』を組み合わせて
『Si(シ)
』と呼ぶようになりました。




ソルミゼーション(solmisation)




  ソルミゼーション   


文字による音名の区別で理論的なときに用いる音名でなく、 歌唱を目的とする音名
 のことを
ソルミゼーション(solmisationと言います。

・世界中にはヨーロッパ、東洋などの多くのソルミゼーションがあります


《 例 》 
 アンツ音語  53平均律に音名を割り当てたもの
トニック ソルファ  幹音、派生音(♯ゃ♭の付く音符)すべてに音名を割り当てたもの


・現在、イタリア音名をソルミゼーションとして多く使用されています


★ ソルミゼーションとしてのイタリア音名の長所と欠点
 《欠点》
曲の中に出てくる派生音は、幹音と同じ名称で歌うので、
厳密には正確なソルミゼーションとは言えない。
  《長所》
7種類(ドレミファソラシ)の名称がコンパクトにまとめ
てできていて、
名称が一音節(一言)で発音できソルミゼ
ーションとして適している。





   固定ド唱法と移動ド唱法 


固定ド唱法  440HZの音を“ラ”としこの音を基準にすべての
 長調短調においてドレミ・・・読む
移動ド唱法  それぞれの長調の主音を“ド”それぞれの短調の
 主音を“ラ”と調によってドレミの読む音が変わ
 る。



《例》 上段が固定ド唱法 下段が移動ド唱法です。

                  

【固定ド唱法長所短所
《長所》
様々なタイプの音楽(民族音楽、無調性音楽など)の階名唱が可能。
《欠点》
ハ長調とイ短調以外の調性感が明確でなく。主音や属音などを感得
しにくい。


【移動ド唱法の長所短所
《長所》
調性感がわかりやすい。理論の勉強には必要である。
《欠点》
はっきりした調性の無いもの(民俗音楽、12平均律以外の旋法でで
きているもの、無調性の音楽)では役割が無い(音名を割り振れない)