ドレミが
生まれるまで

(12平均律)




 音階『ドレミファソラシド』について(12平均律)
   ここであつかう『ドレミ』は階名(ソルミゼーション)としてではなく。
   12平均律としての『ドレミファソラシド』です


現在、音階『ドレミファソラシド』は世界共通の音階と言えます。
この音階の優れた点は、世界のあらゆる音階を持つ音楽(民族音楽など)を
この『ドレミファソラシド』で表すこと(歌う)ができるのです。


音階『ドレミファソラシド』が生まれるまで

 倍音の発見 
 今ここに、同じ張力で長さが2倍(2分の1)の関係にある弦があるとき、
 それぞれの弦をはじいて出る音程は、ちょうど1オクターブの関係にあります。
 さらに、低い音の弦(長い弦)をはじいたとき、高い音の弦(短い弦)が

 共鳴します(自然に音が鳴る)


仮に『1点ハ音』が鳴るように張力を調整したときの同じ張力で長さが2倍(2分の1)の関係の弦を作ったとき はじいたとき出る音




 この共鳴する音を『倍音』と言います。
 倍音は、振動数の整数倍が倍音となります。これを『は音(大文字C音)、
倍音を示す譜表参照
  を元にして『は音』の倍音(共鳴する音)を下の譜表に書き出します。


基音(第1倍音)の音を出すとき、第2、3、4・・・倍音と基音に近い音ほど強く共鳴します。



 半音の発生(完全5度は仲の良い親戚同士) 


倍音は音の親戚同士のようなもので、1番近い親子のような関係に当たるのが第1倍音(基音)
と第2倍音です。
 しかし、この関係はオクターブ(高い音、低い音)の関係で結局同じ音です。
そこで、次に近い親戚の関係である第3倍音は基音と
『完全5度』の距離にあります。
(単音程になおして)この完全5度に注目して、任意の音の上に完全5度そのまた上に完全5度
そのまた・・・・・と音を重ねていくと
半音が発生します。



この完全5度の関係を音の低い順に整理すると半音の関係ができます





 音階の発生 


倍音から半音が発生しました。その半音から幹音(♯、♭が付かない音)だけを取り出します。


      上の楽譜から7種類の幹音を使い低い音の順番に音を並べ音階が発生しました。
      最初始まりの音の種類に分けて音階の名称(旋法)がヨーロッパ中世の時代に  
      発生しました。
    
『レ』から始まる音階を 【ドリア旋法】 ヨーロッパ中世の教会旋法となり、それぞれ変格
があり、変格を含めて
教会8旋法と呼ばれている
『ミ』から始まる音階を 【フリギア旋法】
『ファ』から始まる音階を【リディア旋法】
『ソ』から始まる音階を 【ミクソリディア旋法】
『ラ』から始まる音階を 【エオニア旋法】 現在の自然短音階(短調の音階)の元となった
『シ』から始まる音階を 【ロクリア旋法】 理論的に作られた音階で実際には使用しなかった
『ド』から始まる音階を 【イオニア旋法】 現在の長音階(長調の音階)の元となった




 教会旋法 


教会旋法名 音    階
ドリア旋法
フリギア旋法
リディア旋法
ミクソリディア
 旋法




教会旋法名 音    階(ヨーロッパ中世時代後半に現れる)
エオニア
 旋法
イオニア
 旋法


こうして、エオニア旋法は現在の短調イオニア旋法は現在の長調の音階になった

テトラコード 


イオニア旋法を起源に持つ現在の長音階(長調の音階)は、隣の音との間隔が
【長2度ー長2度ー短2度】
の秩序を長2度を中にはさんで前半と後半にできます。
この
【長2度ー長2度ー短2度】の秩序をテトラコードと呼び、この秩序を守って現在各種の長調が存在します。