調号(key-signature)と臨時記号(accidental)


・臨時記号または変化記号(accidental)
  種類と効力
種類 効  力
付いた音を半音上げる
付いた音を半音下げる
付いた音を全音上げる
(半音2個分)
付いた音を全音下げる
(半音2個分)
幹音(♯、♭の付かない音)
に戻す。




◎調号(key-signature) 譜表の音部記号の右隣に書かれている
記号(♯、♭)を調号と言います。




・調号の効力
  調号で示された♯や♭は音程の高低に関係なく全て♯や♭の効力が有効となる。


下のメロディーはイ長調(A dur)です。調号に示された・嬰ヘ音(Fis音)・嬰ハ音(Cis音)
  
・嬰ト音(Gis音)は音程の高低に関係なく全て有効です。




・臨時記号の効力
  臨時記号(変化記号)で示された♯や♭などは付いた音のみ有効で、また有効範囲は、
  付いた音から1小節内である。ただし、タイ(tie)で結ばれた音に臨時記号がつい
  ている場合は1小節を越えて有効です。


【例1コーリューブンゲンより】
は♯によって臨時に半音上げなければならない。
★はによって幹音(♯、♭の付かない音)にもどらなければならない。
は調号によって元々嬰ヘ音(Fis音)である所へによりさらに半音上げる
の付いたタイ(tie)を伴なう
臨時記号は、小節を越えても
その効力は有効です。
 
★1は嬰ヘ音(Fis音)
 
★2はヘ音(F音)


▲ 時にはこのような使われたも(例、コーリューブンゲンより)
2小節目の臨時記号によってさらに
半音高められ、4小節目の
によって元
に戻っています、その時いったんによって
幹音に戻し、新たに♯を付け元々の調号の
音を示しています。(嬰へ音を演奏する。)
上記のように臨時記号を記譜すると、1つの音符
に2つの臨時記号が必要となり、かえって紛らわし
いので、現在は左記のように(
)♯のみ記譜す
ることが多くなっています。(は省略)


・臨時記号 ちょっと知ってて得する項目
  臨時記号(変化記号)の有効範囲は、付いた音から1小節内であるはずなのに
  小節を越えて効力を失っているのに、わざわざ念を押すようにまた臨時記号が
  つけられています。普通これには意味があります。
青の点線では一時的にト長調から和音を借りてきています。これを借用和音といい、音楽に
変化をつけています。そして、
緑の点線では元の調であるハ長調に戻っています。
元の調に戻ったことを明示する意味で、臨時記号の効力を失った音
の音(へ音)
(元の調に戻った意味)を付けています。の音は“刺しゅう音”とよばれる非和声音です。