聴 音 練 習 室 |
聴音書き取りの種類、留意点、方法の説明です |
聴音書き取りについて | |
ソルフェージュのトレーニングの1つとして聴音書き取りがあります。 聴音書き取りの方法(手段)と目的は下記のものが上げられます |
単旋律の 聴 音 |
基本的な聴音で1つの旋律の音とリズムを正確に判断するトレーニングです。 |
複旋律の 聴 音 |
複数(トレーニングとして多くは2つの旋律)を区別して(立体的に)正確に音とリ ズムを判断する |
和音の 聴 音 |
和音の響きの中の構成されている個々の音を判断しつつ響きをとらえるトレー ニングです。 |
リズムの 聴 音 |
拍子別による色んなリズムの種類を判断するトレーニング |
旋律聴音のトレーニングの一例 | |
理想とする旋律聴音の判断の仕方は、聴こえてくる旋律を即座に音符と して判断し書き込むことですが、最初からは上手くいきません。 そこで、聴音の書き取りの一つの方法として例題を使って紹介します。 |
準備 | 出題される調の音階か主和音(Tの和音)と演奏するテンポ(速さ)を与える。 |
@ | 通奏(最初から最後まで演奏する。) |
A | 前半 4小節 3回演奏 |
B | 通奏(最初から最後まで演奏する。) |
C | 後半 4小節 3回演奏 |
D | 通奏(最初から最後まで演奏する。) |
完成 | 清書 約1分 |
出題される難易度や旋律の長さによって演奏される回数等は異なります。 |
@ | 通奏するとき 各小節の最初の音又は休符だけを書き込みます。 |
拍子を正確に数えながら、各小節の最初の音、又は休符(第1拍目)だけに集中し、 速めに五線紙へ書き込みます。また小節がタイ(tie)によって音が結ばれていると きもこの時判断します。 (“リズム”と“各小節の最初の音以外の音”は無視する気持ちで) |
A | 前半を演奏するとき(@)リズムは気にせず音だけを判断して書き込んでいきます。 |
通奏したとき書き込んだ各小節の音を意識しながら、(各小節の最初の音が聞こえた ところから次の小節へ書き込む。)音の位置だけがわかるように書き込む。 |
B | 前半を演奏するとき(A)各小節の拍にあたる音又は休符を見つけます。 |
拍子を正確に数えながら各小節のちょうど各拍にあたる音(この例題の場合4拍子です から、1泊目、2泊目、3拍目、4拍目にあたる音か休符)を探す。 |
この例題の場合4分の4拍子ですから、各小節に必ず1拍目から4拍目の “拍の頭”があります。上の“◎”がそれぞれの“拍の頭”です。 注意 ◎は同じ音に1拍目と2拍目を数えることができます。 ◎は休符を4拍目で数えることができます(1つ前の音が休止する) ◎は拍の頭(2拍目、3拍目、4拍目)が音の変わり目にありません。 このような場合は、付点のリズムかシンコペーションのリズムが多く みられます。できれば考えるのではなく、リズムの体系的に当てはめ るような判断で感得したい。(基本的なリズムの種類は少なくは無い が多くもありません。) ★はシンコペーションのリズムです。 |
C | 各小節の拍の頭にあたる音又は休符からリズムを判断して楽譜として完成させます。 |
リズムは拍の頭の音などの位置で確認し、音は隣の音又は近い音程の音などと比べ 確認をします。 |
この要領で後半4小節も書き取り、清書の時正確にまぎらわしい音符 の位置などに注意して完成させます。 |
★はシンコペーションです。 ★はシンコペーションへのタイ(tie) |
聴音書き取りのその他の留意点 |
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聴音書き取りは限られた時間の中でのトレーニングですのでいくつかの留意点があります |
・音やリズムを判断できても書き込んでいるうちに次音やリズムが始まるので 速く鉛筆を動かすことに慣れなければなりません。 ・もし、速い部分(パッセージ)が出てきて、鉛筆が止まってしまったときは、 すぐに暗譜(記憶)の作業に切り替え演奏後、素早く書き込む。 ・拍子の速さ(テンポ)を感じ取り、書き取りを行っているときは常に拍子を 数えていること、ただし音はたてないように(指や頭の中などで) |