ひとり、みずから立つために
高野 竜
「すべての十四歳に良質のPOPSを」をかけ声に、FOMALHAUTは活動しています。
世の中が塗りかわるための原動力は思春期にある、と確信しているからです。
そして十代が大好きだからです。
中二か中三の女の子が、はなうたで口ずさんでくれる
――そんな曲を作りたいものです。
FOMALHAUTとは星の名前。
南の魚座の一等星で、日本では「南のひとつ星」とも呼ばれます。
ひとり、みずから立つために
真夏の雪を降らせるような意志と美とをもって、活動していきたいと考えております。
すべての“十代”に捧げる「うた」
酒井 康志
FOMALHAUTをはじめた時、僕は24歳だった。
メロディを重視し、極限までアレンジを抑え、あくまでシンプルな「うた」として成立する曲作りを目指すこと。
親しみやすく、歌いやすくシンプルで、しかも多様性に満ちていること。
商品として成立することよりも、メッセージとして成立していることを重視し、妥協しないこと。
そのために、十代の頃から親しんできたポピュラー・ミュージックを基盤としつつ、なるべく多様なリズム、多様な調声を心がけ、普遍性と通俗性の狭間に、作り手としての個性の小さな花を咲かせたいと考えた。
このユニットではおもに僕が先に曲を書き、高野竜があとから詞をつけるのだが、出来上がってくるまで自分の曲にどんな詞が付いてくるのか全くわからない。
作詞者と作曲者が別人であることから生まれる微妙な「ズレ」。
FOMALHAUTの創作が最も楽しいのは、出来上がった「うた」が僕のものでも高野のものでもなく、共同作業の結果として作り手の手を離れていく、この瞬間だったりする。
そうして作った「うた」が、願わくば十代の少年少女たちに、ほんの少し前に十代を終えた者として、ささやかな声援になれば、と思っている。