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−2005 COUNT DOWN PARTY [DOWN TO EARTH]−
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2004年12月31日(金)。昨日の渋谷MODULEでの、DIEGOのDJプレイの興奮も冷めやらぬまま、今日は大阪へと向かう。そう。今日は大阪ベイサイドジェニーでのカウントダウンパーティにDIEGOが出演し、なんとライブを披露してくれると言うのだ。
昼の三時前に家を出る。昨日の疲れが残ってはいるものの、今朝帰ってきてから4時間位は寝ているのでまあ何とかなるだろう。
しかし家を出ると物凄い雪が降っていた。道路も真っ白…。軽く凹む。
雪道をなんとか駅まで歩き、地下鉄で東京駅へ。今朝起きてから朝も昼も何も食べていないことに気付き、駅弁を購入。それと缶ビールも(笑)
15時40分位の新幹線に乗る。僕はあらかじめ指定券を買ってあったので良かったけど、切符売り場は物凄い混雑だった。切符買ってなかったら…そう思うとゾッとする。
新幹線の車内でビールを飲み駅弁を食べ、そのまま軽く睡眠を取る。雪のせいで新大阪到着は予定より20分ほど遅れた。でもその分しっかり休めたのでかえって良かったのかもしれない。
新大阪からは電車とバスを乗り継ぎ、ひとまずゼンタ氏の家へ。ゼンタ氏と会うのも久々だ。彼の部屋で年末特番の格闘技番組やら観つつまったりとDJをさせてもらう。僕が持っているレコードとは全然持っているものが違うので、回させてもらうと妙に新鮮で面白い。
夜22時前に出発。ベイサイドジェニーへと向かう。天保山マーケットプレイスやら海遊館やらと同じ場所にあるハコなのだ。そう言えば海遊館は昔、DIEGOの初来日時にゼンタ氏とDIEGOと一緒に行った場所で、そんな場所のハコでDIEGOのプレイを聴くと言うのは何とも不思議な気がする。
小腹が減っていたのでマーケットプレイス内で食事を取る。まずはタコ焼き。そしてお好み焼きを食べながらビールを飲み、ゼンタ氏と色々話をする。
ふと気付くと、時間はもう23時30分を回っていた。そろそろハコへと向かう。ハコの入り口でIDチェックと荷物検査。そして僕はあらかじめ買っておいた栄養ドリンクを一気飲み。しかもコンビニで売ってた中で一番高いヤツを今日は買ってみた。さすがに二晩徹夜で遊ぶとなると、これ位しないとなんか不安なのだ。
フロアへ入ると、サイケデリックトランスがかかっていた。今日のパーティ、ゲストの外人は皆、ドイツ系の直球テクノの人ばかりなのに…なぜにサイケトランス? 趣旨が分からない。まあテクノだけでまとめてしまうより、トランスだとかも一緒にやった方が集客とか望めるのかもしれないが…。
そのせいか客層が少し違う。純粋にテクノ好きそうなメガネ人とかもちらほらいるのだけど、それ以上に何か系統の違う人が目立つ。宇宙人みたいなカッコしてる人とかもいる。あと、明らかに「キマッテ」しまっている様な人もちらほらいる。こういうの、ハコ側は取り締まらなくていいのか…?
ベイサイドは結構大きなハコと聞いていたけれど、実際に入ってみると思ったほどでもない。クラブと言うよりはライブハウスと言った造りで、難波のロケッツを少し大きくして小ぎれいにした感じ、か。
と、ブース上には本日のゲストの一人、THOMAS P.HECKMANの姿が。そして時間は24時近く。カウントダウンが始まる。5・4・3・2・1…。
「ゼロ!!」の声と共にブースからクラッカー。そしてHECKMANがマイクで「あけおめ〜!!」
…おいおい。HECKMANにそんな言葉教えたの誰だ(笑)
そして始まったHECKMANのライブ。しかしこれが予想してたのよりも遥かに良かった。ハードでバッキバキのトラックの応酬。ライブではあるものの、まるでDJの様に曲と曲とをきちんとミックスしていく。かかる曲はほとんど知らないのだけれど、たまに聞き覚えのあるトラックもかかる。昔買ったHENZEのミックスCDに入ってたトラックもかかっていた。
そして中盤では、ミニマルなトラックを流しながらHECKMANがパッドの様な機材を取り出し、それを叩いてピコピコした電子サウンドを奏でる。「これ、クラフトワークや!!」隣で踊ってたゼンタ氏が叫ぶ。僕は知らなかったのだが、どうやらクラフトワークの何かの曲のメロディーだったらしい。
更に、NITZER EBBのHECKMANリミックスなんかもかかる。しかしこのトラック、どうもボーカル部分が何か違う気がする…と思ってブースを見たら、HECKMAN自身が歌っていた。アホだこの人…。
ハードな音にユーモアたっぷりのパフォーマンスで、1時間のHECKMANのライブは終了。見応え・踊り応えのあるライブだった。バカカッコイイ。そんな言葉の似合うライブパフォーマンス。バカみたくカッコイイと言うイミではなく、バカなのにカッコイイ。とにかく、カウントダウンのアクトに相応しいライブだったと言えるのでは?
そしてまたサイケ?ハウス?のDJがかかる。こうなると生粋のテクノ人の僕らとしてはちょっと退屈だ。フロアから避難し、ゼンタ氏と酒を飲みながらまったり過ごす。DIEGOの出番は3時からとのことで、これからまだしばらくは退屈な時を過ごさなくてはならない。
と、ここでちょっと悪い(?)情報。ゼンタ氏が知り合いのイベントスタッフから聞いた話によると
DIEGO二日酔いらしい。
まあ、相当飲んでたもんなぁ昨日…。今日のライブ大丈夫なのか? てかヤツは来れるのか?(爆)
ゼンタ氏と、「DIEGO今日来るの遅れるかもな」「いや来れないかもよ」とか話す。本当に来なかったら勿論凄くイヤなのだけど。
それでも結局、2時前位だったろうか。ブース上で機材チェックだとかをしているDIEGOを発見。ゼンタ氏と二人で慌ててフロア最前列へ。そしてDIEGOに向かって大きく手を振る。ブース上のDIEGOはこっちを見てニヤリと笑う。ちゃんと気付いてくれたみたいだ。
そしてしばらくするとDIEGO、なんとフロアへ降りてきてくれた。そして僕とゼンタ氏に挨拶。センタ氏とは熱くハグ!! 三人で軽く会話をする。DIEGOは今かかってるトランス系の音を聴いて「UGLY
MUSIC」(くだらないねぇ)なんて言っていた。おとなしそうに見えて意外と毒舌だなぁこの人(笑)
まあ実際言う通りだから仕方ないけど。
DIEGOに「昨日飲みすぎたって聞いたけど大丈夫か?」と尋ねると、「寝たから大丈夫」みたいなことを言っていた。とりあえず元気そうに見えるから多分大丈夫なんだろう。
DIEGOは再び控え室の方へと戻ってしまったので、ゼンタ氏と二人再びまったり過ごす。そして時間は3時。
DIEGOがブースへと姿を現す。遂にいよいよ、待ちわびた彼のライブが始まるのだ。
ノートPCと機材とをいじり、音が流れ出す。空間的な上音のこの曲。これは…そう。
アルバム[PERSUASION CHANNEL]の一曲目[INSTANT REALITY]。
上音だけでリズムのない小曲。アルバム導入に相応しいトラックで、ライブもきっとこんな空間音響トラックで始めるのでは…などと密かに予想してたのだけど、見事に予想的中。
続いて二曲目。印象的なシンセの音で始まるこのトラック。これは…もしや…昨日もかけたあの曲か!!!
[BACK JACK BACK]キタァァァァァーーーーー!!!!!
まさか二日間続けてこの曲聴けるとは思わなかった。しかも創った本人自身のプレイで、一日目はDJ。二日目はライブでだなんて、これはもう幸せ過ぎる!!
もうここで早くもブチ壊れる僕。いやもう、壊れるなって言う方が無理だろう。特徴のあるシンセの上音がフワーっとフロア全体に広がっていくのを聴きながら、あやうく涙が出そうになってしまった。
この[BACK JACK BACK]は結構引っ張ってかけていた。音をたまにフェーダでカットしてみたり、EQで上音をいじってみたり。色々とやって何ループも引っ張る。
さんざん引っ張った後で次のトラックへ。ここであまり聴き覚えのないトラックが二曲ほどかかる。どちらもリズム主体のトラックで、どちらかと言うとライブの「つなぎ」ぽい雰囲気の曲か。
一旦音が消え、そして別のトラックがかかる。かなりハードなリズムのミニマルトラックで、細かく刻まれたシンセの上音が特徴的なトラック。この曲にはゼンタ氏がいち早く反応していた。
[MIND DETERGENT]キタァァァァァーーーーー!!!!!
アルバム[INSTANT REALITY]収録のこの曲。僕も大好きなトラックで、DIEGO好きにはこの曲をフェイバリットに挙げている人も多い。音響の悪さのせいかあの独特の上音が聴き取り辛くて分かりにくかったけど、リズムやブレイクの入り方など、間違いなくこの曲だ。
もうとにかく踊りまくる。いやもう踊るしかない!! 隣のゼンタ氏もかなりガッツリ踊っている。彼の最近の音の趣味の傾向は割と緩めの音だと思っていたので、こんなハードなテクノで踊りまくっている姿を見るのもなんか意外だった。
とDIEGO、何かトラブったのか? 曲をかけたまま突然ブースから離れる。そして走って裏へと消える。しばらくしてまた走ってきてブースへと戻る。一体何があったんだ?
[MIND DETERGENT]も結構長く引っ張って聴かせていた。と言うかDIEGOがブースから消えている間、ずっとループで流しっぱなしだったしな(笑)
この後はあまり知らないトラックが多かった。でも何となく聴き覚えのあるものも多い。もしかすると曲の部分部分を混ぜて使っているのかもしれないし、KANZLERAMT以外からのリリースのトラックも使っているのかもしれない。
激しいメロディに、ブレイクでの切なく空間的な上音が印象的なトラックがかかる。なんか聴いたことあるんだけどちょっと思い出せない…。
帰宅後に調べてみたらアルバム[OPEN]のアナログ盤オンリー収録の[THROW THE PIG DOWN THE HILL]だった。タイトルはおかしいけどいい曲だ。どうも僕、CD盤はじっくり聴き込むのだけどアナログの方はたまに宅ミックスで遊ぶ程度であまり聴かない傾向があるので、アナログオンリーのトラックだと聴き逃してしまっていることもある様だ。これは良くない。アナログももっとちゃんと聴こうと反省。
後はとにかくハードなテクノで煽る煽る。昨日のDJでは、フロアがどんなに沸こうと盛り上がろうと、プレイしているDIEGO自身は常に淡々とした表情だったが、今日は違う。笑顔でプレイし、たまに腕を振り上げたりしてフロアを煽る。そしてなぜかデジカメを取り出し、フロアで踊っているクラウドを撮りまくる。僕やゼンタ氏は真っ先に写真に撮られていた(笑)
写真を撮り捲くっているDIEGOを見てゼンタ氏が「アイツあんなキャラだっけ?」と笑う。確かに、最初に来日した時の緊張してた感じからは想像がつかない。やっぱり日本のクラブに打ち解けてきたってことなんだろう。
その後もハードトラックの応酬。[MIND DETERGENT]ととても雰囲気の似てた曲もかけていた。リズムパターンやブレイク、上音のパターンまでそっくりなんだけど、上音の音色が違う。もしかしたらセルフリミックスとかなのかもしれない。あとで本人に聞いてみよう。
DIEGOのライブ、いよいよ最終盤。デトロイト風のピアノぽいイントロで始まり、そして女性ヴォーカルが載ったトラック。「何だ?」と思ったらなんと…
INNER CITY[GOOD LIFE]]キタァァァァァーーーーー!!!!!
そう。なんとあの[GOOD LIFE]をカヴァーしたのだ!! これにはもう驚き。もしかすると昨日DIEGOが「明日は未発表曲もかけるよ」と得意気に話していたのはこれのことだったのかもしれない…。最後の最後でこんな爆弾を投下するだなんて…DIEGO、やるなぁ!!
そしてそこに、またデトロイトぽい小曲をつなげて彼のプレイは終わった。このトラックもどっかで聴いたメロディだったんだけど…。[JAGUAR]ぽく聴こえたんだけど気のせいか。
とにかく素晴らしいライブだった。好きなアーティストのライブだからどうやっても素晴らしく聴こえてしまうのは当たり前なんだけど、でもそれ抜きで客観的に見ても素晴らしかった。音の鳴らせ方・聴かせ方。選曲に構成…。先にライブをやったHECKMANみたいな派手なパフォーマンスこそ無かったけど、でも元々のトラック自体のクオリティが凄いのだから、そんなの無くても充分だろう。
ライブ中のDIEGO。
ブース上から写真を撮りまくるの図。 |
ライブ中のDIEGO。
機材をいじって音を出し、あおりまくる!!
(写真:二枚ともゼンタ氏提供) |
ライブを終えたブース上のDIEGO自身もとても満足している様に見えた。
今日のトリはゲストDJのW.JORG HENZE。バッキバキのハードミニマルで攻め立てる。とりあえずDIEGOのライブで体力を使い切ってしまってたのでゼンタ氏と二人休憩。フロアの後ろの方でビール飲みつつ、このままDIEGOが出てくるのを待つことにする。
HENZEはミニマルなんだけど結構色々かけていた。昨日DIEGOがかけたJORIS VOORNのピアノが印象的なトラックなんかもかける。他にも昨日DIEGOがかけていたミニマル系の曲なんかもかけていた。でもBPMが全然違う。かなり速い。だから違った印象に聴こえるのが面白い。
聴きやすい、踊りやすい感じのハードミニマル。そして非常にミックスが上手い。ゼンタ氏も、「ハードミニマルで上手いDJ久々に見たわ〜」とえらく感嘆していた。僕も体力が残っていればフロアへ行って踊り倒してきたいところ。なんだけど…さすがに二日連続のクラビングはキツい。もっと若ければ…(涙)
と、そこで聴き覚えのある、独特のパーカス音が聴こえてきた。や、やばい…これは!!
「ごめん、ちょっと踊ってくる!!」そうゼンタ氏に言い残してフロアへと猛ダッシュ。
そしてフロアへ着いたタイミングで聴こえてきたシンセの上もの。そう。
KOWALSKIの[DAYS OF THE LIAR]JORIS VOORN TRIBALISCIOUS MIXキタァァァーーー!!!!!
やばい。もう体力が残ってない(RPGで言えば間違いなく黄色)状態だから踊らないって決めたのに。なのになのに!! 狂った様に暴れてしまった僕。そして完全に体力を奪われる(→RPGで言えば赤色)
ヘトヘトになってフロア後ろへと戻るとそこには、ゼンタ氏と話しているDIEGOがいた!!
なんてタイミングいいんだ…。僕も輪に入る。そして早速「MIND DETERGENTのリミックスとかかけてなかったか?」と聞いてみる。するとDIEGO「NO!! ORIGINAL!!」 いや…オリジナルかけてたのは知ってるけど違うヴァージョンもかけてなかったっけ…? やっぱり僕の聴き違い? それともDIEGO自身が何かけたかもう覚えてなかったり(笑)
そしてしばらく談笑。するとDIEGO、僕に向かってアーキテクトがどうとか言ってくる。何を言っているのかサッパリ分からない。通訳…と言うか英語の出来る人を何人か捕まえて話をするのだけど誰にも聞き取れない。これで分かったのだけど、DIEGOの英語って実は結構聞き取り辛いのだ。ドイツなまりとスイスなまりとが混ざった発音で、おまけに結構早口。僕やゼンタ氏だけじゃなく、通訳の人とかもよく分からなかったのだからきっと、彼の英語は本当に聞きづらいのだろう。
結局彼が僕に言いたかったのは「お前は建築家か?」と言うことらしい。なんでそんなことをいきなり聞いてきたのかサッパリ分からない(笑) 他の誰かと記憶が混同してしまっているのか、それとも酔っ払っているだけなのか…。
どうも後者な気がする(笑) 今日もかなり飲んでた様だし。
また二日酔いになっても知らないよ〜。
最後にDIEGOとまた話も出来たので、僕とゼンタ氏はハコを後にする。パーティはまだまだ続きそうだったけど、もう体力が残っていない…。
今回のDIEGOのライブ。本当に素晴らしかった。昨日のDJプレイと併せて、どちらも素晴らしかった。どちらも正直、イベントそのものは「?」な点も多かったけど、でもDIEGOと言う素晴らしいアーティストの素晴らしいプレイを堪能できたのだから、それでもう充分に満足だ。
DIEGO。僕の最も尊敬するテクノアーティストの一人。素晴らしいプレイをありがとう。
そして、色々と話をしてくれたり、乾杯とかしてくれたり…本当にありがとう!!
またぜひ、日本に来て、素晴らしいプレイを魅せて欲しい。
追記。パーティの後、元旦だし初日の出でも見ようとゼンタ氏と二人、淀川のほとりへ行ってみたはいいけれど…結局曇ってて初日の出は拝めず。残念。
まあでも年の初めからあんな素晴らしいプレイを聴けたのだから、きっと今年は良い年になるでしょう。
→30日のDIEGOのDJのレポへ |
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