ミスターホンマル物語その1


 96年の金蹄賞で4コーナーに散ったミスターホンマル号の物語です。

 5月5日の金蹄賞でまさかの競走中止となったミスターホンマルですが、その日の
うちに予後不良となりました(;_;) ここ数年岩手アラブを支えてきた名馬ゆえに悲し
みを通り越した痛手を感じます。追悼特集としてミスターホンマルのこれまでの戦績
を振り返ってみたいと思います。

 ミスターホンマルは1989年4月14日、北海道幕別町の小西祥一氏の牧場で生
まれる。そして、3歳になると水沢の名門・千葉博厩舎へと入厩。ホンマルの同期に
は女帝ピアホルテ、3歳チャンプ・サバンナショウリ、他にもイースタンジョージ、
フレッシュボーイなど強豪馬が揃っていた。ホンマルがデビューする前、3歳最初の
特別レース若草賞を勝ったのがイースタンジョージであり、アラブジュニアC、東北
アラブ3歳チャンピオン、金杯と勝ちまくったサバンナショウリが3歳チャンプの座
についた。この頃からホンマルは気性の激しい馬で、競走馬としてまともに走れるの
か心配されていたが、石川栄騎乗の新馬戦を順調に勝ち上がり、アラブジュニアC2
着,金杯2着と好走。サバンナショウリの影に隠れてはいたが、その素質の片鱗は見
せていた。

 第18回金杯〔重賞〕 アラブ3歳 水沢1600m 10頭

 1着 サバンナショウリ    55小林俊彦  1.43.8
 2着 ミスターホンマル    55石川栄   1馬身1/2
 3着 ダイサンヒコー     55菅原勲   5馬身
 4着 イースタンジョージ   55千田知幸  頭

 4歳になったホンマルはひばり賞で念願の特別初勝利。しかし、この頃はまだサバ
ンナショウリに分が有るようで、勝ち続けるには至らなかった。新潟でのアラブダー
ビーはサバンナショウリと共に岩手代表として乗り込むが、ショウリ3着,ホンマル
は4着に終わる。勝ったのは新潟のウインドスイセイだった。続く地元に戻っての4
歳4冠路線第2弾・北日本アラブ優駿では5連勝中のピアホルテと初対戦となった。
ここではまだ共に本当の力をつけていなかった事もありピアホルテ3着、ホンマル7
着。

 第9回北日本アラブ優駿〔重賞〕 アラブ4歳 水沢1900m 10頭

 1着 ローゼンセンプー(道) 55佐々木一夫 2.08.3
 2着 クライブワン(栃)   55鈴木正   1馬身
 3着 ピアホルテ       53佐藤雅彦  1馬身1/2
 4着 サンキルクーク(群)  55水野貴史  4馬身
 5着 サバンナショウリ    55小林俊彦  2馬身
 6着 イースタンジョージ   55千田知幸  鼻
 7着 ミスターホンマル    55石川栄   1馬身1/2

 続く一般戦をホンマルは勝ち上がり、再びピアホルテと顔を合わせたのが4歳4冠
第3弾ビクトリーC。前日のサラ3歳ビギナーズCではユキノビジンが見事な逃げ切
り勝ちで特別初制覇。ビクトリーCでも牝馬が活躍、ピアホルテの重賞初制覇となっ
た。サバンナショウリ2着、ホンマルは3着だった。

 第18回ビクトリーC〔重賞〕 アラブ4歳 盛岡1800m 8頭

 1着 ピアホルテ       57佐藤雅彦  1.57.7
 2着 サバンナショウリ    57小林俊彦  2馬身
 3着 ミスターホンマル    56石川栄   3馬身

 その後、3連勝で臨んだ4歳4冠最後の日高賞。

 第24回日高賞〔重賞〕 アラブ4歳 水沢1900m 10頭

 1着 サバンナショウリ    54小林俊彦  2.08.8
 2着 ピアホルテ       53佐藤雅彦  2馬身1/2
 3着 イースタンジョージ   54千田知幸  2馬身
 4着 ミスターホンマル    54石川栄   首

 宇都宮遠征のマロニエ杯アラブ優駿で5着に敗れていたサバンナショウリが金杯以
来の重賞制覇。ピアホルテ2着、ホンマルはイースタンジョージにも遅れを取り4着。
結局、4歳重賞タイトルには縁がなかった。この後しばらくホンマルの低迷が続く。

 5歳の春、前年まで古馬戦線をリードしていた女王シバノアマゾネスやショウブラ
ッキーに衰えが見られ、IBC杯,金蹄賞を連勝したサバンナショウリが新しい王者
として古馬の頂点に立つかに見えたが、骨折で戦線を離脱。秋になり、ようやくホン
マルが上昇気流に乗りはじめた頃、宿命のライバル・ピアホルテもまた上昇気流に乗
り、ホンマルの前に立ち塞がるのである。そして、やがてPM時代を形勢していくの
であった。
続く