ミスターホンマル物語その2


 5歳の秋、アラブ王冠。またまたピアホルテの逃げを捕らえられず2着。ホンマル
はこの後、岩手代表としてただ1頭、新潟平成カップに向かい、前年の東北アラブダ
ービーで敗れたウインドスイセイに借りを返し、遂に初の重賞タイトルを手に入れる。
しかし、アラブ大賞典ではピアホルテの2着、グランプリ紫桐杯ではイースタンジョ
ージにも遅れを取り3着。依然としてピアホルテの壁は厚い。

 6歳の春、主戦の石川栄騎手が調教師となり、初めて菅原勲騎手とコンビを組む。
初戦のIBC杯ではかって北日本アラブ優駿で苦杯をなめさせられた元道営のローゼ
ンセンプー以下に5馬身差の圧勝。続くマイルチャンピオンシップ・せきれい賞では
ピアホルテに首差届かず2着。この時が初対戦となった同厩のエルデンライデンは3
着。ここまでピアホルテには1勝8敗と全く分が悪いが、金蹄賞では久々にピアホル
テに雪辱する事になる。菅原勲騎手がエルデンライデンの方を選んだ為、小嶋久輝騎
手が手綱を取る。

 第16回金蹄賞〔重賞〕 アラブG1 水沢2000m 10頭

 1着 ミスターホンマル    55小嶋久輝  2.12.8
 2着 エルデンライデン    54菅原勲   2.13.7 5馬身
 3着 ピアホルテ       55三野宮通  2.14.1 2馬身
 4着 フレッシュボーイ    54関本浩司  2.15.1 5馬身

 逃げるピアホルテに早めに並びかけ、直線で交わすとピアホルテは脆くも後退、2
着エルデンライデンに5馬身差の圧勝。ピアホルテは3着に敗れた。1着でのピアホ
ルテへの先着はこれが初めてであった。その頃、サバンナショウリが密かに戦列に復
帰するがかっての勢いは無くなっていた。山形遠征の東北アラブチャンピオンでは東
北ブロック最大の強敵である山形の雄レオグリングリンに4馬身の差をつけ重賞2連
勝。

 第22回東北アラブチャンピオン〔重賞〕 3県交流 上山1800 10頭

 1着 ミスターホンマル    55菅原勲   1.59.0
 2着 レオグリングリン(山形)55小国博行  1.59.9 4馬身
 3着 ウインドスイセイ(新潟)55五十嵐剛紹 2.00.5 3馬身

 まさにミスターホンマル時代到来を予感させる。しかし、アラブ王冠ではまたまた
ピアホルテに完敗。

 第6回アラブ王冠〔重賞〕 アラブG1 水沢2000 10頭

 1着 ピアホルテ       54三野宮通  2.10.5
 2着 ミスターホンマル    56菅原勲   2.11.0 2馬身1/2
 3着 センショウムテキ    56佐藤雅彦  2.12.3 7馬身

 王座奪回をかけたアラブ大賞典は史上に残る名勝負となった。どうしてもテンのス
ピードではピアホルテが勝るが、スタミナ勝負ならホンマルも負けてはいない。2周
目のスタンド前で早々とピアホルテに並びかけ、向正面ではPM2強が激しく競り合
うマッチレース。両馬の競り合いはゴールまで続き、ついにピアホルテを力でねじ伏
せたのである。

 第17回アラブ大賞典〔重賞〕 アラブ・オープン 水沢2500 10頭

 1着 ミスターホンマル    57菅原勲   2.51.3
 2着 ピアホルテ       56三野宮通  2.51.4 1/2馬身
 3着 エルデンライデン    57草地保隆  2.54.0 大差

 この後、大井競馬場で行われた全日本アラブ大賞典では激戦の疲れもあったが、ト
チノミネフジ、スズノキャスターがさすがに強く3着止まりであった。この年ピアホ
ルテとは2勝2敗と互角であったが、遠征で稼いだ賞金がものをいって初の年度代表
馬となる。ピアホルテもホンマル不在の紫桐杯でエルデンライデン以下に圧勝、いよ
いよPM対決最終年度を迎える。
続く