Franks Wild Years (Musical)
このページでは、ミュージカル"Franks Wild Years"のどの場面で、どの曲が使われたかを記します。

(ステッペンウルフの作った、チラシ)


(1986年、ミュージカルより。ローリングストーン誌に掲載)

〜一部〜

1, Frank's theme
オープニングを飾るインストゥルメンタル。雪が降る中、ミュージシャン達が演奏するというシチュエーション。

2, Innocent When You Dream
フランク(トム)によって歌われるテーマ・ソング。

トム:ん〜・・子供の歌みたいだろ。いいかい。
俺は、「曲っていうのは、曲そのものが、特有のロジックを見つける」ってことに気付き始めてるのさ。
だから、曲を聴く時、ロジックの範疇に収めないで、もっと他の場所に移し変えてみようってね。
曲にゃ、その曲特有の・・Joseph Comell のイメージ(映像)のコレクションみたいなもんがあるんだ。
だから時々、歌詞の方から俺の方に寄ってくる・・そんで、その時点では、大して意味をなしていない言葉を、慎重に拾い出して、書き出して、それから、そうした歌詞について、考える。
そうやって、歌詞の意味を理解してくんだ。

3, Frank's Wild Years (Swordfishtrombones)
Frank(トム)による語りで、次の"I took the Manchester Blvd turnoff as usual..."に続く。

トム:Charles Bukowskiは、"人を狂わせるのは、本質的には、ほんの些細なことなんだ・・"って考えを持っていた。
人を狂わすのは、大袈裟なことじゃないんだ。第二次大戦みたいなもんじゃないよ。
そいつは、人が、慌ててて我を取り戻す余裕が無いような時のほどけた靴紐みたいな些細なもんさ。
だから、こいつは、そんな心境の歌で・・人間、誰しも、心の中にフランクみたいな気持ちが潜んでるって、思うぜ。
BH:彼の奥さんは、焼け死んだのかい?
トム:いいや。俺は、彼女が煙に巻かれちまった・・なんて印象は与えたくない。彼女は小奇麗な居間にいたのさ。
BH:でも犬は・・・
トム:犬・・・そうさ。犬っころは逝っちまった。

4, Just The Way We Are (リリースされていない初期のヴァージョン。後に、1999年に、Woyzeckに使われた)
Dagがフランクからの、空想の生活を自慢する手紙を読んだ後、全員で歌われる。

5, Yesterday Is Here
バンドと共に、フランク(トム)がピアノの弾き語りで歌う。

トム:このタイトルは、Fred Gwynneにもらったんだ。彼は、このタイトルを持っていたんだが、どうすりゃ良いのか分からなかった。で、「おい、トム。こりゃ、お前のだ。どんな風に出来るか、まぁやってみろよ」ってね。
RR:う〜む・・彼(Fred)はテレビを使ってそう言ったんですか?
トム:いいや。夢ん中でさ。いやいや、映画"Cotton Club"でだな。俺たちは、長いことタキシード姿で手持ち無沙汰だったからね。長いこと、そのタイトルについて考えてたのさ。いつだって、あのタイトルは気に入ってたぜ。

6, Blow Wind, Blow
フランク(トム)が、Rainvilleの思い出を語った後に歌う。フル・バンド・ヴァージョン。

RR:ここから、"街から出る"テーマが続いていますね?
トム:あぁ。ここからの3曲("Hang On St.Christpher", "Straight To The Top", "Blow Wind, Blow")は、旅立ちにうずうずしてる男の歌さ。

7, Hang On St.Christpher
フランク(トム)が、街を発ったことを語った後に歌う。フル・バンド・ヴァージョン

8, Temptation
トニーが、ステージ上のラス・ヴェガスのショー・ガールと共に歌う。

9, Please Wale Me Up
オルタネイト・フル・バンド・ヴァージョン。
ラス・ヴェガスのカジノで勝った、というフランクの夢の後に歌われる。
Yvetteとフランクが、フランス語やドイツ語の訛りで歌う。

10, Straight To The Top
フル・バンド・ヴァージョン。ラス・ヴェガスについて夢見ているフランク(トム)が歌う。

トム:ヴェガス的っていうよりも、異端的だ。
どう見ても、トップに一直線、ってわけのに、あたかも、そうなっているとアンタに信じ込ませた・・って思ってる、そんな男だな。
何かを焼き焦がすのが好きなような奴もいるんだよ。
そういう奴は、大抵において、仕事っていうよりも、やりたくてやってるんだけどな。

11, I'll Take New York
ピアノでヴェガス・スタイルで弾かれ、フランク(トム)に歌われる。

トム:タイムズ・スクエアに立っている、結核持ちで金も無い男だ。彼のニューヨークへの最後の葉書だね。全く狂っちまってる。フランクのニューヨークでの悪夢の経験だと良いがね。
トム:"I'll Take New York"は、沈んでくタイタニックでのジェリー・ルイスの悪夢だ。

〜二部〜

12, Please Wake Me Up
オルタネイト・フル・バンド・ヴァージョン。
Yvetteが、フランス語とドイツ語訛りで歌う。
曲の最後で、"More Than Rain"へと変わっていく。

13, More Than Rain
フル・バンド・ヴァージョンで、ハーモニカのイントロで始まる。
フランク(トム)が歌っている。

14, Innocent When You Dream
テーマ・ソング。フランク(トム)が歌うセカンド・ヴァージョンで、この曲が歌われている時、フランクの友人達は、彼(フランク)の嘘に気付く。
フランクは、この曲を友人に捧げている("Dag Wilson、Willa Bloom、J.P Fitzgeraldにこの曲を捧げるよ"と歌われる)

15, In A Suit Of Your Dreams ("Innocent When You Dream"の変形で、リリースされていない)
フランク(トム)が調子の良いビジネス・プロモーターとなって、コマーシャル・ソングとして歌う。

16, Will You Remember Me (リリースされていない曲)
East St Louisの公園のベンチで、激しい雪に打たれながら、Willaとダンスをしている夢を見ているフランク(トム)が歌う。

17, Just The Way We Are (リリースされていない初期のヴァージョンで、後に、1999年、Woyzeckで使用された)
出演者全員が歌い、叫んでいる。

18, Down, Down, Down (Swordfishtrombones)
フル・バンド・ヴァージョンで、Bobby Whitewatch牧師がフランクを治そうとしている時に、アナウンサーが歌っている。

トム:俺は、Arizonのルート66で足止めを食らってたんだ。凍るように寒くて、みぞで寝ちまった。
葉っぱを手当たり次第に引っ張って、体を暖め、穴を掘って、足を押し込んだ。
8時前かな、車なんて来やしない。何もかも(どんな店も)閉まってる。朝起きて、道のすぐそばにペンテコステ派の教会があった。
頭に葉っぱを、片頬にゃ砂をつけたまんま、そっちの方に歩いていった。
そこにいたMrs.Andersonという女性が来て・・まるで大晦日みたいだったな・・あぁ、まったくもって、大晦日だったのさ。
彼女は言った。「食事をあげるわ。私達(の礼拝)に加わるのも大歓迎よ」ってね。
だから、この小さな教会の礼拝堂の席に着いたんだ。
ここの間抜けなロックンロール・バンド(教会の音楽隊のこと)が、賛美歌を演奏して、祈りを捧げるわけだが、説教の中で、"悪魔"だとか"誤った道"ってな話になる度に、俺の方にジェスチャーをするのよ。
で、みんなが、わざわざ首をまわして、俺の方を見てから、再び説教師の方に顔を戻すんだ。
嫌になっちまったぜ。
こうして、聖書朗読台に向かうチャンスは無くなったってわけだ。

19, Train Song
Bobby Whitewatch牧師による回復のためのセッションが終わった後、公園のベンチで死が近づいたフランク(トム)が歌う。

トム:ゴスペル・ナンバーだな。フランクはベンチに座っていて、ひざを抱え、遠くには行けない。
彼の持ってる、ベンチの上のロープの先には、"Palladin Funeral(葬儀の意味) Home"って書かれた広告がある。

トム:これは、スタート地点なんだ。若い時ってのは、何でも出来るって考え、太陽の下にいるもんさ。
Dylanの"I Was Young When I Left Home"(←1961年12月22日、ミネソタ・ホテル・テープに録音された曲で、"Love And Theft"の限定版に収録された。この時点ではブートレグで聴くことが出来る)の歌詞"I was young when I left home and I rambled around and I never wrote a letter to my home, to my home. Never wrote a letter to my home."ってのが好きでね。
いつでも、行き場所が分かってるわけじゃない。着くまで、自分がどこに向かっているのか分からないこともあるだろ。列車の旅とかさ。少なくとも、"さよなら"を行って、段々と遠ざかる。
飛行機では、人々は扉を開いて、行き去る。
実に奇妙なことだ。今じゃ、ジェット機の足は、体に追いついてる心ん中みたいだって話だぜ。

20, Innocent When You Dream
テーマ・ソング。カーテンコール用のインストゥルメンタル・ヴァージョン。

(End)