日 曜 地 学 ハ イ キ ン グ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−- 『日 曜 地 学 の 会』 |
日曜地学ハイキング(略称「地ハイ」)は、地学団体研究会埼玉支部、日曜地学の会共催で、年間10回(2月と9月を除く毎月)実施されています(第3日曜日に開催されることが多い)。地ハイの参加者は、10歳前後の児童から70歳を越す高齢者まで、幅広い年齢層の方が参加されています。参加者数は、少ないときでも20名、多いときは100名を越すこともあります。ほぼ40〜50名の参加者数で、年に何回も参加される方も多く、顔見知りの仲となっています。はじめて参加される方も、すぐに雰囲気に溶け込まれて“楽しかった”と感想を述べられます。
催しの案内は新聞に載ることもありますが、日曜地学の会の会員への連絡ハガキでお知らせしています。参加は、日曜地学の会の会員に限らず、誰でも自由に参加できます。参加希望の方は、「お知らせ」ページ これからの予定欄に、集合場所と時間を記載しますので、当日に参加されてかまいません。
日曜地学ハイキング(略称「地ハイ」)は、1965年10月以来続いている行事です。「地質学発祥の地 長瀞」とか「秩父古生層」などといわれるように、埼玉県は日本でもはじめて体系的に地質学的研究が行われたところです。
1950年4月に埼玉大学文理学部に地学教室が生まれ、4年後の1954年に地学団体研究会埼玉支部が発足しました。1957年には秩父団体研究グループが作られ、地学団体研究会(略称「地団研」)のすすめる団体研究法により、つぎつぎに成果をあげ秩父山地の地質図を一新しました。研究グループに加わった学生や教師たちは、このような活動をとおして、ついて歩くだけでなく自分たちも研究をやっていく一員だと自信をもつようになり、活動をさらに拡げ一般向けの見学会を開くことが提唱されたことをうけ、地元の多くの人たちと“一緒に歩いてみんなの眼で地質をみて、みんなで考えよう”ということで、1965年10月24日に地団研埼玉支部主催の第1回日曜巡検(当初は日曜地学ハイキングをこう呼んでいました)が実施されました。
第20回を記念してこれまでの見学記録を『日曜の地学』という名で出版することになりました。この本は、『日曜の地学』シリーズの第1号で、はじめての一般向け地質見学案内書で、高等学校の副教材としてひろく使われました。
第217回(1988年4月)に地ハイ参加者を中心として『日曜地学の会』が発足しました。当会は、第200回総括誌の中で提起されたもので、参加者がより主体的に地学を学び、地ハイの運営に参加するため作られました。地ハイの様子や参加者の声、地学の基礎についてまとめた講座などを伝えるため「地ハイだより」を発行しています。その編集発行作業は、地団研埼玉支部会員と日曜地学の会員が共同して行っています。1996年10月の「300回記念総括誌」も地団研埼玉支部と日曜地学の会が共同して発行しました。第300回を記念して記念1泊巡検や記念講演、記念祝賀会も行われ、記念バッジも作られました。記念1泊巡検は南部フォッサマグナが選ばれ、南部フォッサマグナ学習会が7回行われました。
第51回(1971年4月)から「日曜地学ハイキング」と名称を変更し、第81回(1974年4月)には日本初の地学オリエンテーリングが実施されました。『日曜の地学』の改訂作業もすすめられ、1975年6月に改訂版が出版されました。第101回からハガキによる連絡を実費をいただいた希望者に出すようになりました。第120回(1978年3月)では、地団研埼玉支部会員が協力してつくられたアニメ映画「関東創世記」が上映されました。1980年代から参加者は、サラリーマン・主婦・60歳以上の熟年層が増え、教師や生徒を上回るようになりました。第190回から1泊の地ハイが実施されるようになりました。第200回を記念して地質調査体験ハイクも実施され、その後、何回か地質調査体験ハイクを実施しています。また、地盤沈下現象の調査や湧水・井戸の水位調査も実施しました。
これまで20回以上にわたり実施された河原の礫調査の成果をもとに、1999年10月に「川原の石のしらべ方−荒川の石−」が出版されました。
1.『日曜地学の会』は、「日曜地学ハイキング」や「日曜の地学」などを通じて、郷土の地質を自分の眼と手と頭で調べ確かめようとする者の、交流をはかり、その輪を広げる活動をする。
2.『日曜地学の会』は、地域の地質に興味を持つ、「日曜地学ハイキング」の参加者、「日曜の地学」の読者などをもって会員とする。
3.『日曜地学の会』の会費は、1年半(連絡15回分)1000円とし、随時入会することができる。
4.「日曜地学ハイキング」の連絡を出し、年間3〜4回連絡誌『地ハイだより』を発行する。
5.年1回、総会を開く。
新訂版「埼玉の自然をたずねて」が完成
一般向け地質見学案内書『日曜の地学―埼玉の自然をたずねて』の前身『日曜の地学―埼玉の地質をめぐって』が築地書館から刊行されたのは1968年、その後1975年に改訂版が出て、今から12年前の1987年『日曜の地学―埼玉の自然をたずねて』と名を変えて、改訂版が刊行されました。その後、埼玉県内の地質について新しい事実が発見され、日曜地学ハイキングでも新しいコースが開発されてきました。また、コースとしてふさわしくないものも出てきました。
このようなことから、築地書館から改訂の要請があり、前回の改訂のメンバーを中心に編集委員会が開かれ、全面改訂がすすめられいましたが、10月に完成いたしました。価格は1800円。みどころ、読みどころ豊富、ぜひ1冊手元においてください。
日曜の地学1埼玉の自然をたずねて堀口萬吉[監修] 1800円 ●新訂版 四六判 234頁 2000年10月発行 | |||
●監修者紹介 | |||
1929年、埼玉県生まれ。 1954年、埼玉大学文理学部卒業。 現在、埼玉大学名誉教授。 | |||
【執筆者】 | |||
・飯田和明 ・市川孝 ・岡野裕一 ・小幡喜一 ・久津間文隆 ・久保田郁夫 ・倉川博 ・小池美津子 ・小島正順 ・駒井潔 ・坂井充 |
・佐藤和平 ・清水康守 ・正田浩司 ・鈴木禎一 ・関根栄一 ・関根一昭 ・醍醐裕史 ・武井ケン朔 ・竹越智 ・千代田厚史 ・角田史雄 |
・中村正芳 ・橋屋功 ・昼間明 ・平社定夫 ・保科裕 ・本間岳史 ・松井正和 ・松岡喜久次 ・松本昭二 ・力田正一 | |
●「日曜の地学シリーズ」書評再録 | |||
●朝日新聞評=県内の地質や採取される化石などをやさしく解説。同時に生物、地理・歴史・文化財などを巡る見学やハイキング、登山のガイド。
●教育新聞評=自然探究派のための格好のフィールドガイド。 ●静岡新聞評=自然愛好家にとって、実際的な価値にとんだ書物である。県下の地質を実地に調べようという人びとにとってもっともすぐれた手引書。 ●河北新報評=各地の地形や鉱物、動植物などをわかりやすく紹介。 ●千葉日報評=案内図や露頭図・写真なども豊富。休日の自然観察のガイドブックとして推奨したい。 ●地理評=本書を片手にそのとおり辿ってみて歩けば、何らかの知的探究心を満足させることができる。 | |||
●本書「まえがき」より | |||
最近は映像メディアが発達し、世界中の地形や地層、典型的な化石などを茶の間にいるままで、きれいな映像としてみることができます。大声を上げて動きまわる恐竜が、あたかも目の前にいるかのように写しだされるのを見て、過去の生物や当時の環境までも理解できたと思いこむ人も多くなりました。しかし、身近な自然・地形や地質についての理解は、映像だけから得られるものではありません。自分自身の感覚を通じて確かめることがとても大切です。 私たちの身近な自然は、第二次世界大戦後の急激な都市化のために大きく変わってきました。この本であつかう埼玉県下の自然も、最近の30〜40年間に地表が削られ、地形が変えられ激しく変化しています。このことは、そこに生育する動植物にも影響を与え、絶滅種や絶滅が心配される種が増え、問題となっています。 さらに、このような自然の改変は自然災害にも影響して、被害の現れかたも多様になりました。以前は田んぼだったところが埋め立てられたり、崖が削られたりして宅地となり、地震や洪水の被害を受けやすいところが増えているのです。 身近な地域の環境を自分でとらえ、理解し、対応していくことは必要であり、また楽しいことだと思います。本書とともに埼玉の自然をたずねて、埼玉の地形や地質の成り立ちと特徴を探り、動物や植物への影響なども考えてみませんか。 |
【主要目次】 | |
カラーページ | |
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第1章・平野をたずねて | |
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第2章・丘陵をたずねて | |
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第3章・秩父盆地をたずねて | |
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第4章・秩父の山々をたずねて | |
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埼玉のおいたち | |
資料 | |
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