日曜地学ハイキング お知らせ

日曜地学の会よりお知らせです。

 新訂版「埼玉の自然をたずねて」が完成    

 一般向け地質見学案内書『日曜の地学―埼玉の自然をたずねて』の前身『日曜の地学―埼玉の地質をめぐって』が築地書館から刊行されたのは1968年、その後1975年に改訂版が出て、今から12年前の1987年『日曜の地学―埼玉の自然をたずねて』と名を変えて、改訂版が刊行されました。その後、埼玉県内の地質について新しい事実が発見され、日曜地学ハイキングでも新しいコースが開発されてきました。また、コースとしてふさわしくないものも出てきました。
 このようなことから、築地書館から改訂の要請があり、前回の改訂のメンバーを中心に編集委員会が開かれ、全面改訂がすすめられいましたが、10月に完成いたしました。価格は1800円。みどころ、読みどころ豊富、ぜひ1冊手元においてください。



下記は築地書館のホームページより転載しました。

日曜の地学1

埼玉の自然をたずねて

堀口萬吉[監修] 1800円 ●新訂版 四六判 234頁 2000年10月発行
●監修者紹介
1929年、埼玉県生まれ。
1954年、埼玉大学文理学部卒業。
現在、埼玉大学名誉教授。
【執筆者】
・飯田和明
・市川孝
・岡野裕一
・小幡喜一
・久津間文隆
・久保田郁夫
・倉川博
・小池美津子
・小島正順
・駒井潔
・坂井充
・佐藤和平
・清水康守
・正田浩司
・鈴木禎一
・関根栄一
・関根一昭
・醍醐裕史
・武井ケン朔
・竹越智
・千代田厚史
・角田史雄
・中村正芳
・橋屋功
・昼間明
・平社定夫
・保科裕
・本間岳史
・松井正和
・松岡喜久次
・松本昭二
・力田正一
●「日曜の地学シリーズ」書評再録
朝日新聞評=県内の地質や採取される化石などをやさしく解説。同時に生物、地理・歴史・文化財などを巡る見学やハイキング、登山のガイド。

教育新聞評=自然探究派のための格好のフィールドガイド。

静岡新聞評=自然愛好家にとって、実際的な価値にとんだ書物である。県下の地質を実地に調べようという人びとにとってもっともすぐれた手引書。

河北新報評=各地の地形や鉱物、動植物などをわかりやすく紹介。

千葉日報評=案内図や露頭図・写真なども豊富。休日の自然観察のガイドブックとして推奨したい。

地理評=本書を片手にそのとおり辿ってみて歩けば、何らかの知的探究心を満足させることができる。

●本書「まえがき」より
最近は映像メディアが発達し、世界中の地形や地層、典型的な化石などを茶の間にいるままで、きれいな映像としてみることができます。大声を上げて動きまわる恐竜が、あたかも目の前にいるかのように写しだされるのを見て、過去の生物や当時の環境までも理解できたと思いこむ人も多くなりました。しかし、身近な自然・地形や地質についての理解は、映像だけから得られるものではありません。自分自身の感覚を通じて確かめることがとても大切です。

私たちの身近な自然は、第二次世界大戦後の急激な都市化のために大きく変わってきました。この本であつかう埼玉県下の自然も、最近の30〜40年間に地表が削られ、地形が変えられ激しく変化しています。このことは、そこに生育する動植物にも影響を与え、絶滅種や絶滅が心配される種が増え、問題となっています。

さらに、このような自然の改変は自然災害にも影響して、被害の現れかたも多様になりました。以前は田んぼだったところが埋め立てられたり、崖が削られたりして宅地となり、地震や洪水の被害を受けやすいところが増えているのです。

身近な地域の環境を自分でとらえ、理解し、対応していくことは必要であり、また楽しいことだと思います。本書とともに埼玉の自然をたずねて、埼玉の地形や地質の成り立ちと特徴を探り、動物や植物への影響なども考えてみませんか。
【主要目次】
カラーページ
  1. 長瀞--岩畳と自然史博物館
  2. 皆野--秩父盆地の誕生をさぐる
  1. 飯能--山地と平野のさかいを歩く
  2. さきたま風土記の丘--沈む古代人のふるさと
第1章・平野をたずねて
  1. 中川・加須低地--春日部の河畔砂丘
    • 河畔砂丘って何?
    • 利根川の大ひっこし
    • なぜ地盤沈下は起きるの?
    • 宝蔵寺沼はこうしてできた
  1. 浦和・大宮--大宮台地と見沼田んぼ
    • 埼玉平野の活断層群
    • 埼玉の温泉・鉱泉・湧泉
    • 火山ウォッチング
    • 水子貝塚公園に行こう
  2. 新座--武蔵野台地の自然と歴史をたずねて
第2章・丘陵をたずねて
  1. 高麗丘陵--関東平野の誕生したころ
    • 笹井で植物化石を採る
    • トトロの森
    • 埼玉県の基盤の岩石と百穴
  2. 比企丘陵・二ノ宮山--埼玉のグリーンタフ
  1. 川本--川原で見つける貝化石
  2. 岩殿丘陵--物見山と火山豆石
  3. 寄居--埼玉の岩石圏
    • 青岩れき岩
第3章・秩父盆地をたずねて
  1. 秩父市街と長尾根--河岸段丘を歩く
  2. 黒谷・大野原--盆地のへりをつくる断層
  3. ようばけ・藤六--海底地すべりの化石
  1. 阿熊川--秩父の海にいた貝化石をさがす
  2. 牛首峠--花こう岩のルーツをさぐる
    • 橋立鍾乳洞を探検する
    • 秩父盆地で見られる地層
第4章・秩父の山々をたずねて
  1. 伊豆ヶ岳--チャートの岩場とフズリナ化石
  2. 黒山三滝--越生の梅林とチャートの滝
  3. 笠山・堂平山--関東平野の眺望と天文台
    • みかぶ緑色岩
  4. 武甲山--石灰岩でできた山
  5. 日野沢--放散虫化石とチャート
    • 放散虫化石を見つけよう
  1. 二子山--西秩父の名峰とフズリナ化石
    • フズリナ(紡錘虫)類
    • 複雑な山中地溝帯
    • 武甲山の動植物
  2. 両神山--チャートがつくるするどい峰みね
    • 雁坂トンネルをぬける
  3. 中津峡--秩父鉱山と鉱物
  4. 三峰・雲取山--奥秩父山地の自然
埼玉のおいたち
資料
  • 地質年代の区分と埼玉の地質
  • 自然系博物館等関連施設の案内
●「日曜の地学シリーズ」既刊書
「東京の自然をたずねて」
「群馬の自然をたずねて」
「広島の地質をめぐって」
「茨城の自然をたずねて」
「栃木の自然をたずねて」
「静岡の自然をたずねて」
「沖縄の島じまをめぐって」
「愛媛の自然をたずねて」
「千葉の自然をたずねて」
「神奈川の自然をたずねて」
「佐賀の自然をたずねて」
「鳥取の自然をたずねて」
「東海の自然をたずねて」
「島根の自然をたずねて」
●関連書
「フィールドガイド日本の火山 全6巻」