2021年から2024年までの名PVD

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Fortnight / Taylor Swift f.Post Malone (2024)



 

ペンシルバニア州West Reading出身のシンガーソングライターTaylor Swiftの2024年に全米、全英1位を獲得したナンバー。Post Maloneをフューチャーしたことでも話題でした。PV監督はTaylor Swift自身で、Rodrigo Prietoが撮影を行っています。精神病院でつながれたTaylor Swiftをテーマに精神世界を描いた映像が幻想的。イーサンホークにジョシュチャールズがマッドサイエンティスト役で共演。白黒の映像とビクトリア王朝時のファッションがクラシカルなイメージを増幅させています。Post MaloneのトレードマークでもあるタトゥーがTaylor Swiftに移るあたりが面白い演出でした。2024年MTV Video Music Awardでは最優秀ビデオを受賞しています。

Saturn / Sza (2024)

 

ミズーリ州セントルイス出身のシンガーソングライターSzaの全米6位、全英15位を記録したナンバー。ニヒリズムと現実逃避をテーマに土星へ行きたいという願いを歌っています。このPVはマスターカードのCMで、ライブパフォーマンスがそのまま使われ、森を舞台にCMのメッセージでもある森を再生するために世界中で一億本の木を植えることを目指すキャンペーンを描いています。ライブ映像とは思えない完成度と、これがCMであるという意外な組み合わせが次のPVの展開を予感させます。

Taste / Sabrina Carpenter (2024)

 

2024年に最も活躍をしたのはペンシルバニア Quakertown出身のシンガーソングライター、女優のSabrina Carpenterでした。アルバム『Short N' Sweet』からアルバム発売時にカットされて、全米2位、全英1位を記録しています。PVはDave Mayers監督によるもので、Jenna OrtegaとSabrina CarpenterがRohan Cambell演じる男を奪い合うというシンプルなテーマですが、これが暴力的、ホラーチックなやりとりで、毒感の強いものになっています。

Mamushi / Megan Thee Stallion f.Yuki Chiba (2024)

 

テキサス州San Antonio出身のラッパーMegan Thee Stallionが日本のラッパーYuki Chibaをフューチャーしたシングルで、ヘビシリーズで言えばマムシ、全米36位、全英89位を記録しています。PVはKevin Onda Leyva監督によるもので、日本の銭湯を舞台に日本のギャング、ヤクザをMegan Thee Stallionのマムシが殺すといった内容です。Megan Thee Stallionの後ろに青い顔の男が並ぶシーンは黒澤明監督の映画『夢』のオマージュ。ラップと日本という意外な組み合わせが独特です。

Crazy / Le Sserafim (2024)

 

韓国のガールズグループLe Sserafimの2024年に全米76位、全英83位を記録したナンバー。Yunah Sheep監督によるPVはメンバーの個性的なダンスを銭湯や水族館、深海を舞台にするもの。「Crazy」というタイトルを意識した、ちょっと普通じゃない壊れた演出もよく出来ていて、面白いのは映像データが止まった演出をわざと加えているあたりで、ライトカバーをかぶったバックダンサーもどこかホラーチックです。

Illusion / Dua lipa (2024)

 

ロンドン出身のシンガーソングライターDua Lipaのアルバム『Radical Optism』から全米43位、全英9位を記録したナンバー。PVはTanu Muino監督によるもので、バルセロナのモンジュイック市民プールで撮影されています。ダンサーを俯瞰した映像で見せるものは多くありますが、こちらは水を使ったシンクロナイズスイミングで見せる映像が新鮮です。ビデオの最後ではカタルーニャ文化の伝統である人間の塔に基づいたクライミング構造が取り上げられています。

Touching The Sky / Rauw Alejandro (2024)

 

プエルトリコはSan Juan出身のシンガーソングライターRauw Alejandroの全米ラテンチャートで22位を記録したナンバー。Martin Seipei監督によるPVはMichael JacksonやChris Brownを彷彿とさせるダンスビデオで、伝統的なダンスビデオが現在に継承されていることを感じさせるものになっています。

Girl From The Record Shop / Frank Turner (2024)

 

バーレーンはManama出身のシンガーソングライターFrank Turnerの全英3位を記録したアルバム『Undefeated』に収録されていたパンキッシュなロックナンバーです。クラッシック映画『メトロポリス』に出てきそうなキャラクターが登場するアニメーション作品になっています。心臓の赤と青の管がついているキャラやレコードプレイヤーが胸についたキャラ、ネジマキと歯車で動いていたりと行ったおもちゃ的な演出が素晴らしいです。

Pocket / Rag N Bone Man (2024)

 

イングランドはEastbourne出身のシンガーソングライターRag N Bone Manの2024年発売の3枚目のアルバム『What Do You Believe In?』(全英3位)からのシングル。Laurence Warder監督によるPVは首のない男が通信販売で買ったのはRag N Bone Manの頭というアイディアで、面白いのは頭と体が別の意思を持っているところで、体が頭を蹴り飛ばすとか意表をついた展開がよく出来ています。

Temporary / Eminem f.Skylar Grey (2024)

ミシシッピ州St Joseph出身のラッパーEminemの2024年のアルバム『The Death Of Slim Shadey (Coup De Grace)』(全米、全英1位)からのシングルで、全米56位を記録しています。このPVはEminem自身の古いホームビデオ映像を編集したものですが、娘ヘイリーと父親Eminemの親子の関係が伝わってくる心温まるものになっています。最後の最後、ヘイリーがEminemに妊娠を伝えるあたりは、これまでのEminemのイメージを覆す衝撃的なもので、曲と相まってここ最近のPVでも屈指の感動的な作品となっています。


 


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