2021年から2024年までの名PVC
Top10 Statues That Cried Blood / Bring Me Horizon (2024)
イングランドはシェフィールドで結成されたロックバンドBring Me The Horizonのアルバム『Post Human Nex Gen』(全英2位)のアルバムからカットされて全英41位を記録したナンバー。Harry Lindley監督によるPVは近未来を描いたSF作品で、その世界にはスターウォーズさながらのビームサーベルによる闘技場があり、空中にはバイクが飛び、Bring Me The Horizonがライブをしています。ヘビーメタルの激しい音楽と映像が見事にマッチしていて見応えがあります。 インドはKerala出身のラッパーHanumankindがプロデューサーKalmiをフューチャーしたラップ曲で、全米23位、全英15位を記録しています。Bijoy Shetty監督によるPVはWall Of Deathと呼ばれる北インドでは伝統的に知られる見世物を円筒形の枠内をバイクや車で走るものです。冒頭で「視聴者はスタントをしないようにという警告」が流れて、Hanumankindがそれを否定。自らが円筒状の壁を走る車に乗っている映像はPV終わりでも確認できます。シンプルながら衝撃ではPVの歴史に残る作品と思います。 テキサス州ヒューストンで結成されたサイケロックバンドKhruangbinのアルバム『A La Sala』(全米38位、全英18位)からカットされたナンバー。Scott Dungate監督による作品は、タイで撮影され、Khruangbinのまったりとしたインストナンバーをバックに少年と少女(Elizaveta Bunina)の甘酸っぱいやりとりを描きます。曲タイトル通りに愛をPVの中で描いた美しい作品です。 フロリダ州Roca Raton出身のシンガーソングライターAriana Grandeの全米1位、全英2位を記録したナンバー。Christian Breslauer監督による作品は2004年の映画『Eternal Sunshine』のストーリーに影響を受けたもの。Ariana演じる女性が男性との別れを「記憶の消去」という近未来世界のSFで描いたもので、記憶がなくなっていく課程の描き方が上手くて、1本の映画を5分弱でまとめたような作品です。 韓国のガールズグループBlackpinkのメンバーで、タイはBuriam出身のシンガーLisaの全米70位、全英49位を記録したRyan Tedderがクレジットされるハイパーポップなナンバー。PV監督はHenry Schofieldで、Lisaの母国であるタイで撮影されたもので、白い服を着た大量のダンサーが登場するあたりが意表を突かれて印象的です。YoutubeにPVが公開されるとEminemの「Houdini」を超える1週間で80.5MViewを記録しました。 同じくLisaのシングルで、全米97位、全英55位を記録したフラメンコシンガーRosaliaをフューチャーしたナンバーで、こちらはMax MartinやTove Loがクレジットされています。Dave Meyers監督によるPVはコピー機での映像や花の花粉にLisaがなったりと、とにかく印象的でアイディアあふれる映像が素晴らしいです。こちらもYoutube公開から24時間で370万回の再生回数を記録しました。 ニューヨーク出身のラッパーASAP Rockyの全米84位を記録したナンバー。4枚目のアルバム『Don't Be Dumb』(2024年11月発売予定)からのシングルで、歌手のTaylor Swiftを意識したタイトルで話題でした。Vania HeymannとGal Muggia監督によるPVは2021年にウクライナのキエフで撮影されたもの。その映像の細かい部分までひたすらシュールな映像が加えられるもので、芸術作品と言ってもいいかもしれません。 イングランドはCheltenham出身のシンガーソングライターFKA Twigsの2025年1月24日発売予定のアルバムからのリードシングルで、全米のダンスチャートで17位を記録しています。Jordan Hemingway監督によるPVはオフィスでのダンスから始まりますが、そのダンスの迫力と、洗練された映像は芸術的です。 ロンドン出身のシンガーソングライターRayeの全米22位を記録したナンバー。7分もある大曲は3部構成になっていて、ゴスペルから最後にはJazzパートで終わります。2024年発売されたナンバーで最も実験的で壮大な組曲です。PVはOtis Domique監督によるもので、曲それぞれに合わせた映像のイメージがカラフルです。 曲というかビデオ監督Michael Digby監督による作品は、エレクトロビートの曲をバックに映像が細かく入れ替わる幻想的なもので、Kaiber Aiを使用したものです。かつてMichael Jacksonが「Black Or White」で使用したモーフィングの進化版という感じで映像の切り替わりがなかなか素晴らしいです。
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