90年代の名作PVA
80年代の名ビデオ「Sledgehammer」を作ったため、Peter Gabrielには次も凄いクリップが作られるであろうという期待がありました。その期待に応えたこの作品は本人も登場するアニメーションというよりも時間を超越した映像で、かたつむりのスピードの速いこと。映像では怒りをテーマにしています。監督はJohn Downer。 Soul Asylum - Runaway Train (1993)Soul Asylumの全米5位のヒット曲です。全米で100万人を超す行方不明の子どもたち。このPVでは歌詞を映像化しながら実際に行方不明の子どもを紹介しています。監督は『American
History X』などのドキュメンタリー系の映画を手掛けたUKのTony Kaye。 Blind Melon - No Rain (1993)ロサンゼルスで結成されたロックバンドBlind Melonの全米20位のヒット曲。アルバムジャケットに登場しているミツバチの少女をフューチャーしたビデオクリップは開放的で不思議な世界を作り出しています。監督はSamuel Bayerで、ミツバチの少女はHeather Deloach。 Beastie Boys - Sabotage (1994)ヒップホップオルタナバンドBeastie Boysのヒット曲で、この曲の影響もあってアルバムは全米1位を獲得して、その後の活躍につながります。監督は鬼才Spike Jonezによる古いTVドラマ風のクリップです。ラウドな音にマッチするようなちょっとダサ系なドラマがマッチしています。94年のBest Directionにノミネート。 Aerosmith - Amazing (1994)80年代後半から復活して、その後大活躍を見せるAersmithの全米24位のヒット曲です。女優Alicia Silverstoneを起用した「Cryin」「Amazing」「Crazy」の3部作の一つで、このクリップでは1作目に登場した女優のヴァーチャルデートを楽しむというアメージングな内容になっています。監督はMarthy Callner。94年のBest Directionにノミネート。 REM - Everybody Hurts (1994)名盤『Automatic For The People』からREM屈指の名曲で、全米29位のヒットを記録しています。その歌詞を映像化した作品で、高速道路での様々な人間模様を描きながら最後には感動的なフィナーレを迎える作品です。94年のMTV Music AwardではBest Directionを受賞。監督はJake Scott。 Nine Inch Nails - Closer (1994)オルタナティブロックバンド Nine Inch Nailsのヒット曲(全米41位)です。曲のイメージをさらに強めるようなおどろおどろしいクリップですが、フィルムを直接を薬液などで傷つけることにより、より一層刺激的な映像を作り出しています。監督はMark Romanek。 Enigma - Return To Innocence (1994)覆面バンドEnigmaの全米4位のヒット曲です。ある農園で一人の老人がそっとあの世に旅立つところから映像は始まり、走馬灯のように映像が逆回転し、誕生までの一生を描きます。逆回転の映像の面白さとストーリーが見事に一致した名作です。監督はJulian Temple。 Weezer - Buddy Holly (1995)オルタナロックバンドWeezerのロック系ラジオでヒットしたナンバーです。50年代のロック創世記の音楽番組の中でWeezerが演奏するというアイディアで、突然 To Be Continuedとなるなど細かい演出が面白いです。95年のMTV Music AwardでBest Directionを受賞。監督はSpike Jonez。 TLC - Waterfalls (1995)アトランタで結成された3人組R&Bグループ TLCの全米1位を7週間記録したヒット曲です。歌詞の「人生を滝壺に捨てないで」というメッセージを映像化した作品で、ストリートで銃弾で殺される若者の話や、エイズに感染してしまう映像はショッキングです。最後の終わり方は強く印象に残ります。95年のMTV Video Music AwardでVideo Of The Yearを受賞。監督はIce Cubeの「It Was A Good Day」やOutkast「Ms. Jackson」などを手掛けるNYのF.Gary Gray。 |