どうして夢を見ないのだろう


仕事帰りいつも通る道で
歌う君すごく素敵だった
通り過ぎるだけでも
何故か癒されていた

いつのころからか
君の前に座る人が増えてきて
僕は少し悔しくなって割り込んだ
照れたような笑顔で会釈して
君がギター調整する
こう見えても僕もね学生時代
ちょっとは音楽を夢見てた
傷だらけのピック今も持ってる

話しかけたい言葉飲み込んで
君の歌をじっと聞いたよ
なんだかそんなに遠くない未来で
スピーカーごし流れる声を
聞くかもしれないって思った

歌うことを忘れたんじゃなくて
諦めることを覚えただけ
通り過ぎた熱さを
胸に閉じ込めていた

いつのころからか
君は歌うことをやめていた
僕はピック探して来たよあの頃の
ギターケース抱えて会釈して
替えた弦を調整する
こう見えてもね僕もね学生時代
ちょっとは人垣に囲まれた
またイチから夢を追ってみようか

話しかけたい言葉歌にして
君に届くように歌おう
なんだかそんなに遠くない未来で
スピーカーごしこの歌君が
聞くかもしれないって思った

どうして今
誰も夢を見なくなったのだろう
僕はこうして歌っているよ
君に届けと君に届けと
大きな声で……

 

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