稚恋(おさなごい)


夕暮れ、川岸、想い出
君と交わしたキス
仲間にはぐれたフリをして
帰り道で待ち合わせた僕ら

卒業が近付いたあの日
君が不意にサヨナラを口にした
「何故」「どうして」
問い詰めることしか出来なかった
僕は自分がただの子供だということを
忘れていたんだ
君はただ泣きそうな顔で
「ごめんなさい」としか言わずに
それきり口をつぐんだ

三月になるのも待たずに
君が引っ越したこと
あとから仲間に教えられ
僕は泣いた情けなくて泣いた

卒業も出来ない恋を
僕はずっと抱き締めて生きている
「何故」「どうして」
問い詰めることしか出来なかった
僕は僕らがただの子供だということを
忘れていたんだ
せめて一言届くならば
「ありがとう」とだけ叫ぼう
あの日のままの川辺で

 

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