Toto


PAST TO PRESENT 1977-1990


1990 Sony/Columbia
1. Love Has The Power
2. Africa
3. Hold The Line
4. Out Of Love
5. Georgy Porgy
6. I'll Be Over You
7. Can't You Hear What I'm Saying
8. Rosanna
9. I Won't Hold You Back
10. Stop Loving You
11. 99
12. Pamela
13. Animal


 果たしてベスト盤と認めるべきかどうか。「そもそも論」 から議論を起こさねばならないくらい独特の選曲ですが。これはこれで愛着のある1枚なのも事実。

 まず第一に、これでは Toto の全米ヒット曲を押さえ切れていません。漏れた曲は以下のとおり。

US#45/79 "I'll Supply The Love"
US#30/82 "Make Believe"
US#73/83 "Waiting For Your Love"
US#30/84 "Stranger In Town"
US#71/85 "Holyanna"
US#38/87 "Without Your Love"

 特に84年のアルバム "ISOLATION" が全く無視されてしまったのはかなりイタイ。"Angel Don't Cry" とかいいロックなのに。また、Toto は腕利きのスタジオ・ミュージシャンが集まって作ったグループで、チャートインした曲以外にもよくエアプレイされた有名な曲がたくさんありました。他に入れてほしかった曲として、"Child's Anthem"(『子供の凱歌』)、"St. George and the Dragon""Live For Today""Goodbye Elenore" など挙げだすとキリがありません。

 一方で、この時点での最新ヴォーカリスト Jean-Michel Byron がリードをとる新曲を、何と4曲も収録していること(1, 4, 7, 13)。正直言ってかなりバランス悪い。せいぜい新曲2曲にして、その分旧曲をたくさん入れてくれた方が嬉しかった。しかも冒頭に固めたり、ラストにまとめたりするのならまだしも、流れを分断しまくるこの配置。ここまでやってくれると文句言う元気もなくなります。確かにこういう入れ方をしておかないと、リスナーから 「じゃあ冒頭4曲飛ばして5曲目からかけようか」 とか 「後ろ4曲は聴かなくていいよ、ここで止めよう」 なんて言われかねないという制作者サイドの強い焦りを感じなくもないのですが…

 全然未来につながらなかった Jean-Michel Byron。でも看板に偽りはないのかな。だってタイトルはあくまでも "PAST TO PRESENT"マイケル・ジャクソンのベスト盤とは一線を画した 『過去から現在まで』 の回顧録、将来もキミに歌ってもらうつもりだよなんてヒトコトも言ってないわけで。予定通りの中継ぎピッチャーに過ぎなかったのか。

 …なーんて酷いこと言ってますが、実際のところ Jean-Michel Byron のヴォーカルはそれほど聴けないものではありません。結局このアルバムだけの参加になってしまった彼の立場を思いやり、しっかり聴いてあげるのがファンの務めというもの。バックの演奏は相変わらず最高だしね。特に Mike Porcaro もソングライトに加わった "Can't You Hear What I'm Saying" のリズムセクションは良い。また、Bobby Kimball, Steve Lukather, David Paich, Joseph Williams と、楽曲毎に代わる代わるリードをとる歴代ヴォーカリストたちをショーケース的に楽しめるのもベスト盤ならでは。(だからこそ Fergie Frederiksen 期である "ISOLATION" が未収録なのが痛いのですが…)

 不満は多いけれど、アルバムジャケットにはちゃんと Toto 伝統の 「剣」 もデザインされているし、大好きな "Georgy Porgy" も収録されているしで、結局はいつも聴いてしまうディスクなのです。


お気に入りベスト3
1. Georgy Porgy (シェリル・リン最高!)
2. 99 (全米最高位26位は出来過ぎ。むしろ99位狙いでお願いしたく)
3. I Won't Hold You Back (ここ数年個人的な評価がぐんぐんアップしている1曲)
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