Chaka Khan


EPIPHANY : THE BEST OF CHAKA KHAN volume one


1996 WEA/Warner Bros.
1. Ain't Nobody
2. Papillon (AKA Hot Butterfly)
3. Tell Me Something Good - (live)
4. I Feel For You
5. I Know You, I Live You
6. I'm Every Woman
7. Love Me Still
8. The End Of A Love Affair
9. And The Melody Still Lingers On (Night In Tunisia)
10. Through The Fire
11. What Cha' Gonna Do For Me
12. Everywhere
13. Never Miss The Water
14. Somethin' Deep
15. Your Love Is All I Know
16. Every Little Thing


 Chaka Khan のことを本当に好きになったのは、95年にロンドンでミュージカル MAMA I WANT TO SING に出演した彼女を見てからだ。客席を歩いてステージに向かう演出で、自分の席のすぐ隣の通路を歩いていった彼女の豪快な後ろ姿と、華のある強い香水の香りが忘れられない。初めて生で聴いた彼女の声は、まさに変幻自在。母なる大地を思わせるどっしりとした響きから、少女のような可愛らしい囁きまで、本当に楽しくてたまらないという表情で歌い、踊る彼女にすっかり魅了されたのだった。

 実際、それまで知っていたのは Ain't NobodyI Feel For You といった80年代以降のポップ・ヒットだけだったわけだが、Rufus 時代の音源を買い漁るようになるとたいへんなことに気がついた。ほとんどハズレ作品がないのだ。どのアルバムもどの曲も、Chaka が歌っているだけで曲に生命が吹き込まれ、躍動を始める。もちろんメロディが弱かったり、アレンジが未熟な曲もある。でも、Chaka の力強い「声」のカタマリが飛び出してくると、そんなことはもうどうでもよくなってしまう。

 このベスト盤は、Rufus 以降のソロ作を中心に編まれたものだが、新曲が5曲も収録されている関係上、過去の名曲群はほんのサワリしか聴くことができないのが残念だ。それでも、先に挙げた2曲のほかに Whitney Houston にカヴァーされてさらに知名度を増すアシュフォード&シンプソン作の I'm Every Woman や、David Foster の真骨頂でもある Through The Fire など、代表曲を初めて聴いてみようと思う方にはぜひオススメしたい。

 イチオシは And The Melody Still Lingers On。Dizzy Gillespie の名曲「チュニジアの夜」を下敷きに、アリフ・マーディンが詞をつけてアレンジしたものだが、ここでの Chaka のヴォーカルは鬼気迫るものがある。加えて、David Foster のミニムーグ・ベースのウネリや、Herbie Hancock の練りこまれた入魂のキーボードソロには圧倒されるばかり。才能ある女性の周りには、不思議と才能ある男たちが集まってくるものらしい。


お気に入りベスト3
1. And The Melody Still Lingers On (Night In Tunisia)
2. What Cha' Gonna Do For Me
3. Ain't Nobody

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