LL Cool J


ALL WORLD: GREATEST HITS


1996 Universal/Def Jam
1. I Can't Live Without My Radio
2. Rock the Bells
3. I'm Bad
4. I Need Love
5. Going Back to Cali
6. Jack the Ripper
7. Jingling Baby
8. Big Ole Butt
9. The Boomin' System
10. Around the Way Girl
11. Mama Said Knock You Out
12. Back Seat
13. I Need a Beat
14. Doin It
15. Loungin' (Who Do Ya Luv)
16. Hey Lover


 この人も息の長いラッパーだ。栄枯盛衰の激しいこの業界で、トップクラスの地位を占め続けるのは並大抵のことではない。昔からのファンのリスペクトを集めつつ、新しいファン層も開拓していかなくてはならないからだ。承知のとおり、生き馬の目を抜くヒップホップ界のサヴァイヴァル合戦の中、ポッと出て次作が続かなかったラッパーなんて星の数ほど転がっている。

 僕はラッパーについては本当に耳に入ってくる「音」でしか評価できない。ライム(詞)の内容を評価すべきだという説もあるが、そのために聞き起こした分厚い歌詞カードを word by word で追いかけていくのはヒップホップの楽しみ方としてどうかと思う。そういう聴き方をしている方々には敬意を表しつつも、自分はセンスいいサンプリングソースと dope なトラックによろめき、マイクに叩きつけられる「声」の迫力と flow の滑らかさに圧倒され、ところどころ聴き取れるフレーズの数々にブラックの若い世代の日常生活を少しだけ想像する。そういう聴き方の方が自分にとっては圧倒的に生々しい。

 さてそういう聴き方をするにあたっては、LL Cool J は本当に最高のラッパーだ。

 何といっても声がよい。程よくコシがあり、程よくハスキーだ。ビートに乗っかるライムのスムースなことといったらない。しかも "I Need Love" のような哀愁系バラード(といったら言い過ぎか)から、"Mama Said Knock You Out""Doin It" のようなビートの利いたヘヴィなナンバーまで、守備範囲が広いのも好印象。どれを聴いても「声」の芯が通っているからすごく安心できる。

 西海岸が東海岸がどうしたとか、ギャングスタが南部がこうしたとか言う前に、まずは聴いてほしいラッパーの1人。


お気に入りベスト3
1. Loungin' (Who Do Ya Luv)
2. Around The Way Girl
3. Doin It

MUSIC / BBS / DIARY / HOME