Diary -Aug (2) 2001-

日記才人

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31 Aug 2001
Friday

 非常にしばしば各種のコンサートに足を運ぶことで知られるX氏と昼食に行った。
 氏は、「非常にしばしば」などという生易しい形容では到底足りない頻度でコンサートを見ているわけなのだが、それがどれくらいかは想像してもらうしかない。まあ、一般の人間に分かりやすいように例えるならば、食事をした場合にその食事にシイタケの成分が含まれているのと同じくらいの頻度だと言ってもいいだろう。余計分からない?

 それはともかく。

 X氏の言葉は私を驚愕させた。すなわち、あまりにもたくさんコンサートに出かけているため、だんだん実感がなくなってきたというのだ。つまり、確かに会場で生で歌い、演奏しているアーティストを目の当たりにしているはずなのに、これって部屋で同じ曲順でCDをかけているのと何が違うのだろう、と思う瞬間があるのだという。

 スタジオヴァージョンとライヴでは確かに差はあるけれども、仮に自分が見に行ったコンサートを収録したメディアがあって、極めてリアルな大画面と充実した音響で楽しむことができるとするならば、それはまさにヴァーチャル・リアリティ。会場に足を運ぶのも、自分の部屋で追体験するのもさほど大きな違いはないと言えるのかもしれない。

 それでもコンサート会場で、生の雰囲気を体験したいのだという人もいるだろう。また、コンサート会場の生の雰囲気なんて人が多くて気持ち悪いだけだ、僕は部屋で静かにCDを聴いていたいのだという人もいるだろう。

 だがそんなことはちっとも大事なことじゃなくて。


 大事なことは、X氏が10月に淡路島に行ってしまいそうだということだ。
 …SPEEDの復活ライヴを見るために(笑)。 オイオイ



30 Aug 2001
Thursday

(半ばヤケクソ気味に月曜・火曜・水曜から続く)

 「…でもそんなに他人の性格や自分との相性が予測できちゃうってことは、相手を選んで幸せな恋愛し放題じゃないですか! いいなあ…」

 そうつぶやいたオレに、彼女はちょっと目を潤ませて言いました。

 「うん、でもね、占いって他人同士のことは本当によく見えるんだけど、自分のことは霞んじゃってて全然見えないのよね〜。ちゃんと見えてたら私も離婚する羽目にはならなかったハズなんだけど」

 あちゃー。彼女見事にバツイチでした。めちゃ綺麗で可愛いルックスの裏に、いろいろな苦労があったんですね。さらに追い討ちをかけるように続ける彼女。

 「あとね、私年下の子ダメなのよね〜。1日でもいいから、年上の相手じゃないと。上はストライクゾーン広くって、65歳くらいまでは平気なんだけど…」

 まさに討死にです。

 やはりひと回り近い年齢差は克服できず。実は「牡牛座・AB型」に最適な組み合わせというのは、彼女自身の星座と血液型だったのでした。年下ダメなら先に言いなさいっつーの。まあ、自分も最近はストライクゾーン拡大の危険に晒されていて、下は加護からOKだったりするワケですが。
 
 この後、結婚と恋愛はやっぱり違うわよねーとか、恋愛結婚は理想かもしれないがお見合い結婚もなかなか面白そうではあるとか、そんなネタでみんな延々夜遅くまで語り合って。月曜の夜から、まったくもう。でもね、7人中6人がシングル/SOLOで、みなそれぞれの30代を生きているとなると、生き方についていろいろと考えてしまうものなのです。

***

 結局のところ、飲み会の後は独りで家路につき、人生の最後は独りで死んでいくわけで。だからこそ知りたい何かがあり、観たいドラマがあり、聴きたい音楽がある。

 銀座の占いママ&ロズウェル系喜多方女の子&加護亜依。三者三様にオレを誘惑してやまない女たち。マジで恋する18分42秒前。Close to the edge で何とか踏みとどまったオレは、どうやら人生最大の『危機』を乗り切ったというべきか。どうなんだ、金正日同志? えっ、シベリア鉄道で行っちゃったまま帰ってこない? プログレ者マンセー! ていうか逝ってよし(藁

***

 ロズウェル系喜多方女の子が後日、ちゃんと最後まで録画された『ロズウェル 星の恋人たち』のビデオテープをこっそり貸してくれたことは内緒にする方向で



29 Aug 2001
Wednesday

(昨日・一昨日から続く)

 彼女がどういう風に喜多方女の子加護亜依とつながってくるかというと、実はこの日の飲み会メンツは血液型に極端な偏りがあり、AB型とA型で構成されていたのです。しかもそして自分と喜多方女の子はいずれもAB型。もちろん加護もAB型。どうでもいいすね。

 いやいやどうでもよくはないのでありまして!
 加護はまだ13歳ですから淫行条例ストライクゾーンど真ん中ですが、オレは待ちますよ。あと5〜6年なんてあっという間だ。だが待った結果、全然相性の合わない子だったら困るわけで。まずはAB型同士の相性を知りたい。そこでだ。

 先ほどの天然系お姉さま係長が登場するわけですよ。何と彼女、占いをかじったところ占星術の先生に「非常に素質がある!」と激賞され、占い師銀座のママのどちらになるかずいぶん迷っているというくらいなのです。うーん、オレなら銀座の占いママになるけどな!

 ともかくその事実が明らかにされるや、テーブルは一気に占いの場に変貌。普段は星占いなんか全く信じないオレですが、目の前でたとえば

 「A型の天秤座なんですけど…」
 「ああ、それじゃ貴方は●●で▲▲なところがあるんだけど、実は結構■■で★★だったりするでしょう? だからどうしても譲れないところがあって頑固で、それで恋愛が長続きしなかったりするのよね〜」

 などと的確に性格を言い当てていく様を見ている分にはなかなか面白いです。なんだか人を見て適当にしゃべってるような気もしますが。彼女によれば、血液型と星座を組み合わせれば、かなりの程度統計的に人間の性格をパターン化できるとか。でもそれはあくまでも統計に過ぎないので、10人中8人くらいまでは当たっても、パターンに全く適合しない人も当然いると。そこは当たるも八卦、当たらぬも八卦なのよね〜、とのこと。

 で、確認した結果はAB型同士はやっぱり難しいんだって。残念だが加護は諦めるとしよう! さらば加護!何かあったらいつでもオレに相談しろよな。ただ、AB型の男にだけは気をつけろ。と言った瞬間に俺には相談してくれないことになるわけですが、とか自分で突っ込んでしまうオレが悲しいYO! ちなみに自分の「牡牛座・AB型」にもっとも適合する組み合わせも教えてもらいましたが、そっちは統計的に参考にする程度ってことで。ハイ。

***

 ほざきやがれだ。オレの運命を星座や血液で決められちゃたまらねえ。どんなにがっちりレールが敷かれていようとも、オレはそれをねじ曲げて自分でルート決めます。

 オレ自身がオレの人生の船長海図だって自分で作る。
 羅針盤なんか投げ捨て、運命の海へ漕ぎ出していくだけ。



(…以下、たぶん完結編の明日に続く)



28 Aug 2001
Tuesday

 (昨日から続く)

 その夜、遅れて登場してきたのは一部では有名な係長のお姉さまであった。どういう風に有名かというと、どう見てもお水っぽいルックスなのである。水商売といってもいろいろあるが、まさに「銀座のチーママ」が似合うその小柄で妖艶な外見に、なぜかさらに輪をかけてミズっぽい服を毎日着てくるという彼女。狙ってるとしか思えない。だが一体何を?

 「いや私ただこういう服が好きなだけのよね〜」

 …ナチュラルな脱力感。
 彼女の天然ぶりは既に幾多の伝説を残しているが、この日も午後8時には職場を出たという電話があったきり、8時45分になってもまだお店に来ないので心配していた。ふと携帯電話を見ると、なんと10回も着信履歴が残っている。慌ててこちらからかけてみると、同じお店ながら、なんと別のビルにある店舗の方に行ってしまったのだという。制止する店員を振り切り、「絶対ここで飲んでるはずなんです、ちょっと見せてもらっていいですか」と上がり込んで、ひとつひとつ個室を開けて中を覗き込んでいたのだそうだ。どこにもいないと分かった瞬間、「ああ、もう私は今夜ひとり寂しく家に帰らなくちゃならないのかしら、残業もして飲み会にも追いつけず、神様ひどすぎる仕打ちだわ」と泣き出す寸前だったのだという。

 そこに店員が声をかけた。
 「あ、あの… お客様、その紙を見せていただいていいですか?」
 「えっ? これのこと?」

 彼女には事前にお店の地図を渡してあった。もちろんぐるなびクーポン付きマップである。

 「…えーと、このお店はあっちのビルにある方ですね」
 「…」
 
 そう、彼女はお店の地図を握り締めたまま、全然違うビルに勝手に乗り込んで「誰もいないわ!」と大騒ぎしていたのである。真っ赤になって身をよじりながら恥ずかしがる彼女。そこに我々からの電話が鳴り、消え入りそうな声で、しかし心から嬉しそうに「今からそっちに向かうからね〜♪」と答えた彼女はイノシシ年生まれだ。ちなみに自分は1970年生まれでイヌ年。ああ、彼女ひとつ年下なのね。…否! とすれば何歳差かは推して知るべし。どこまでも愛すべき可愛いキャラ炸裂なのである。

 で、そのおミズ系お姉さんが『ロズウェル 星の恋人たち』の喜多方出身の女の子にどう関係してくるのか。そしてまた、昨日あまりにも強引にネタに引っ張り出された加護亜依はどうなるのか。全然オチが見えないまま、さらに明日に続く。

***

 winter 入魂の力作、ヒゲロックこちらのサイトの8月17日付け日記で絶賛されていました。「すばらしすぎです。髭 Meets 洋楽の感動的な瞬間でした。」とは氏のレビュウですが、身に余る光栄です。

 一方、最近は各種検索サイトでも驚異的なヒット率を見せるようになった定番テキスト「プログレ者たち」については、こちらのサイトの8月22日付け日記で「タイトルどおり。プログレ者たちの生態観察。耳が痛い。」との評価をいただいています。すんません。書いてる私も手が痛かったです。

***

 事故死した Aaliyah の旧作を毎晩聴いている。
 人は独りで生まれ、独りで死なねばならない。
 僕に出来るのは、ただ彼女の歌を聴くことだけ。



27 Aug 2001
Monday

 前の会社を通算して社会人生活9年目にして、生まれて初めてだYO!
 …仕事のお休みをとった日に、夜だけ職場の飲み会に出かけたなんて。

 理由のひとつは、海外TVドラマ "ROSWELL" の面白さを教えてくれた職場の隣の部署の女の子が来るっていうから、これはロズウェルネタで盛り上がらなきゃと思って。いやホントに、最初はどうってことないと思っていたのだけれど、毎週見るようになるとやっぱりハマります。それがドラマってもの。主役クラスは女の子3人・男の子2人で、女の子が三様の可愛さ。脇を固める俳優陣も割といい味出していて。ついでに Dido ちゃんの "Here With Me" がテーマ曲とくればもう完璧でしょ。

 ところが、昨日書いたように週末は喜多方にいたわけですが、関西地方で震度4の地震があって、NHK「ポップジャム」の途中で臨時の地震ニュースが入ってしまい、以後の番組がずれたために、録画予約していた "ROSWELL" が途中で切れてしまったんだよね。「ダーマ&グレッグ」は言うに及ばず。

 …なんて話をしていたら、何とそのロズウェル女の子は「福島県喜多方市」出身だった! しかも、翌日出かけた会津若松の鶴ヶ城の隣に、なんだか女子高があるなあと思っていたら、その会津女子高出身だった! これはもはや偶然とは思えない何かを感じる。感じるでしょう普通。

 ところが、この後やや意外な展開が…。
 続きはまた明日。

 (ヒント:モーニング娘。では加護がイチバンなんですけど、彼女との間にも同様の問題を抱えています。ていうかそれってホントに問題なのかYO!)



26 Aug 2001
Sunday

 海外旅行ばかりが旅行じゃない。比較的近いところにも、きっと素晴らしいところがたくさんあるはず。近いがゆえに、逆になかなか足を延ばさない、行ったことのない土地。

 夏だからこそ、探しに行ってみたい。
 きっとそこにあるはずの、SUMMER WONDERLAND を。

 …というわけで、ちょっと行ってきました。喜多方に。

 なぜに喜多方だと? 何を抜かす。ラーメン好きにとってまさに聖地のひとつである喜多方。味噌、醤油の美味さと、澄みきった水から生まれるそのスープの素晴らしさは、日本中にある「喜多方ラーメン」を名乗る各店の欺瞞を暴き出し、ホンモノのホンモノたる所以を舌に、胃に、そして身体全体に強く強く思い知らせるのだ。

 実は以前、ギョーザの聖地である宇都宮に出かけて食い倒れたことがありまして。あれは本当に美味しかった。この度喜多方に足を伸ばそうと思ったのは、ラーメンもさることながら、古い街並みの残る静かな田舎でのんびりしたいというコンセプトもありまして。実際、古い蔵がたくさんあることで知られる喜多方はそうしたニーズを十分に満たしてくれる街でした。ちょっと天候が不安定でしたが、帰りには会津若松に立ち寄って鶴ヶ城天守閣に上ったり、武家屋敷を見たりして、ちょっとした観光気分も味わいつつ。

 皆さんにお土産を買ってきました。
 それは、コチラ。ハイ、食べた気分になってくださいね(^^;)





24 Aug 2001
Friday

 いやもちろん、プラスの状態で書く文章というのもあるとは思うんですよ。でもそれは、マイナス状態で書くテキストとは質が全然違うんだよね。本当に心の平安を得た時、僕は何を聴き、何を書くんだろう。

 ところで昨日の彼は遠からず父親になります。何とも目出度いことで。しかも女の子のお父さんになる予定だという。僕も女の子のお父さんになりたいなー。"Father Figure" by George Michael。いやそれはちょっとテーマが違いすぎ。

***

 今夜の僕は、Stevie Wonder のベスト盤を取り出して、"Isn't She Lovely"(「可愛いアイシャ」)をかけずにいられない。人間の喜怒哀楽感情のうち、「喜」だけを純粋に取り出して音にしてみたら、きっとこうなるんだろうな、と。

 後半部、延々と続く神懸り的なハーモニカソロは、何回聴いてもその度に新鮮な驚きと感動をもたらしてくれる。このハーモニカソロには有名な伝説がある。ピアニカ前田といえば有名なピアニカ奏者だが、氏がピアニカを志したきっかけがこの曲だという。何でも「延々と続くハーモニカに聞こえる音は、実はピアニカで吹いてるんだよ」と友人に吹きこまれたのを真に受けて、「こりゃすごい、自分も頑張ろう」とピアニカ道に邁進した結果が現在のピアニカ前田氏の高度な技術なのだと。

 結局ピアニカではあの奇跡的なソロを吹くことはできなかったようだが、今となってはどうでも良いことだろう。彼は信じ続けた結果、別の素晴らしいものを手に入れた。やっぱり信じることがすべてなんだ。

***

 結婚と恋愛は違う、と言う。恋愛はもちろん素晴らしいが、結婚はもっと素晴らしいと。そして結婚を支えるのは、何より「信頼」だと。逆に言えば、信頼を失った瞬間に終わるストーリィもあるってことなんだろうね。もちろん、足の踏み外しをお互いに助け合って、一緒に築き上げる何かもあるはず。今は後者に賭けたい気分。信じることがすべてなんだと。



23 Aug 2001
Thursday


 例え結婚していようとも、人は毎日恋をする。

 頭では分かっていても、こういうことは直接話を聞かないと納得することは難しいのだよ。だいたい自分はシングル/ソロなのだから、デュオの皆さんの心境など分かるはずもなく。

 「文章を書くことは、マイナスの状態にいる自分をゼロに近づける行為だ」というのが彼の持論だった。今こうして毎日のように駄文を書き連ねている自分を省みるに、いかに早い時点で彼が諸問題の根源を看破していたか、あらためて驚きの念を禁じえない。

 逆に言えば、文章を書くことによっては人は決してプラスの状態にはなることができない。どんなにゼロに近づくことができても、それを超えるブレイクスルーは、テキスト以外のものからもたらされる。それが何であるかは人によっても異なろう。でも自分にとってはほぼ間違いなく、それは「恋」だ。

 さらに突っ込むならば、プラスの状態にいる自分は、きっとテキストを書いてはいないだろうと想像する。そんなもの書いてる暇はないのだよ。だってその時自分は「恋」に落ちているのだから。

 ウェブサイト開設から早6ヶ月、自分ではプラスの状態にいるつもりだった期間が長かったのに、気がついてみるとほぼ毎日テキストを書き続けていた。愕然とする事実。これに気がついただけでも、今夜は彼と飲みに行った甲斐があったというもの。

 かつて圧倒的な筆致で文章を書き綴っていた彼は、今やまったくテキストを書かなくなってしまった。それは彼が信じられないほど幸せなステータスを獲得しているということの裏返しでもある。彼は日記を書く必要がないし、日記なんか書く気にもならないはずだ。

 なぜならば、彼の奥さんこそが彼の日記帳だから。

***

 帰宅後、Curtis Mayfield の "Tripping Out" を激しくリピートして聴いた。



22 Aug 2001
Wednesday

 こないだの朝○新聞夕刊を読んでビックリしちゃいましたヨ。

 だって先週発表した入魂の力作コンテンツ「ヒゲロック」が、天下の○日新聞にいともあっさりとパクられてしまったからです! まだお読みでないお方はぜひ、このヒゲロックをお読みいただいた上で、続いて朝○新聞のこの記事をお読みくださいませ。ネタといい、着眼点といい、単なる偶然とは思えないものが!

 実は昨日、朝○新聞社(www.asahi.com)経由で抗議のメールを書いてみたら…

 1日明けて、編集者から次のような回答がありました! ドキドキ


「winter様

 当紙記事 「進化するひげそり」 に関するお問い合わせをいただき、ありがとうございました。

 さて、ご指摘の記事を執筆した当社記者に早速確認いたしましたところ、確かにwinter様のサイトの 『「あんまり活きの良くないヒゲならあります」featuring ヒゲロック』 にヒントを得て、ひげそりの進化論についての記事をまとめたとのことでした。この機会に、貴殿のサイト全体を拝見いたしましたが、豊富な洋楽関連コンテンツや、文体や題材が日々様々で飽きさせない日記やエッセイなど、極めて興味深いものでありました。

 さて、winter様の「ヒゲロック」と当紙記事「進化するひげそり」を比較いたしますと、主としてブラウン社フィリップス社の電気シェーバーを比較している点、「回転式」「往復式」といった用語の使用、刃の枚数に関する言及、さらには外刃が薄ければ薄いほど深剃りできる点の強調など、顕著な類似点があるのは確かでございます。

 しかしながら、記事の最終的な結論を比較するに、「ヒゲロック」がロック界におけるヒゲの在り方を議論する文章になっているのに対し、当紙記事はあくまで電気シェーバーの性能比較に終始するものであり、類似の著作物とは到底言い得ないものと考えます。

 また、敢えて個別の指摘は行いませんが、「ヒゲロック」におかれましては一部穏当でない表現も散見され、本件に関して争うような事態になった場合、winter様にご迷惑がかかることが予想されます。

 上記のような観点から、本件への対応に関しましては広報部を通じて別途ご連絡させていただきたいと考えておりますので、どうか悪しからずご了承くださいますようお願い申し上げます。 草々」


 …はあ? 広報から対応させるだとぉ?
 オレをちんけなクレーマーだとでも思ってるのかよ!
 こちとら1円にもならないネットでコツコツ文章書いてるってのに、そっちは天下の●日新聞で原稿料ざっくざくだとぉ!? ヒゲロックは、ヒゲロックはなあ、熱く燃えたぎる男のロマン溢れるテキス…

***

 …ウソです。
 大ウソです。ハイ。

 記事が重なったのは、多分単なる偶然です。残念ながら。でも一瞬、いい夢見させてもらいました。ありがとう、朝○新聞!



21 Aug 2001
Tuesday

 『ブリジット・ジョーンズの日記 春夏編』 『同 秋冬編』 を読んだ。

 映画化もされてさらに話題に拍車がかかっているベストセラー。イギリス好きには掛け値なしに面白い。主人公のブリジットと同様の30代シングルの女性であればなおさらのことだろう。自分は30代シングルの男性だけれど、それでも面白さには変わりない。僕の周囲にはブリジットたちがゴロゴロしているし、そんな30代シングルの彼女らとしゃべっているときが一番リアルで切実な感覚を得られるから。

 ダイエットに挑戦し、恋をしたり恋に破れたり、キャリアを積んだり転職したり、良き仲間たちに囲まれて愚痴を言い合ったり、そしてまた自己啓発本に囲まれたりしながら、ブリジットの時間(=僕らの時間)は流れていく。「そう、そういうことなんだよ!」と相づちを打ちたくなる瞬間多数。ドジなブリジットにあっという間に感情移入して、ハラハラドキドキしながら彼女の日記のページをめくるスピードが加速。つまりはそこに自分たち自身を見てるってことで、それはある意味自分たち自身の日記を心に書き付けてるってことなんだろう。

 ブリジットがハッピーエンディングになるのかどうかわからない。例えば結婚=ハッピーというのはちょっと違うだろう。自分にしろブリジットにしろ、シングルでいる期間が1年であるか2年であるか、10年であるか20年であるかにどういう違いがあるのかはよくわからない。だけど人は結局独りで死ぬほかないのだし、夫婦や家族と生きている間も実は独りで生きているわけで。要するに「独り」とどうやって付き合っていくか、ということ。

***

 ところで。

 洋楽辞典なる企画が進行中。
 例によってしまけん氏がこんな素晴らしいページを立ち上げてくださってます。負けじとこちらも発表会場を手配。洋楽ウンチクを小洒落た定義に落とし込んでいただくもよし、それについてあーだこーだと議論していただくもよし。しばらくは1参加者として大いに楽しませていただくとしますか(^^)



20 Aug 2001
Monday

 伊勢丹美術館で開催中の大松本零士展に出かけました。

 自分たちの世代だと、やはり「宇宙戦艦ヤマト」とか「銀河鉄道999」の影響を強く受けているし、松本零士の世界にちょっと突っ込んだ人ならさらに「キャプテンハーロック」「我が青春のアルカディア」「1000年女王」などの作品も外すことができないでしょう。

 どの作品にも共通して出てくる、長髪で悲しげな目をした細身の女性キャラクターが、実は松本零士自身の母方の親戚たちを無意識のうちに描いていたものであったことを示す古い写真や、各作品の貴重な原画、子供にもウケる宇宙戦艦ヤマトのコックピット模型など盛り沢山の内容で、じっくり時間をかけて見るとあっという間に2時間くらい経ってしまいそうな雰囲気でした 。

 帰宅後、劇場版アニメ「銀河鉄道999」を見ました。

 TV版と比べて星野哲郎のルックスが劇的に変化しているので、個人的にはどうかと思うのですが、とはいえりん・たろう監督によるスピーディで無駄のない展開は、さすが劇場版だけあって見る者をぐいぐい引き込みます。ハーロックやクイーンエメラルダス、トチロー、クレア、リューズ、機械伯爵、アンタレスなど、印象的なキャラを総出演させながらクライマックスに向けて突き進む脚本は、今見てもやっぱり面白い。

 永遠に生きられる機械の身体と、有限ながら血の通った生身の身体。
 人間の抱える、生と死という永遠の問題を鋭く問い掛ける重いテーマ。

 冥王星に向かうメーテルを追いかけて鉄郎が走るラストシーンを踏まえると、エンディングで流れるゴダイゴ版の「銀河鉄道999」の歌詞が、これまで以上にはっきりと心に飛び込んできます。

***

 ♪古い夢は置いていくがいい
  再び始まるドラマのために



19 Aug 2001
Sunday

 大好きな海外テレビドラマがいくつかあります。

 そのひとつが "ALLY McBEAL"。この秋からNHKでも放送予定の第4シーズンが楽しみでたまりません。邦題『アリー my ラブ』のダサさに参っていたのも最初のうちだけ、恐ろしいことに、今じゃ慣れて何とも思わなくなってしまいました。

 どうして僕はアリーにあそこまで感情移入してしまうのだろう?
 
 彼女は弁護士です。ただ、弁護士にしてはいろいろ考え過ぎるところがある。いやもちろん、弁護士はいろいろ考えてもらわなくちゃいけないのですが、勤めている事務所のリチャード・フィッシュのスタイル(フィッシュ哲学)からすると、人間的すぎて効率が悪いところがあります。

 自分に対しても厳しいし、時には友人にも厳しく当たりすぎて、うまく気持ちを伝えられなかったり。もっと楽になってもいいのに、もっと力を抜いてもいいのに、って思う瞬間が何度もあって。それって実は、なかなか力を抜いて生きられない僕自身に対する不満だったりするのかな。

 幼馴染みで最愛のビリー・トーマスを亡くすシーンに至っては、あまりにも悲しすぎて、逆にジョークかと思ったくらい。でも結局アリーは少しずつ立ち直ります。だって、放っていても時間は流れていくし、いつまでもそこに座っているわけにはいかないのだから。

 第4シーズン。どういう展開を見せてくれるのか。今からとても楽しみ。
 いい味出してるジョン・ケイジの活躍もね。

***

 僕だけのアリーを探して。



18 Aug 2001
Saturday


 17日付の朝日新聞夕刊の文化面に、小池真理子のコラムが掲載されていた。
 21世紀最初の夏休みに〜永遠の宿題、という企画で、この日は『人はなぜ恋をするのか』がテーマになっていた。

 確かに、人は幾つになっても恋をする。
 妙なところで自信があるのだけれど、仮に80歳まで生きるとして、自分は間違いなく死ぬ瞬間まで誰かに恋をしているだろう。それは若い時に結婚したパートナーであるかもしれないし、新たに出会った相手であるかもしれない。結婚しているかどうかと、新たな恋をするかどうかとは全く関係のないことだ。もちろん、その感情を表に出して既存の結婚関係を終了させるかどうかはまた別の話。そうする決断があってもよいし、そうはしないという決断があってもよい。

 だが間違いなく、人は生きている限り、逆に言えば死ぬ間での間ずっと、誰かに恋をする。それは自然に湧き上がってくる感情で、無理矢理殺すべきものではない。少なくとも自分はそう思う。

 小池真理子は、人が恋をする根源的な理由は、人間が生まれながらにして背負っている『孤独感』にあるという。人はたった1人でこの世に生まれ、たった1人で死んでいく。誰とも自分の死を共有することができない。だからその孤独感を癒そうとする人間は、他者との強烈な同化願望、合一願望の表れとして、恋に落ちるのだと。それはひどく健全で、それでいて切ない不思議な情動なのだと。

 人を好きになる瞬間は、理屈では説明できない。
 単に容姿が可愛いからとか、お金をたくさん持っているからとか、ハンサムだからという理由だけで好きになるのならむしろ問題は単純なのだけど、もっと計り知れない何かに突き動かされている。

 確かに小池が言うように、どこまで近づいても、結局は他者。つまりどんなに愛し合う2人の間にも、常に無限の距離がある。絶対に同化することはできない「別の人」。そこをどれだけ見極められるかが、2人の関係の精神的深さと時間的長さを左右するのだろう。

 ポップソングでよく題材になる「永遠の恋」なんてものもまた、存在しない。
 でも自分はやっぱり、死ぬまで誰かに恋をして、誰かを好きでい続けるだろう。

***

 その程度には愚かな存在です。
 愚かな存在でいさせてください。



17 Aug 2001
Friday


 今朝出勤前に何気なくTVチャンネルを変えたら、とても懐かしいアニメ「フランダースの犬」を放映していた。テレビ埼玉、午前7時半〜午前8時だ。まだ始まったばかりのようで、パトラッシュが出てきたのもほとんど初めてのようだ。病気で横たわるパトラッシュを、ネロが必死に看病し、おじいさんは肉入りのスープをつくってあげる。ちなみにパトラッシュとは大きなセントバーナード犬である。

 一生懸命看病するネロに対し、パトラッシュは最初心を開こうとしない。それまで飼われていた金物屋(だったかな)の主人にいじめられ続けていたから、人間を信用することができないのだ。でも最後には心を開き、少しずつ元気になっていく。いじめるのではなく、本当に自分を愛してくれる人がいるのだ、ということがパトラッシュにも分かったんだね。

 この番組が、この後どういう展開をしてどういう結末に至るかをよく知っているだけに、こんな幸せなオープニングシーンなのに涙が止まらない。金曜の朝から。

 流れよ我が涙、と言ってみるまでもなかった。

***

 アロア萌え〜。



16 Aug 2001
Thursday

 まさに「情報は金なり」

 小田急百貨店の顧客情報流出、実に38万人分ですよ。流出元の顧客担当男性社員、38歳ですよ。洒落てるつもりが窃盗&背任容疑、お先真っ暗です。情報を買った信用調査会社が払った報酬は約160万円、果たして高いんだか安いんだかよく分からない額ですね。1人あたり約4円。たかだか4円で、会員顧客の氏名・住所・生年月日・電話番号などの情報が売り飛ばされるとは、デフレスパイラルここに極まれり。March of The Pigs がすべての秩序を破壊するヨ。

 フロッピーはすべて回収、名簿は信用調査会社から外部には流出していない、と豪語する関係者ですが、どうだかアヤシイものです。ズバリあなたのプライバシーは失われたでしょう。ストーカーの好餌でしょう。シリアルキラーの餌食でしょう。フマキラーの看板が道路沿いの家に貼ってあるところはかなり田舎の方でしょう。


 もちろん、今日帰宅してみると、うちの郵便受けにもしっかりありましたヨ。
 株式会社小田急百貨店の封筒が!

 震える手で封を切ると、中から出てきた「お詫び」状には。

「当社カード会員として入会時に貴様が書き残しやがった個人情報は、当社元社員が見事に売り飛ばしちゃったよ〜ん。メンゴメンゴ!」

 といった趣旨の、とても丁寧な詫び文が。あああ。

***

 えと、ファンレター送るとか、口説き電話かけてくるとか、そういう用途に使ってくださる分には大歓迎ですので、どうかよろしくお願いします。>入手された方

***

 僕が言って説得力があるかどうか分からないが、SMAPの『夜空ノムコウ』の歌詞にはとても感じるものがある。悲しみが消えるのを待っていても、それは決して後ろ向きな歌詞じゃない。時間が癒してくれるのを待つしかないこともある。何回も何回も歌ってみるしかないことも。

***

 SMAPとSPAMはアナグラムだった。今ごろ気づいた。
 えと、小田急百貨店の話はとっくに終わってました。自分でも気づかなかったヨ!




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