KATE結成までの物語
〜第九回〜

(1997年12月14日)

「封印」

 中学生活もいよいよ終わりを迎えようとしていた。集団下校のメンバーはそれぞれ
別の高校へ進むことがほぼ決定していたので、最後に一曲作って、解散しようかとい
う話しになった。私もひろみちゃんとの破局を迎えてから、みかちゃんという女の子
とおつきあいをしてみたのだが大失敗。モンモンとするこの中学生活に早くピリオド
を打ちたかった。集団下校の封印とともに新たな気持ちで高校生活を送りたいと思っ
た。現実逃避のために受験勉強をがむしゃらにしていた時期でもあった。「最後はやっ
ぱり自分達のテーマ曲だよな」という話しになり、私は作詞を開始した。

「僕ら、集団下校」作詞:川瀬哲也

歌を歌うなら、僕らにまかせろ
田辺と和多野と川瀬の3人

僕らは陽気な集団下校
僕らは知的な集団下校

ラララララ…


 受験シーズンの1月にかんちゃんにこの歌詞を渡して、作曲を依頼した。受験勉強
で忙しい中にもかかわらず、かんちゃんはすぐに曲を書いてくれた。

 模擬試験や私立・公立高校の受験などの嵐のような日程をこなしながら、集団下校
はこの最後の曲のレコーディングを終えた。丸坊主頭から卒業しようとしていた、
1985年の3月中旬頃だった。田辺は商業高校へ、和多野は工業高校へ、かんちゃ
んは地元の普通高校、私は美術高校へ進学。もう、これで終わりのはずだった。

(つづく)

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