KATE結成までの物語 〜第一回〜 (1997年9月28日) 「すべてはかんちゃんとの出会いから」 1980年4月。小学5年生の時の始業式会場にクラス替えの名簿が貼り出された。 「おお、お前と一緒じゃん!」「ゲ、あいつと一緒かよ〜!」私は当然、その頃お熱 を上げていたひろみちゃんの名前を速攻チェックした。その中に聞いたことのない (見たことのない)名前があった。「なんか、転校生らしいぜ。」「今日、教室で挨 拶とかあんのかな?」彼の出席番号は私の次であった。どんな奴だろう…。だが、ひ ろみちゃんと同じクラスになれたことの方が私にとっては大きなことだった。 始業式を終えて、各教室へ移動する。とりあえず知っている連中と騒いだりして時 間を潰していると校長がやってきた。「転校生を紹介する。」ペコリと頭を下げなが ら彼は入ってきた。「北方小学校から転校してきました。よろしく。」何だ、別に普 通な奴だな。「みんな仲良くして一緒に勉強していきましょう。この子の名前は…」 おもむろに校長が黒板に名前を描いた。彼の名前は関東正晃。「ふ〜ん、関東か。変 わった苗字だな。関東大震災か。」2、3日、かんちゃんのあだ名は「大震災」だっ た。この時、かんちゃんがこの先の私の人生に大きな影響を及ぼす存在になるとは知 るよしもなく、ひろみちゃんのことが気がかりでそれどころじゃなかった。 (つづく) |