曲の進め方


 曲の進め方として、おおよそバイオリンは3種類の方法(進め方)があるでしょう


・指番号を振ってそれを見ながら

・楽譜から弾く

・音から真似をする



音から(耳を使って)弾く。。など悪者にされる事もありますが、
実はそれぞれにいいところ、悪いところが必ずあります。

また、人により上記方法それぞれ得手不得手が分かれるようです
例:音からは得意だけど楽譜が苦手。
または逆で楽譜から弾けるけど音から真似するのが苦手。。など

全てのいいところ取りをする事と、人により例えば楽譜が苦手であれば、強くなるまで楽譜のトレーニングは別で続け、
多少指番号などの補助をする。。などとすると、多少の進みの差はあれど、
しっかりとご自宅でも練習を数年頑張ればメソード教本でいう4巻(ザイツの協奏曲)あたりまでは
経験則で90%以上の子が到達できます。(ただし、きちんとレッスン以外でも練習をする事が最低条件です。
レッスンを受けているのみではほぼ無理なのでそちらは頭に入れておきましょう。。)

@こちらに到達できると、教育大の音楽学部にバイオリンを使って入学できたり(もちろんバイオリンだけではダメで
他に5教科のテストなどもありますが)、下位レベルのオーケストラ曲のセカンドバイオリンパートなどがある程度弾けるレベルです。
。。逆に言うと、こちらレベルが弾けるところに到達しないとバイオリンは将来使いどころがあまりないです。。

というところで、どれかが悪い!とするのではなく、バランスよく全ての方法、またはすべての技能を上げる事を推奨します。

それぞれの利点、欠点を簡易に表記します



・指番号を振る

利: 初期段階で。。特に低年齢児にも理解しやすく、また直接動かす指の情報を書くのでおそらく
脳伝達に最も効率がよい。プログラム言語に近いというのでしょうか。。

欠: 上位レベルの曲はこちらのみの方法では段々弾けなくなる(より押さえる場所が複雑になってくると
ただ何の指を押さえるのか。。の情報だけでは弾けなくなります)
※ただし、部分部分では上級曲でも使えます。どうしてもひっかかる箇所の補助などに使うのは悪くないでしょう。
ただし、初歩段階を超えているのにあまりにもこちら頼りにする。。ようにはしないようにしましょう
いつか限界がきて壁にあたります。

指番号の振り方



・楽譜から弾く

利: 最も一般的というか、最後まで使え、また部活やその他でも基本はこちらの情報がないという事は
クラシックではほぼないので、基本的に一番レベルをあげていきたい方法です。

欠: 楽譜のシステムというのは結構複雑で(特にバイオリンの曲はほとんどは調号という
書いてないのに#や♭をつけなければいけない曲が多い事もあり) 経験則上 小学2年生以下で
教本のそれなりなレベルの曲(ザイツの協奏曲など)で全てをきちんと理解してバイオリンを弾いているな。。という子は
ほぼ出ません(おそらく出来るのはごく少数1-2割くらいです) 上記年齢くらいまではすべてを楽譜で
弾くというのは万人が。。と考えると無理に近いという事です(理解するまでは他の方法での補助がどうしても必要になります)

また、楽譜は万能と思われるかもしれませんが、バイオリンという楽器の特性上、
実は楽譜(紙の情報)のみでは、すべての演奏情報を書き表せません。

例えばピアノは最初のタッチの強さで初期の音の強さに差はあれど、一度押さえてしまえば
あとは上級者でも初心者でも同じように音が減衰していくだけです。

ピアノの音の画像イメージ



しかし、バイオリンは弓の圧のコントロールでいつでも自在に音量を変化させられます
さらには指で少し音程を変えたり、ビブラートがあります。
ビブラートも深さ・速さ・タイミング 自由自在です



同じ全音符。。や二分音符のド。。 の弾き方が大げさでなく百種類も二百種類もあります。

これらを楽譜(紙媒体)に表そうとすれば、二分音符の音符1つの上に

「最初mpくらいの音量で0.25秒後にmfに向かっていき0.34秒までその音量を保ち、
0.5秒後からpに向かって減衰させていく」

ピッチはまず下方1/2半音から入り0.5秒後に32セント低い音程へ・・0.62秒経ったらビブラートを
かけはじめ、その速さはおおよそ六十四分音符で深さは1/8半音で、0.8秒後
1/4半音ほどの深さにして早さを32分音符3連にし・・・

となってしまいます^^;

しかもこれで終わりではなく「音色」などの要素もあります。(最初にガリッとした弓が引っかかる音を
させるのか、させないのか、同じmfの音量でも弓のスピードを使った澄んだ音にするのか、力の方をメインにした
ザラザラした音にするのか。。など)

こんな事を楽譜の上に書いていたら4小節(数秒)程度で1ページ使ってしまうでしょう。。(笑)


実際に考えているかどうかは人によるでしょうが、これらの情報全てをコントロールしてバイオリンは演奏します。

では、これらの感覚やセンスをどうやって磨くのか?身につけるのか。。ですが、
はじめから持っている人は居るはずありません。
「上手な人の演奏を聴いて真似をする」 が最も早道であり、無意識であれ、ある程度上級レベルの表現演奏をする人は
先生やCD、演奏会などで実際の演奏を聞いてそれらの感覚を身に着けていっているはずです。

楽譜や指番号のみでは、この微妙なコントロールやどういった音色、音程、ビブラートのかけ方というのが
綺麗なのか、人を感動させるのか。。などの情報がないので、
バイオリンにおいては 「音を聞いて真似をする 学ぶ」 というのも非常に重要な要素なのです。

また、リズムというのも特に10歳以下では理解が難しいもの(表記)も多いでしょう。
※リズムも厳密にいえば、楽譜には書いてないけど付点の割り方が、曲想などによっては
厳密に 3:1 ではなく 2.8:1 くらいにすると優雅にに聞こえたり。。という場合などもあり、
それらの微妙なコントロールを学ぶのも音の方が有利です。
(またジャンルが変わってJAZZや民族音楽などの要素を含めた音楽などですと、3連でも付点でもない微妙な
割り方を要求されたりします。所謂クラシック以外のジャンルの方がよく使う「グルーヴ」というやつです。
それらを学べるのは基本的に音から。。となるでしょう)


また、クラシックにおいては、楽譜がない。。という状況はほぼありませんが、一歩違うジャンルになると
あるとは限らないのも現実です。ROCKやPOPSの人たちと演奏や仕事。。をした事が多くありますが、
場合により、まったく音符が書いてなくコードネームだけ(あとの楽譜は真っ白)や、それでもいい方で
コードネームすらなくサイズだけ(どのくらいの時間演奏するか、おおよそどのあたりでどのような
演奏をするかのイメージだけ)が表記されたものを渡される事や、
紙は一切なく、CDやデータをポンと渡されて、この曲ね。。などもありました。 結構そういう音楽の世界もプロでも
クラシックを出ればいくらでもあるのです。。

なので、音から弾くのはダメ!と考えるのではなく、是非活用もしていきましょう。


とはいえ、音から学ぶ良さをあげてしまいましたが、楽譜も非常に重要な事に変わりはありません。
どれだけ楽譜から早い時間で弾けるようになるのか。。がオーケストラなどにおいては
活動のしやすさに非常にかかわってきます。

しっかりと楽譜は楽譜でそれからでもきちんと弾いていけるように理解できる年齢・技術に
達したら、すぐにでも初期段階からきちんと学んで、また力をつけていきましょう
(開始目安:年齢5歳~ 曲レベル:メソード教本1巻 習作 に差し掛かる頃)




・音から真似をする

利 : ほぼ上記で書き終わってしまいましたが(笑)
 複雑なリズムなどが体感として理解しやすい、微妙な音色のコントロールや表現の仕方が学べる。。などです。

欠 : 複雑な曲になってくると、同じレ#の音を3指でとったり4指でとったり。。状況により使い分けます。
 これが音だけではほぼ分かりません。またポジションという技術が出てくると、どこでどのポジションにあがるのか、
どのタイミングで下がるのか。。などがまったくわかりません。 それらは基本的に紙情報(楽譜あるいは指番号)
の方が優位です。 という事で、こちらのみだけでも行き詰まるという事です



最後に

 というわけで、特にバイオリンはどれか1つだけ。。にすると学べない事、出来ない事も多く
やはり複数を使い分けていくのが最も有利。。となると思われます。

どれも毛嫌いせず、それぞれの利点・欠点、また自分の得手不得手をしっかりと理解し、
それぞれを上手に活用して曲を進めていきましょう!


@上記でも書いたように、人により得手不得手があるので、あくまでも目安。。ですが
下記のように進めていくといいでしょう


3~7歳スタートくらいの場合


メソード教本1巻  最初の5曲くらいは基本的に指番号で弾く 
 + 付属で最初からCDがついていると思うので、聞きこんでおくと
ストレスも少なく、また音から真似をする技術にスムーズに入れます


5曲目~10曲目 くらい
 出来るようであれば、しっかりとCDを聞きこんで、全部には指番号が振っていない
楽譜を少し見ながら(どうしても弾けない場所は指番号を追加してあげてもOKです)
基本、音を頼りに弾いてみる (レッスンでは一部でやっていますが、後程ご家庭でも
そちらのトレーニングが出来るようにするシステムや曲・音源・素材などを作りたいと思います)

また、ご家族でピアノか何か弾ける方が居る環境の場合、最初はゆっくりと1小節ずつ。。
などでピアノで音を聞かせてあげて真似をする(一緒に弾いてあげる)などで進めていくのもいいでしょう。

また、少し面倒かもしれませんが、CDを取り込んでMP3などのデータに変換する→
専用ソフトなどで速度を遅くして(またループ再生して)それにあわせて弾かせて練習する。。
などもテです。スマホアプリでも同じようなものが探せばあるのでは?と思われますが、
知っているところですと、PCでなら 「GOMプレーヤー」 というフリーのソフトでそちらが可能です。

取り込んだ曲を再生している状態で 「x」 ボタンを押すと 0.1 倍速ずつ遅くなっていき、
「c」 で逆に早くなっていきます。 またループ再生したい最初のポイントで 〝 〟 のキーを押し
ループ終了したいポイントで 〝 」 〟 のボタンを押すと、永遠にその間をループ再生し続けます
例: 2小節目の頭 で 〝 〟 3小節目に入るところで〝 」 〟を押すと 2小節目の演奏を
ずーーっと自動でループ再生してくれます。 PCをお持ちの方はよければ試してみてください

注:フリー(無料)ソフトなので広告等は入ります。

これ以外のソフトやプレーヤーでも同じような事が出来るものはあると思うので、探してみるのもいいかもしれません。



そして、10曲目 くらいに 「習作」 という曲があるのですが、こちらが弾けるようであれば
一番簡易なハ長調の音階が弾けます。(G線3指からの1オクターブの音階)

曲は曲として、同じように音と指番号を活用して進めていき、この頃から同時に
簡単な楽譜を見ながら弾く。。(指番号もふらず音も頼らず弾く)練習を開始するといいでしょう
(こちら用の教材や楽譜も出来るだけ作成・公開していきたいと思っています)


2巻中期~3巻中期 あたりに徐々に楽譜が得意な子、しっかりとトレーニングを続けた子は
一部が楽譜からの情報で弾くことが出来るようになってきます(年齢的に到達年齢が10歳くらいでしたら
このような状況になりやすいです。が、指回りが上手でしっかりと練習する環境の場合、幼稚園児で
ここのレベルに到達する事も結構あります。。その場合、曲レベルだけでは判断できないので@年齢的に
難しい理論詰めの楽譜のシステムを完全理解は難しいと思われますので、少しズラしていきましょう。
ただし、楽譜の理解も出来るだけ頑張って進めていきましょう)
という感じの目安が最も効率よく、また色々なタイプの子でもそれなりに進めていけるのでは?(万人向け)と思います。

もちろん、個々の個性や特質により、一律に守るのではなく、臨機応変に対応していきましょう。



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