楽器をアゴで挟み込む(左手を放す)


 はじめに

注意:慣れないうちはこちらの手を放す練習はバイオリンを落下させる危険があるため、
慎重に、そしてしばらくは一人で行わないようにしましょう!!

また、万が一落下しても大丈夫なように、最初は布団の上や
ごくやわらかいカーペットの上などでできるだけ床までの距離を縮めて(座ったりして)練習するといいでしょう。。
(あるいはいつでも受け止められるように保護者様が手を空中に用意した上で行いましょう)
フローリングなどに立った状態から落下させると楽器破損の可能性があり非常に危険です。。気を付けましょう。。


 上記のような特性上、こちらの手を放す練習は少し集団レッスンでの練習がさせにくいです
(マンツーマンでないと危険を伴うので)出来るだけおうちで安全な環境を作り練習してみてください。


また、肩当という器具がないと特に初心者の頃はこちらの練習が難しいかもしれません。
まだ持っていない方は下記肩当についてをご一読ください。

・肩当について

 では、何故このような練習をするか。。ですが、バイオリンが生まれた当初はこのように
アゴで挟み込んでは持っていませんでした。

 バイオリンは古くより合奏楽器の王者として君臨し、またSOLO楽器としてもたくさんの演奏家を生み
切磋琢磨し、この楽器の魅力・技術力を常に発展させてきました。

その中でパガニーニ時代あたり(1700年代後半くらい)に、そちらの技術発達が
円熟していくのですが、より左手を自由に動かし、素早いポジション移動や
ビブラートなどを行えるよう、肩(あご)で楽器を挟み込み、左手は基本指を
動かす事や左腕は動作のみに集中させる。。という技術が生まれました。
@同年代の作曲家・ヴァイオリニストのシュポーア(Spohr, Louis 1784-1859)
が現在の顎あてを発明・装着したといわれています。

というわけで、現代のバイオリン演奏技術・フォームはこれら、楽器を支えるのはあご(顔・肩あたり)で行い、
左手はすべて演奏に使う。。事を前提としたものになっています。

逆に言うとこれらが出来なければ現代の演奏技術は身に着けられません
(素早いポジション移動やビブラート等)ビブラートはいかにもバイオリン!という音を出してくれる技術ですし、
もし将来的に高校・大学の他、地域のアマチュアオーケストラ参加などを視野に入れているのであれば
それらでの演奏には素早いポジション移動は必須技術です(出来ないと弾けません=参加できません)


まずは下記のようにティッシュボックスを左肩に乗せ、あごで挟み込んでみて
安定できるか試してみましょう(体の中心に来ないように気を付けましょう。
挟み込む力のみで支えるのではなく、半分肩に乗せ、半分挟む。。ような感じになるので、
基本的に左肩側ではさむようにしましょう)




まずはこちらがしっかりできるように練習してみましょう!

ごく、安定できるようになったら、上記のように細心の注意を払い、布団の上で。。や、
保護者様が落ちないように空中に(楽器を受け止められるように)手を待機。。させておく
用意を整え、準備が出来たら楽器で行ってみて、ゆっくり左手を放してみましょう

慣れれば1ヶ月~程度でかなり安心・安定して手を使わずに構える事が出来るようになってくるでしょう。

あるいは、現在やっている・やっていた 左手を使わない開放弦の練習(1-2分程度)の伴奏音源にあわせ、
この、手を離したままの姿勢で開放弦を弾く練習をしてみるのもいいでしょう

伴奏が鳴っている間(1-2分)グラつく事なくほぼ弾ききれれば手を放す技術は一時クリアという事でいいでしょう




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