Music
DTM講座/マニアへの道
  


 

No.4
<打ち込みのコツ/中級1>

 
さて中級ワザに入ります。いきなりトラック数も多くなります。

今回はロックバンドものです。まずはM_DEMO_03.MIDをあなたのディスクトップにダウンロードしてください(SaveThisLinkAs)。「ヴァンヘイレン」の名曲「Jump」です。まずは聴いてみて下さい。M-4chがメロ、M-15chがコーラスになってます。オケだけ聴きたい時はミュートしてください。
(同じく再マップしてください。)




1)データを開いて、もう気付いた方もいるかと思いますが、MIDIシーケンサーにおける、トラックとMIDIchの並びの順序に付いて説明します。まずMIDIchですが、ドラムセットについてはもうみなさんも10chになっていると思います。ではなぜこのデータはM-1chから順番に並ばせずに、M-10chがトラックの一番上にあるのか?

 御存じの通り、MIDI信号は1chから16chへと順番に流れていきます。ドラムを発音させるのは(だいたいが)アタックだけなのですが、それでもやはりデータ量が多くなると、どうしても遅れてしまいます。ではどうしたらいいか?ドラムをMIDI1chに割り当てる?でもドラムより大事なパートはたくさんありますよね。しかし核となるリズムは曲にとって重要です。その解決方法がこれです。

 シーケンサーは1トラックから順番に読んでいきます。だからドラムを一番上のトラックに持っていってあげるのです。これだけでかなりスムーズに信号が送れるのです。

 これは一台のマルチ音源を使うのが前提な、MIDI制作の現場では決まり事なのですが、レコーディングになると機材や音源も多数使います。トラックもMIDIも分けて録る(信号を送る)場合も多いので、またケースは違います。

 同時にベースは2トラックにM-2chでというのが決まり事となってます。ベースもやはりモタると目立ちますから。



2)さてそのドラムなのですが、設定を見て下さい。スネア、ベードラ、タムと、全ての音源がチューニングされているのが分かりますか?ドラムはこの他、各定位やPANの振り方(ドラムセットの音の流れ方。左から流れるか、右から流れるか等)も変えたりします。レコーディングでもスネアの音作り一つに1時間もかける時もあります。ドラムの音色は曲のイメージの大事な要素ですので、いろいろ試してみるといいでしょう。ロック系だとリズムトラックにEQを掛けるとパンチが出ます(セットアップに書き込みます)。




3)ギターのグラフックウインドウです。この曲はEギターとアナログシンセがメインなのですが、Eギターのこの手の奏法は一つの音色だけでは対応できません。こういう時はプログラムチェンジで音色を変えてやります。同時にプログラムチェンジしたらTVF等の設定なども、チェンジした音の初期設定値に変わってしまいますので注意してください。この曲ではギターソロに2トラック使って音色を変えています。さらにプログラムチェンジもしていますね。ピッキングハーモニクスやスライド、途中でピックアップの音も変わったりして大変です。シンセもアナログの感じが出ていると思います。




4)ギターのチョーキングやアームなどはピッチベンドで再現します。細かいビブラートはモジュレーションを使います(大きいビブラートはピッチベンドです)。もちろん同時にもかけます。





5)他にもこの手のロック系はベースにシンセベースを重ねたりするとボトムに厚みが出ます。ギターが多い時はPANの振り方に注意すると団子になりません(この曲は原曲のPANをコピーしてます)。また同じ音色を使う場合はTVFで少し変えてやると効果が出ます。いろいろトライしてみて下さい。またベースのPANは、センターより(シーケンサーによってセンターはOか64です)1か2ほど左右どちらかに振った方が、ベードラと団子にならずにすみます。レコーディングでは同じ位置に置くのですが、DTMの場合はこうするとどちらもはっきり聴こえます(127分解なのですから)。

次はアンサンブルものに行ってみましょう。



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