The
Byrds |
おすすめ度★★★☆ |
||
セカンド発表後にグループを脱退したGene Clarkの穴が大きく響いた形となった、前作「Fifth Dimension」に続くByrds4枚目のオリジナルアルバム。 ここではBob Dylan作の9の印象的なフレーズをそのままタイトルに掲げ、過去の自分達への決別を誓った作品と言っても良いと思う。 非常に多作だったGeneの穴を埋めたのは、ベーシストのChris Hillmanだった。彼のブルーグラス畑のルーツを生かしたカントリーフェイバーなオリジナル曲が、Byrdsに新たな風を吹き込む事になる。 しかし一方でGeneが抜けた事により「第二の男」、さらには音楽的リーダーを担っていたDavid Crosbyの立場が危ういものになっていく。事実、彼のサイケな傑作「It Happens Each Today」は、このアルバムの為にレコーディングされながら未収録に終わっている。 またレコーディングにおいても、後に正式なメンバーとしてByrdsに迎え入れられるClarence WhiteがChris Hillman作の軽快なカントリーロックナンバー5で見事なリードギターを弾くなど、外部ミュージシャンの起用も目立って来る。 4人になったオリジナルメンバーの個性が同居しながらも、リーダーを自負するJim MuGuinnの控え目なリーダーシップが光る中期Byrdsの名作だ。 ちなみに現在は素晴らしいリマスターが施され、さらにボーナストラックも満載なCDが手に入る。 ボーナストラックでの注目は何と言っても上記にあるCrosbyによる未発表ナンバーの13が収録されていることだろう。Crosbyの持ち味が存分に発揮されたアコースティックな名曲だ。 他にもどちらかと言うと次作の様なアレンジが施されたタイトルナンバーの別バージョンの14、更に次作でオーバーダブが加えられた形で正式収録される17のプロトタイプなど、注目に値するトラックが並べられている。これは買い直すしかないです。
〜特にお気に入りな曲達〜 まずは、反則かもしれませんが、タイトルが好き。いやぁ、2回目の年男をも越して、心に響くタイトルであります。でも、多分僕が言ってるのとは厳密には違うと思いますが....このタイトルの意味するところは。 さてさて真面目に。オープニングのSo You Want To Be A Rock'n Roll Starにおけるリフは永遠ですね。Chris Hillmanが生んだ最高のリフでしょう。ヒューマサケラという方がトランペット吹いているらしい。Muguinnの12弦ギターも絶好調だ。 Chriss Hillman作のHave You Seen Her FaceもポップなRockナンバーだ。バックはとってもポップなくせにメロディがエラク暗いところも、力任せに畳掛けるMuguinnのソロもByrdsらしくて好き。 MuGuinnとCrosbyの共作のRenaissance Fairはサイケな名曲だ。イントロがいかにもDavid Crosbyだなぁっと思わす曲だが、MuGuinnが絡んでるだけにちょっとマイルドな作風だ。David Crosby入門曲として最適かも... そしてその重たい雰囲気から一転、Time Betweenである。とにかく手数の多い超テクニックのClarence Whiteのギターで決まり!ってテイクですね。Chrisの最高傑作だ。 そしてそして、またまた暗〜い世界へ。^^;Everybody's Been Burnedです。こちらはディープなCrosbyの世界。実は何だか妙に好きです。仕事に疲れて、酒飲んで、酔っ払って聴くと、さらに効果倍増です。(あぶないか....) Thoughts And Wordsは、またしてもChrisの作品。サイケで哲学的な歌詞とCrosbyの粘っこいハモリとは対照的に響くポップなサウンドが魅力。ここらのCrosbyとHillmanの対極的魅力が、このアルバムを面白くしていると思う。 そして「あら?久々に出てきたな」って感じのJim MuguinnのヴォーカルによるMy Back Pagesが始まる。やはり、Dylanの作品とMuguinnとの相性は抜群で、ここでも粘っこいヴォーカルと12弦ギターで見事に作品を仕上げている。 そして、前作におけるCrosby的なノリを持ち込んだWhyでアルバムは幕を閉じる。シャッフルビートの作風とやる気の無さそうなヴォーカルがこの時期のByrdsらしい。 やや平坦な展開であるものの、Crosbyのソングライターとしての才能が開花に向かっていることを感じることが出来る。 密かにお気に入りなのがDon't Make Wavesだ。何かの映画用に作ったHillmanとMcGuinnの共作らしいが、明らかに適当にレコーディングしたのがわかってしまって楽しい。 次作で実験的なエフェクトを加えられてしまったOld John Robertsonは、シンプルなアレンジのまま楽曲の魅力を伝えてくれる。貴重なバージョンだ。
|
1 . So
You Want To Be 〜Bonus Tracks〜
|
(2001.10.8 再更新)
順路はこちら
Byrds Cossroad
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
Bob Dylan / Hiway 61 Revisited
RockなDylanの歴史的名盤