The
Band / Live At Watkins Glen |
おすすめ度★★★★☆ |
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95年に正規盤として登場した73年のRock史上最大の観客を動員した野外フェステバルにおけるThe BandのLive音源。 当時彼らはしばらくの間ステージから遠ざかっており久々のLive演奏だった様だが、どっこい素晴らしい演奏の連続に鳥肌は立ちっぱなしだ。 力強くも終始安定したヴォーカルを聴かせるLevon、Liveならではのワイルドな演奏を繰り広げるRobbie、そして4などでの素晴らしいヴォーカルが光るRickと彼らの実力を見せ付けるには充分の内容。 完成されたホーンアレンジで見事に包まれた「Rock Of Ages」、そして豪華なゲストに囲まれながらもRobbieによるオーバーダブの入ってしまった「Last Waltz」。 彼らのLiveアルバムは既存のものだけでも歴史的なものばかりだが、素のままのThe Band、5人だけのThe Bandにより展開されるありのままの姿に触れられるのは本作だけ。 僕はそんな彼らの演奏をダイレクトに感じることのできる本作が、数あるLiveアルバムの中でもダントツにお気に入りなのである。 因みに当日のステージにはGreatful Dead、The Allman Brothers Band、そしてThe Bandというアメリカでも屈指のライヴバンドが登場したという.... 頼むからタイムマシーンを用意してくれって感じですよね、マジ。
〜特にお気に入りな曲達〜 メンバーひとりひとりの名前を呼び上げてのカッチョ良いMCに乗ってBack To Memphisのイントロが流れ出す時、僕の気持ちはいつも高鳴る。 Chuck BerryによるR&RをThe Bandらしく、ベタベタ土臭Rockにアレンジしたこのテイクは70'sアメリカンロックの真骨頂だ。 Levonによるドタドタしたリズムとピコピコと妙な音を立てるGarthのキーボード、それに乗って鮮やかに鳴り響くRobbieのギター....どれもが完璧のLiveオープニングだな。 続くEndless Highwayは、The Bandの終焉を感じてRobbieが書き下ろしたというオリジナルナンバー。シャッフルビートのR&Rスタイルに乗ってRickのヴォーカルも力強く響く。縦横無尽に鳴り響くGarthのキーボードからも耳が離れない。 Richardがスタジオ盤と変わらぬ魅力を放つ I Shall Be Releasedも聴き所のひとつだ。彼の絞り出すようなヴォーカルを、生で聴いてみたかったな、やっぱり。 RickがLevonとの息の合ったヴォーカルを聴かせるLoving You Is Sweeter Than EverはR&Bの見事なカヴァーテイク。間奏でのRobbieとGarthの掛け合いも本作のハイライトのひとつだ。 ステージ中に会場を襲った豪雨の中で演奏されるToo Wet To Workは、Garthによるオルガンソロだ。あまりの豪雨にメンバー全員が逃げ出す中で一人残って演奏する彼の姿を記録した貴重なトラック。 もちろん実際はもっともっと長時間演奏していたと思われるが、ココでは2分くらいでカット。やる気のある時は勿体無い!っと思うけど確かに通して聴く時はあまり長いと困る。 豪雨がおさまり「Is Everybody Wet ?」の掛け声で再開されるDon't Ya Tell HenryはBasement Tapesに収録されていた独特のシャッフルビートのR&Rだ。奇妙なリズムに乗ってのRobbieのノリノリソロが冴えまくる。 続くThe Rumorはスタジオ盤と同じく、巡る巡る3人のヴォーカルが最大の魅力。味わい深くひとりひとりのヴォーカリストがその個性を発揮する瞬間は昇天の心地。またそれに華を添えるかのようなGarthのオルガンとRobbieのソロも最高に染みて来る。 っとここまで散々鳥肌を立たせてきたが何と言っても最大の山場はTime To Killで訪れる。もうこのトラックでのRobbieのギターは史上最高だ! イントロのソロだけでも死にそうなのに、間奏が終わりかけた時に強引にもうワンコーラス持っていく瞬間はもう生殺し状態。Last WaltzにおけるClaptonストラップ事件に並び称されても不思議でないRobbieによる最高のソロ演奏だ。 更に続くJamは即興っぽい感じのアップテンポインストナンバー。Robbieが引っ張る感じで展開するナイスなジャムだ。 ラストはUp On Cripple Creek。スタジオ盤と勝るとも劣らない演奏振りに彼らのLiveバンドとしての力量を感じる事ができる。 あ、全部お気に入りでしたね、結局.....
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1 . Back To Memphis
彼らはやっぱり5人の |
(2000.4.29 更新)
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